世界最高ランク保険営業マンから夢をかなえたい人へ36通の手紙
セカイサイコウランクホケンエイギョウマンカラユメヲカナエタイヒトヘ36ツウノテガミ
林正孝著
「夢を持たんアンタは死人も同然ジャケエ!!」と言い切る著者は、世界の保険営業のトップクラスにいる。本書の手紙を読めば、“夢あきらめ主義者”が抱くネガティブな物語をポジティブな物語に変えて、「夢が勝手にかなう」ことを実感できる。
- 価格
- 1540円(本体1400円)
- 判型
- 四六判
- 頁数
- 232 頁
- 発行日
- 2010.4.5
- ISBN
- 978-4-87795-186-3
立ち読み
「夢持ちんさい」これこそ最高の自己投資
やりたいことを先送りする人生はつまらない
ワシは広島生まれの広島育ち。広島の男は自分のことを「ワシ」という。そのワシは世界の保険営業のトップクラスにいる。
それを証明するMDRT会員資格を14年連続で取得しているし、2008年には、その6倍の基準を求められるTOT会員になった。この会員の集会が毎年アメリカであるのだが、会員のなかには自家用ジェット機でやってくるメンバーもいる。全世界の生命保険・金融サービスの専門家が厳しい基準を達成してはじめて得られる称号だ。
かといって、ワシがあくせく働いているかというとそうではない。ワシは毎月、海外でいろんな体験をして楽しんでいる。
ロシアでミグ戦闘機に乗ったこともあるし、キリマンジャロに登頂したこともある。アラスカでは温泉に入った。頭はマイナス20度、湯の中は40度という極端な温度差を経験した。研修やセミナーも大好きで年間80日以上はなんらかの研修やセミナーに参加している。トータル900万円かかる研修にも参加した。
たった一度の人生である。いろんなことを経験したほうがいいに決まっている。ワシはいつもそう考えている。毎朝満員電車のなかで押しつぶされそうになりながら働くなんてごめんだ。「いつかやろうと思っているんだ」と、やりたいことを先送りにして老いていく人生なんてつまらないとワシは思う。
“夢あきらめ主義者”になっていないか
トップセールスになるのは簡単だ。お金のストレスから解放されるのも簡単だ。夢を持ち、それを目標にして、予定を立てて行動すればいいだけだ。要は考え方しだいなのだ。
ワシがこう言うと、厳しい現実のなかにいる自分は夢さえ持てない、という “夢あきらめ主義者”の言い訳が聞こえてきそうだ。
そんなことはない。夢を持てないのではなく、自分で自分の限界を決めているだけなのだ。心のブレーキとか心の壁といってもいい。そのブレーキをはずせばいいのだ。壁を乗り越えればいいのだ。壁を作るのも、乗り越えるのも自分なのである。
“夢あきらめ主義者”はいろんな理由をつけて、壁を乗り越えられない自分に言い訳をしているのだ。
誰だって小さいころは夢を語っていたはずだ。それなのに、大人になるにつれ、夢をあきらめて口にすらしなくなってしまう。なぜだろう。
せっかく見つけた夢をなぜあきらめるのか。ちょっとしたことですぐに情熱の火を消してしまうのはなぜだ。障害に負けてしまうのはなぜなのか。
ワシは学生や社会人が集まる林塾を主宰している。そこで多くの若者たちと語り合っている。彼ら彼女らは、決して夢を捨てたいわけじゃない。心のなかではみんな夢を持って生きようとしている。心のなかには夢に向かって完全燃焼したいという欲求も渦巻いている。なのに、なぜかその夢をあきらめてしまう。
過去のトラウマにとらわれているとか、自分に自信が持てないとか、ネガティブな思考が習慣化してしまったとか。理由はいくらでも出てくる。だが、いちばんの問題は都合のいい理由をつけて、自分で自分の心にブレーキをかけていることだ。
どうすれば心のブレーキをはずせるか
では、そのブレーキをどうすればはずすことができるか。
いままで心理学の世界では、過去のトラウマを思い出させることが精神障害の治療につながると考えられていた。
患者はトラウマ記憶をすっかり忘れている。忘れているから無意識の世界であばれてしまい心のブレーキになる。無意識だから自分ではコントロールできない。そこで、医師は患者にトラウマ記憶を思い出させ、それに対する怨みつらみをぶちまけさせる。それが重要な療法であると思われていた。
しかし、これには危険な側面もある。忘れていた過去のトラウマをほじくり出したせいで、よけいに心のブレーキがかかりだすケースがあるのだ。どうやら過去のトラウマはそっとしておいたほうがいい、という意見が心理学の世界で大きくなった。
精神分析学者のコフートは心の底にある記憶を暴き出すのではなく、患者の自己愛を満たすことに重きをおいた。過去のトラウマを分析するよりも、いま現在の心地よさを大事にして相手の心を癒してあげるほうが心のブレーキははずれると考えたのだ。
