プロローグ  やさしく慈愛に満ちていた父の死 7

夏  ヘルパーとして

家に帰りたくても帰れない特別養護老人ホーム 18
「最期は病院で」というレールが敷かれていた有料老人ホーム 19
病院のない離島を選び、ヘルパーとして働く 24
生きることの重さを痛感させられた千代さんの老老介護 29
余命宣告を受けながら両親の命に責任をもとうとした千代さんの
息子さん 34

秋  看取りの家……「なごみの里」

死を目前にして神仏に誓った幸齢者のための看取りの家 40
厳しい批判の中で看取りの家「なごみの里」を開所 45
千代さんの入所 50
母と子が「なごみの里」へ……DVの夫から逃れて 53
千代さんに寄り添って 55
盲目のボランティア川口さん 58
長男が看取りの家のスタッフに 61
香典を投げつけられる 63
アキさんの死 68
懐かしくて嬉しい、お迎えが来るまでは…… 74
手を重ねた幸齢者の重みのある言葉 77

冬  母とともに

霧雨の中、母とお参りした出雲大社 82
どんなに親不孝でも寄り添ってくれた母 84
成功の階段をのぼっていったマクドナルドでの日々 86
結婚、出産のしあわせな日々から一転、すべてを失う 93
私に生きる希望を与えてくれた〝声〟 98
母との二つの約束 100
ぬくもりを残して旅立った母 104

春  臨終

余命10日と言われ、4ヵ月もの間生きた千代さん 114
千代さんの神々しい見事な最期 118

コラム 「生きていることに感謝」─ともに寄り添った20歳の女性
スタッフの感想 124

エピローグ  継承される命と死の文化 126

資料編(柴田久美子著『看取り士』より) 132

あとがきにかえて 140