小児科医と現場カウンセラーが証す思春期への賢い対処法
頭がいい親の13歳からの子育て
子育てのコツがわかる本

子育ての確かな「知識」を徹底ガイド
子どもは二度“誕生”する。このチャンスを活かすのが子育ての重要ポイント。
子どもは乳児として誕生(「第一の誕生」)してから、思春期の入り口でもう一度誕生(「第二の誕生」)し直す。
これは、子どもが母親に甘えられる最後のチャンス。
こんなときこそ、しっかり抱きしめて母親の愛情を確認させてあげ、信頼関係を確認させてあげれば、子どもはまっすぐ育つ。
〈13歳からの不安〉が見えてくる
「うまれてきてよかったのだろうか」
「ここに居ていいのだろうか」
「成功しないとほめられない?」
「自分を主張できない」
「自分の好きなところが見つからない」
親には3つの力が必要
自立する力 親が自分の価値に自信をもつ
対話力 断定した言葉を避け、子どもの心に響く対話に徹する
情報力 親自ら新しいことに好奇心をもち輝いている
子供の行動には意味がある
●注目を集める……自分の存在を確認したい
●力を誇示する……自分の価値を感じたい
●復讐する……キズついた自分をいやしたい
●無能さを示す……つらい経験から逃れたい
知っていますか? 思春期は第二の誕生
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「はじめに」より |
子育てに失敗はありません。大切なのは、結果にばかり気をとらわれることなく、なぜそうなったのか原因を突き止めて、そこから子育てのやり直しをすることです。足りなかったところをもう一度やり直していけばいいのです。“ケガの功名”という言葉もありますように、親も子どもも、失敗したからこそ学べることがたくさんあるのです。
ともあれ、「体が大きくなってくるにつれて、何を考えているのかわからなくなってしまった」と嘆く前に、思春期の子どもの心と体について 、しっかりとした「知識」をもつことです。
百人の子どもがいれば、百通りの子育てがあるのでしょうが、子どもが一人の人間として成長していく過程には共通した原則があることも見逃せません。
子どもを思う親の愛情、そして親子の信頼関係が大切なのはいうまでもありませんが、それに加えて、子育てのための確かな「知識」に基づき、よりよく子どもを導いてあげることも求められているのです。とくにこの点が、このごろの子育てに見失われているように思えてなりません。
最近では、思春期の子どもの起こす問題は、親の想像をはるかに超えて、多岐にわたると同時に、深刻度を増してきています。不登校、引きこもり、家庭内暴力、校内暴力、拒食症、援助交際、薬物乱用、恐喝、窃盗、家出など枚挙にいとまがありません。
さらに気になる点として、表面上は特別の問題がないように見える子ども、いわゆる“ふつうの子ども”が、問題を起こす傾向が増えてきていることです。
思春期、とくに13歳くらいからは子どもの時代に別れを告げて大人の世界に入っていく、心身ともに変化の激しい時期です。
子ども自身はもちろん、親にとっても、この思春期という人生の大波をのり越えていくには相当なエネルギーが必要です。いったいどうしたら、そんなエネルギーを備えておくことができるのでしょうか。
私たち双子の姉妹の生まれ育ちには、ふつうの姉妹以上に共通したバックボーンがあると思いますが、成人してからは小児科医として、またカウンセラーとして、それぞれ異なる分野で子どもたちや、その親御さんたちと接してきました。
同時に私たち自身も親として自分の子どもたちに向き合い、子育てという共通のテーマを探っていくうちに、親がもう少し子どもの成長についてしっかりとした「知識」をもつ必要があるのではないか、という一致した考えをもつようになりました。
とくにこの本では思春期の子どもの心と体について取り上げていますが、なかでも思春期の入り口は、子どもが乳児として誕生(「第一の誕生」)してから、もう一度誕生し直す「第二の誕生」の時期なのです。
生まれたばかりの赤ちゃんは、無言のうちに母親と「心の絆」、すなわち信頼関係を結ぼうと求めています。それが人生を生きる基盤になるからです。母親が抱っこしたり、頬ずりすると、その温もりで赤ちゃんの心は母親のなかに溶け込み、安らいだ気持ちになります。
それと同じようなことが「第二の誕生」である思春期の入り口でも起こります。小学校の三、四年生の妹さんは元気なのに、いままで活発だった五、六年生のお兄ちゃんのほうが赤ん坊っぽく見えることがあります。それは、いよいよ思春期を迎えて子どもから大人に生まれ変わっていくスタート時点で、いわゆる“大人の赤ちゃん”として情緒がとても不安定になっているからです。
ここは、子どもが母親に甘えられる最後の時期なのです。いよいよ大人として飛び立つための自分探しの思春期に突入する前に、もう一度、親との精神的なつながりを確認しようとするのです。
第一の誕生である乳幼児期に親子の葛藤があった場合には、なおさらこの時期に親との絆を確かめようとするでしょう。
親の気持ちとしては、体が大きくなり大人に近づいたなと思っていたのに、やけに子ども返りしているようで心配かもしれませんが、こんなときこそ、しっかり抱きしめて母親の愛情を確認させてあげる、信頼関係を確認させてあげることが、子どもの大きな力になるのです。それが微妙に危うく揺れ動き始める13歳からの子育てを支える基盤にもなっていきます。
こんな子育ての「知識」があるだけでも、親としての対応はかなり違ってくると思います。実際、この時期の対応がまずくて、その後の思春期に大きな問題が起こっているケースもたくさんあります。
本書では、子育て全体において、とりわけ13歳前後からの子育てにおいてぜひ知っておいてほしいことをガイドさせていただきました。とくに激動する現代社会のなかで思春期を迎える子どもたちを親として支えるための一助になれば、これ以上の幸せはありません。
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木村慶子・高橋愛子共著
1365円(税込)
四六判 |
■著者略歴
木村慶子
(きむら・けいこ)
昭和13年5月17日東京生まれ。高橋愛子とは双子姉妹の姉。慶應義塾大学医学部卒業。医学博士。元慶應義塾大学教授。三女の母親。昭和51年慶應義塾大学保健管理センター講師。その後、助教授を経て平成8年から教授。平成3年から1年間、ドイツ・ケルン大学医学部小児思春期精神神経科に交換研究留学。現在、「子どものための心と体の予防医学センター」所長。各種医学専門誌に文献掲載多数。
高橋愛子
(たかはし・あいこ)
昭和13年5月17日東京生まれ。慶應義塾中等部から慶應義塾大学経済学部卒業。結婚後、家庭教育の研究をはじめ、昭和58年には高橋愛子家庭教育研究所を設立しカウンセラー、セラピストとして活躍。三男、一女の母親。各地の教育委員会が主催する家庭学級の講師、保育園や学校、各種団体、諸企業等で教育講師、さらに講演活動も行なっている。主な著書に『頭がいい親の上手な叱り方』『気絶するほどほめる子育て』などがある。
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