コフートは多少傷ついた心でも、周囲がサポートすることで、その人は自己愛を持つようになるという。自分を愛するためには、他人から愛される必要がある。周囲から無視されて自己愛が育つわけがない。周囲から注目され「君は凄いね」と言われてはじめて「自分は凄いんだ」と思える。そして自信や自尊心が持てるようになる。
コフートによれば、そのために必要な3つのキーワードが「鏡」と「理想化」と「双子」であるという。
「鏡」とは、親や友人という鏡に映し出すことで自分の行動の意味を知り、自己を育てること。いいことをすれば誉められる。悪いことをしたら叱られる。自分のやったことが鏡に映って自分に返ってくる。そうやって人間は成長していくのだ。
「理想化」とは、尊敬し理想とする人がそばにいること。理想とする人からアドバイスを受けたり励まされたりして自己は育つ。
「双子」とは、自分と同じ人間が他にもたくさんいると思えて安心できること。鏡になってくれる人がいたとしても、理想化できる人がいたとしても、「どうせ私はダメな人間だから」と感じてしまったら何かにチャレンジするエネルギーは生まれない。
そこで必要となるのは「あなたは私と同じだよ」と慰めてくれる人だ。「私だって、こんなダメな部分がある。だけど、懸命に生きているのよ」と言ってもらうと、「そうか、自分だけがダメなのかと思っていたけど、みんな私といっしょなんだ」と思える。それで救われることもあるのだ。
「鏡」「理想化」「双子」この3つを可能にしてくれる人たちが周囲にいれば、自信や自尊心が育ち、心のブレーキは必ずなくなるということだ。
ポジティブな「物語」と差し替えてしまう
しかし、現実はそんなに甘くない。どこを探してもそんな役割をしてくれそうな人たちは揃っていない。親はあなたのことを無視するし、身近な仲間のなかに理想とする人物なんかいやしない。ましてや、「私だって、あなたと同じように落ち込むことだってあるよ」と慰めてくれる人なんて、そうそうには見つからないかもしれない。
それなら、どうすればいいか。いちばん手っ取り早いのは自分の心にぴったりくる「物語」を見つけることだ。いまの自分を映し出してくれたり、こんなふうに生きたいという人物が描かれていたり、私だって同じだよと力を与えてくれる、そんな物語を見つければいい。
精神分析学者のロイ・シェーファーは「人生は物語である」という説を唱えている。人間はそれぞれ独自の物語を持って生きている。初対面の人と話すとき、ネガティブな物語を持った人と、ポジティブな物語を持った人とでは、受け止め方が違う。ネガティブな人は初対面の人を「私の財産目当てに近づいている」と思うだろう。ポジティブな人は「この人は私を幸せにしてくれるかもしれない」とワクワクする。
“夢あきらめ主義者”のいちばんの問題は、心の中にネガティブな物語が居座っていることなのだ。
「あのときもダメだった」
「これまでの自分の実力では、この程度だった」
「夢を追いかけようとしても認めてもらえなかった」
…………
そんな物語はすべてリセットして、ポジティブな物語と差し替えてしまうのだ。そうすれば、あなたはワシと同じような楽しい人生を歩むことができる。
36通の手紙から夢をかなえる「物語」を見つけよう!
本書でワシが送る36通の手紙には、夢を持てなくたってしかたない、という人たちにワシが語った「物語」がそれぞれ収めてある。
その一つひとつは、ワシが経験したことだったり、誰かに聞いた話だったり、相談ごとだったり、創作したたとえ話だったり、映画や小説の話だったりする。どれも、「夢を持ちんさい」という思いから語りかけたものだ。そのなかに、きっとあなたの心にも届く物語が見つかるはずだ。
それをあなたの物語にすればいい。夢なんか持ったってしかたないという心のブレーキがはずれ、「夢は勝手にかなう」ことを実感してもらえる。
まず、もくじの頁を開いてみてほしい。36通の手紙の最初に書いたワシのポジティブメッセージが並んでいる。そのなかで、あなたの心にピンとくる項目から読んでいってくれればいい。そこには、いまのあなたにいちばん必要な物語が綴られていることだろう。もちろん最初から順に読んでくれてもいい。それはあなたの自由だ。
どうする? やってみるかい?
目 次
もくじ●世界最高ランク保険営業マンから夢をかなえたい人へ36通の手紙
はじめに
やりたいことを先送りする人生はつまらない
“夢あきらめ主義者”になっていないか
どうすれば心のブレーキをはずせるか
ポジティブな「物語」と差し替えてしまう
36通の手紙から夢をかなえる「物語」を見つけよう!
