プロのカウンセラーが明かす話し方の極意!!

頭のいい夫婦気くばり会話術


言葉の少ない夫婦関係に不安を感じているあなたへ

たった3つの基本で会話が変わる!――「いい話し方」から「いい関係」がはじまる!

  1. きっかけは身近なところから
  2. フェイス・トゥ・フェイス
  3. 時と場と思いを共有する
夫婦にも会話への気くばりを!

これだけは言ってはいけない8つのタブー
相手のタイプに応じた話しかけ方がある
考え方が合わないとあきらめる前に話し方を考えてみる
あんなに大きかった不満が満足に変わる会話のコツがある

 「これだけは言ってはいけない」 タブーの言葉

「こうしろ、ああしろ」命令・指示
「こうすべきだ。これはあなたの責任だ」説教・訓戒
「私ならこうする。なぜこうしないのか」提案・忠告
「あなたはまるでわかってない。あなたの考えは間違っている」批判・非難
「そんなことができないのか。なまいきだ」軽蔑・侮辱
「あなたの……なところが悪い。本当は、そんなつもりじゃなかったんだろ」分析・解釈
「なぜそうした。どうするつもりだ」尋問・質問


  プロローグより

ケース1 夫は曇りガラスの中にいるようだ

「結婚して四年になる主婦です。子どもは一人で、おそらくごく一般的な家庭だと思うのですが、このごろは夫と話すほど『嫌い』という気持ちが増してしまうのです。
  いけないことだとは思いますが、ときには『この人さえいなかったら、どんなに気が休まるだろう』と離婚さえ考えてしまいます。
 夫と話していてよくケンカになるのは、家計のこととか育児のことです。もちろん最初はケンカではなく、よく話し合おうと思って私から真剣に話しかけていくのですが、夫は適当な返事しかしてくれません。
イラスト「なに考えているんだろう」 そんな夫の態度に私も、しだいに腹が立ってきて、ついつい感情的な言葉が飛び出し、結局ケンカになってしまうくり返しです。
 結婚した当初は、この人となら何でも相談できると思っていたのに、子どもが生まれ、家計をやりくりしなければならなくなって、私の中にストレスが溜まってきたのかもしれません。
 それでも、、金銭のことや育児についてよく話し合わなければと思い、なんとか話しかけるのに、いつも生返事ばかりされていると、『この人、いったい何考えてるの?』という不満が溜まってしまうのです。
 正直言って、このごろはいちばん事情が近いはずの夫と話すより、友達と話していたほうが気持ちが和らぐ感じです。私がそんな感じだからかもしれません。どんどん夫と気持ちが離れていくようで心配です。
 子どものことを考えても、こんな夫婦ではいけないと思っているのですが、なんとか、夫との会話をスムーズにすることはできないでしょうか」
 この奥さんにまずお伝えしたいのは、「夫婦の会話がスムーズにいかないのは苛立つもの。さぞかし、ストレスや不満が溜まったでしょう。でも、そういうなかで『こんな夫婦ではいけない』と、よく気がつかれましたね。あなたが気がついたからには、きっと解決できますよ」ということです。
「自分たちは、このままではいけない」と気がついたら、すでに、そのご夫婦・ご家族は生まれ変わるスタートラインに立っているのです。
 あとは、妻からでもいいし夫からでもいいので、相手と気持ちを共有できるような会話のコツさえ知っていれば、夫婦のいいコミュニケーションがはじまる。それが、多くの方々と接してきた私の実感です。
 この奥さんの場合は、ご主人と真剣に話そうと身構えすぎて、一方的な話しかけ方になっているのが気になります。くわしくは本文で説明しますが、ちょっと話しかけ方を工夫してみるだけでも、ご夫婦の会話がずっとスムーズになるはずです。
 ただ、そのままにしておくと、どんどん気持ちが離れてしまい後戻りできないところまでいってしまうことにもなりかねません。ちょっと気持ちが離れているかなと不安になったら、会話のコツをつかんで話しかけるだけでも、相手の対応がずっと変わってくるのを実感できるはずです。

ケース2 夫は無口なのではなく何も考えていない?

