プロローグ　荒れた家庭がテーブルをきれいにしただけで劇的に変わった！

今から３年前のことです。
あるテレビ番組のディレクターから、私のところに依頼書と写真12枚が届きました。依頼書には、Ａさん家族（父親39歳小学校教員、母親39歳、長女11歳、長男９歳、次男７歳）の紹介と取材メモが添付してありました。
その取材メモには
……母親に対して、上２人の子どもの異常に反抗的な態度が気になった。特に長男の眉間には常にしわがより、何もかも気にくわない様子。しかし、さらに気になったのは母親だった。外観はものすごくきれいな一軒屋。
しかし、玄関を開けると、ランドセルが無造作に３個投げ捨ててあり、家の中は物が散らかり放題で、まったく整理されていない。その奥では子どもたちが夕食をとっていた。
「こんばんは」と言っても挨拶は返ってこない。
テレビを見ながらもくもくと食べている。しかも、長女はキッチンの床に座り込み食事をしていた……ということが書いてありました。

プロローグ　荒れた家庭がテーブルをきれいにしただけで劇的に変わった！

今から３年前のことです。
あるテレビ番組のディレクターから、私のところに依頼書と写真12枚が届きました。依頼書には、Ａさん家族（父親39歳小学校教員、母親39歳、長女11歳、長男９歳、次男７歳）の紹介と取材メモが添付してありました。
その取材メモには
……母親に対して、上２人の子どもの異常に反抗的な態度が気になった。特に長男の眉間には常にしわがより、何もかも気にくわない様子。しかし、さらに気になったのは母親だった。外観はものすごくきれいな一軒屋。
しかし、玄関を開けると、ランドセルが無造作に３個投げ捨ててあり、家の中は物が散らかり放題で、まったく整理されていない。その奥では子どもたちが夕食をとっていた。
「こんばんは」と言っても挨拶は返ってこない。
テレビを見ながらもくもくと食べている。しかも、長女はキッチンの床に座り込み食事をしていた……ということが書いてありました。

番組内容は「今、日本中のお母さんが悩んでいます。どうして、ウチの子は集中力がないのかしら？　塾に行かせているのに、何で成績が上がらないの？」というよくある子どもたちの問題点を、勉強面からではなく、何と衣食住から解決しようとするものだったのです。
私が時間のエキスパートとして、Ａさん家族の母親の悩みを解決してあげるというものでした。私の専門外のことなのでいったんは、お断わりをしました。
ちなみに、ディレクターから送られてきた12枚の写真は、子供たちの学習机、リビングのテーブルで食事をしている風景、遊び道具などなど。
いたる所に物があふれかえり、収納雑誌でよく見るゴチャゴチャの部屋のビフォー、アフターの「ビフォー」そのものでした。

結局、番組に出演することになり、Ａさん家族の母親にアドバイスしたことは、たったの二つでした。
「早く！　を言わない」「テーブルの上をきれいにしておにぎりを置く」

２週間後、ディレクターから「すごいんです。来てください」と電話がかかってきたのです。母親は「子どもたちがお母さんが変わらなくていい、僕たちが変わるからって」言ってくれたんですと、私の手をとって泣き出しました。
私もディレクターもみんな涙があふれました。