「はやくよむ」には「とらえてよむ」
◎これまでの速読の魅力と限界
情報社会で生きる私たちには、できるだけたくさんの情報に接し、その内容を把握しておきたいという願望があります。速読に関心を持つ人が多いのもそのためだと思います。実際に速読をマスターしようと挑戦した人もかなりいることでしょう。
ほんとうに1冊の本を普通の2倍、3倍、4倍というスピードで読んで、書いてあることを全部覚えられたら、どんなにいいでしょう。
ところが、
「いろいろな速読の本は読んでみたけど、実際にやろうとすると、トレーニングがだんだん苦しくなってきて、やめてしまった」
「専門の教室に速読を習いに行ったけど、結局、身につかなかった」
という感想をお持ちの方が多いようです。
みなさんはどうですか?
「そもそも、普通の人に速読なんて本当にできるのかな?」と思っておられる方もいるでしょう。
「1ページ9秒そくどく」を構築するために速読を研究していたころ、私はいろんな速読教室にも通ってみました。そのひとつの教室でのことです。そこには最初50人くらいの参加者がいました。サラリーマンや主婦、心理学を専攻している人、セラピスト、学校の先生など、さまざまな人たちが参加していました。
本を速く読んでもっと短時間で知識を増やしたい
資格を取得するために効率的な勉強をしたい
文書処理など仕事の効率をアップさせたい
そんな期待を胸に、みなさん挑戦していました。
ところが、何回目かに気づいてみると、13人くらいしか残っていません。周りの話を聞いていると、「速読ができたらいいなと思って通っているけど、どうも自分は付いていけない」と感じている人が多いようです。
何とか残って頑張っていても、その速読教室では速く読むことばかり強調されるので、それがプレッシャーとなり、やる気はあっても空回りしてしまいます。
結局、もともと速読に向いた脳力がある人しかできないみたい、自分には無理だと諦めてやめていきます。残っていた私も、このような速読に限界を感じました。
「はやくよむ」には「とらえてよむ」
◎これまでの速読の魅力と限界
情報社会で生きる私たちには、できるだけたくさんの情報に接し、その内容を把握しておきたいという願望があります。速読に関心を持つ人が多いのもそのためだと思います。実際に速読をマスターしようと挑戦した人もかなりいることでしょう。
ほんとうに1冊の本を普通の2倍、3倍、4倍というスピードで読んで、書いてあることを全部覚えられたら、どんなにいいでしょう。
ところが、
「いろいろな速読の本は読んでみたけど、実際にやろうとすると、トレーニングがだんだん苦しくなってきて、やめてしまった」
「専門の教室に速読を習いに行ったけど、結局、身につかなかった」
という感想をお持ちの方が多いようです。
みなさんはどうですか?
「そもそも、普通の人に速読なんて本当にできるのかな?」と思っておられる方もいるでしょう。
「1ページ9秒そくどく」を構築するために速読を研究していたころ、私はいろんな速読教室にも通ってみました。そのひとつの教室でのことです。そこには最初50人くらいの参加者がいました。サラリーマンや主婦、心理学を専攻している人、セラピスト、学校の先生など、さまざまな人たちが参加していました。
本を速く読んでもっと短時間で知識を増やしたい
資格を取得するために効率的な勉強をしたい
文書処理など仕事の効率をアップさせたい
そんな期待を胸に、みなさん挑戦していました。
ところが、何回目かに気づいてみると、13人くらいしか残っていません。周りの話を聞いていると、「速読ができたらいいなと思って通っているけど、どうも自分は付いていけない」と感じている人が多いようです。
何とか残って頑張っていても、その速読教室では速く読むことばかり強調されるので、それがプレッシャーとなり、やる気はあっても空回りしてしまいます。
結局、もともと速読に向いた脳力がある人しかできないみたい、自分には無理だと諦めてやめていきます。残っていた私も、このような速読に限界を感じました。
◎今までの速読は普通の人には難しい
もちろん、速読が本当にできるようになるなら、ぜひやってみたいという人はたくさんいます。それなのに、いざやってみると難しいと感じるのはなぜでしょうか?
いちばんの理由は目の使い方にあります。私たち日本人は横書きより縦書きの文章を読むことに慣れています。この場合、視線は1行を上から下へと縦に移動し、左横に1行移動して、また上から下へと縦に移動していきます。速く読もうとするほど、この動きは速くなりますが、このときの目の動きは上から下へと縦の動きをくり返すばかりです。
視線を動かす方向は違いますが、じつは横書きの文章でも同じことです。視線は1行を左から右へと移動し、下に1行移動してまた左から右へと移動していきます。速く読もうとするほど、この視線の動きは速くなりますが、このときの目の動きは左から右へと横の動きをくり返すばかりです。
訓練すれば、この目の動きをある程度まで速めることはできるでしょうし、それによって速読も可能になるでしょう。しかし、このような目の使い方はたいていの人にとって、とても疲れることです。ふだん自然にやっている目の動きとあまりに違っているからです。
それでも、1000人に一人くらいは天才的な人がいて、訓練すれば速読の達人になれるでしょうが、それ以外の大多数の人たちには、とても難しいことです。
◎普通の人が普通に速読できる「1ページ9秒そくどく」
私は、そんな天才的な脳力をもった人にしか習得できない速読ではなく、私たち人間が日常的に行なっている自然な目の動きを活用する速読の方法を追求してきました。その結果、行き着いたのが「1ページ9秒そくどく」です。
言葉のごとく1ページを9秒で読みますから、200ページの本ならば1800秒、分にして30分で読む速読です。
すでに気づかれたと思いますが、「1ページ9秒そくどく」は速読ではなく「そくどく」とひらがなで表記しています。じつは漢字では「捉読」と書きます。それは、速読本来の目的が、いかに速く文字をたくさん読めるかにあるのではなく、いかに文脈を捉えて内容を理解するかにあるからです。
このことは、「1ページ9秒そくどく」を私の教室で体験された方たちの反応にもよく現われています。そのいくつかを紹介します。
「本を速く読むためのいわゆる速読の講座だと思って参加しましたが、やってみると本に書いてあることを短時間で理解できるようになりました。これなら、学校の授業にも活用できそうです」 (43歳・女性・教員)
「これまでは本を読んでも頭に入ってこないので、読書が苦手でした。でも、仕事の上で情報を得る必要があり、このそくどくに挑戦してみました。驚くほど本の内容を捉えることができるようになり、スキルアップに役立っています」 (28歳・女性・専門職)
「人間の特性である感性をうまく使って効率よく情報を頭に入れるというアプローチが新鮮でした。推理力とか想像力が刺激され、脳力開発としてもいいなと思いました」 (33歳・男性・会社員)
「速読するには速く暗記しなければならないと思っていました。でも、大切なのは著者が何を伝ようとしているのか、その意図を速く捉えることだとわかりました。そのためにこのそくどくはとても役立ちます。ほんとうの読書技術が身につく気がします。
自分のために情報を得ることより、捉えた情報を誰かに伝えてあげようと思って読んだほうが楽しいし、内容もよく頭に入ってくることも実感できました」 (70歳・男性)
本書のタイトルにあるように、「1ページ9秒そくどく」は、誰でも簡単に取り組める世界一やさしい速読です。短時間に何文字読めたかより、速く本の内容を捉えることを目指しています。試験対策なら読解問題に強くなりますし、ビジネスに必要な情報の収集力が大幅にアップします。
本物の読書技術が身につく速読術、それが「1ページ9秒そくどく」なのです。