「お見合いで結婚して、社宅に住んで、子どもはまだいません。はじめのころは夫との会話が少ないのは、この人が無口だからだと、これまでずっとそう思っていました。
 一生懸命料理をつくっても、おいしいとも言ってくれないし、玄関に花を飾っても何も言ってくれない。でも、朝早く出かけて夜も遅い、仕事熱心な人だから、疲れてそういうことには気がつかないんだ、と自分に言い聞かせてきました。
 でも正直言って、毎日が寂しかったです、すごく。私はなんでここにいるんだろうって。姿の見えない透明人間相手に、ごはんつくって、洗濯して、掃除しているみたいだって。
 実家の親にも相談しましたけど、男の人はみんなそんなものだ、まじめに働いてお給料入れてくれるならいいじゃないか、そのうち子どもでもできれば変わるからって言われました。
 そんなこといっても子どもだって、一人じゃつくれません。社宅だって、いつまで住めるかわからないと近所の奥さんに言われると、家を建てるとかマンション買うとか、夫と考えないといけないんだなあって、焦りがだんだんつのりました。
  けれど、そういうことを休みの日などに夫にたずねても、いつも『おまえの好きなようにすればいいよ』って言うだけなんです。
 たまりかねて、『あなたは毎日、何を考えてるの』『そんなに私と話すの嫌? 私って話もできないくらいバカに見えるの?』と夫に詰め寄ったことがあります。
 そうしたら、『いや、ごめん。オレ、仕事以外のことは何も考えてないから』って言われて、あぜんとしました。
 夫は単なる無口とか、話し下手じゃなくて、そもそも何にも考えてなかったんだ、とわかったときは、ショックでした。もしかしたら、仕事以外何も考えないこの人は、私との結婚だって何も考えずになりゆきでしたのかもしれない、そう思うと情けなくて……。
 こういう人とこれから何十年もいっしょに暮らすのか、子どもを生んで育てるのかと思うと、私にはそうできる自信がありません。
 でも何かすれば、夫が家でも自分の考えを話すように変わっていく可能性ってあるんでしょうか。それとも、私の気持ちも家庭のことも、何一つ考えてくれないような夫とは、早めに別れたほうが正解なんでしょうか。
 迷っています」
 同じ女性として、この奥さんのショックな気持ちはよくわかります。
 ただ、これは男性にかぎったことではありませんが、子どもの問題を全部先取りして解決するような、やり手のお母さんのもとで育った人には、他人の立場や気持ちを考えたり、自分が本当はどうしたいかを考えるのが苦手な人がいるようです。
 そんなご主人を責めるだけでは問題解決に至りません。ケース1の方と同じように、この奥さんもご自分たち夫婦がこのままではいけないと気づかれたのですから、あとは話し方を工夫するだけでも二人の世界は変わってくるのです。
 それにはまず、ご主人と会話しやすい環境をつくること、つまり、ご主人と「時と場と思い」を共有してみることです。小旅行でも、レストランでゆっくりと食事するのでもかまいませんし、それこそ二人で買い物に出かけてみるのだっていいのです。そうしてご主人と二人で、同じ事情を共有し、同じことに興味をもつ瞬間をつくってみるのです。
「これ、面白そうだね」そんな会話でも、何度かやり取りするうちに心の奥にある本音の言葉がポロリと出てきたりして、ご夫婦の会話がはじまるきっかけができてくると思います。そのために、本書で紹介する「気くばり会話術」は大いに役立つと思います。

 

最初は良かったのに……この人、いったい何考えてるの? カバー 高橋愛子著
1470円(税込)
四六判

■著者略歴

高橋愛子
(たかはし・あいこ)


高橋愛子 顔写真昭和13年5月17日東京生まれ。慶應義塾中等部から慶應義塾大学経済学部卒業。母親が幼児教育に熱心であった影響もあって結婚後、家庭教育の研究を始め、昭和58年には高橋愛子家庭教育研究所を設立してカウンセラー、セラピストとして活躍する。
東京都、埼玉県、神奈川県、静岡県などの教育委員会が主催する家庭学級の講師、保育園や学校、各種の団体や企業でも教育講師を担当。全国での講演活動も多い。また、自ら「ファミリー心理学講座」を定期的に開催して直接指導にも当たる。主な著書に『頭がいい親の上手な叱り方』『気絶するほどほめる子育て』(以上コスモトゥーワン刊)、『頭がいい親の13歳からの子育て』(共著、コスモトゥーワン刊)などがある。

 

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