手紙Part I 一時の安定に騙されるな! 思い切ってやりたいことをやってみんさい
- 「夢を持つより安定した生活がいちばんだ」と思う人へ
いちばんの安定は、自分を高めることだ。
自分に力をつけることだ! - 夢を追いかけるにはお金がかかるし、借金だらけになるのも心配な人へ
リスクが大きいほど、
達成したときの喜びは大きいんじゃ! - 夢を追いかけているうちに騙されたという話を聞くと心配になる人へ
人を疑い続ける人生よりも、
人を信じて自分を強くしていくほうが、
はるかに健康で偉大な人生じゃないか。 - プライドを傷つけてまで夢を実現しようとは思わない人へ
捨てなきゃいけないプライドと、
捨ててはいけないプライドがあるんじゃい! - 「自分の夢を追うと周囲に迷惑をかけることになるのでは」と思う人へ
誰にも迷惑をかけないで生きてる奴なんていない。
その恩に報いるために夢を追いかければいい。
周囲の目を恐れる必要なんてないぞ! - 「老後のためには、夢を追うより貯金が大切でしょ」という人へ
どういう人生を送りたいのか、考えてみることだ。
まず人生の設計図を書いてみんさい。 - 「希望に燃えて起業しても失敗するほうが多いのでは」という人へ
“何のために”を明確にしんさい。
本当の夢は簡単にあきらめられるものではないぞ! - 「夢を追いかけなければ失敗もないし、惨めになることもない」と思う人へ
失うものが大きいように錯覚しているだけだ。
実際は、失うものなんて何もない。
やりたいことに全力でぶつかってみんさい。 - 夢を語ったら“あなたは偽善者だ”って言われてしまった人へ
世界を変えようとしているんだろ、
目の前のひとりが変えられないでどうする。 - “もっと気楽にいけよ”と言われると力が抜けてしまう人へ
“夢あきらめ主義者”は、ぬるま湯が大好きだ。
他人はあなたの人生の責任をとってくれないぞ! - “夢を見たってしょうがない、もっと現実を見ろ”と言われた人へ
現実は厳しいと思っているとほんとうに厳しくなる。
ワシはどんな厳しさも楽しくてしょうがない。
同じ現実でも、見る人によって違うんじゃ! - 自分の夢を自信をもって語ることができない人へ
むずかしいと思ったら、いつまでも実現しない。
壁を作るのも、乗り越えるのも自分じゃろ。 - “お前なんかダメだよ”と言われて絶望を感じた人へ
できるかどうかは周囲が決めるんじゃない。
自分が決めるんじゃ! - 夢を語ったら、友人に“いい加減な奴だ”とののしられた人へ
大きなことを成し遂げるために、
小さなことを積み重ねていくんじゃ。 - 「人のために何かしても、私のためには何もしてくれない」と思う人へ
あなたの心が周りの人を作り出している。
人の成長を願うこと、人の幸福を祈ることが
最高の人間関係を築くコツだ。 - 「誰も私の夢なんかに関心はないんだ」と思う人へ
人に嫌われることから逃げるんじゃない。
世間に、はっきりとものを言いんさい! - 仕事の失敗に後悔してばかりで、夢を持てる状態ではない人へ
仕事は辛くて苦しいものと決めつけていないか。
仕事を遊び感覚にした瞬間、無限に楽しめるぞ。 - 「夢を持てと言われても、いままでうまくいったことはない」という人へ
悪いことに目を向けるのをいますぐやめろ!
いいことに目を向けるのだ。どんなに悲惨な人生にも、
いいことは必ずあるはずだ。 - 「自分には運がないと思うと、夢どころではない」という人へ
人間は自分の運命を選んで生まれてくるんだ。
誰かに与えられるものじゃない。自分で選んだ運命なんだ! - 「私はたいした人間じゃないし、夢を語る資格などない」という人へ
一度死んだと思ってみればいい。
やるべきことがいっぱい浮かんでくるじゃろ。 - 「生きる目的とか夢とか探しても意味がない」と思う人へ
感動体験が乏しいのではないか。
実際に体験し、本物を目撃しよう。 - 「誰にも迷惑かけないで生きていけばいいんでしょ」という人へ
自分ひとりでは何もできない。
そもそも、ひとりで生きていても楽しくないだろ。
もっと、まわりに迷惑をかけて生きてみろ。
迷惑をかけるとは、人と関わるということだ! - 「夢なんか持っても疲れるだけでしょ」という人へ
自分のことばかり考えていると本物の力は出てこない。
人が喜ぶ姿を思い浮かべると疲れないよ。 - 上司と対立してまで夢を取るか、安定した現実を取るか迷っている人へ
サラリーマンマインドを捨てなさい。
ビジネスマインドを持てば対立も怖くない。 - 自分でやりたいことがあるのに友人の誘いについ流されてしまう人へ
やりたいことは、やりたいときが、やるときなのだ。
スケジュール帳に、自分の予定を先に書け! - 夢を取るか、仕事を取るか、恋を取るか、迷って集中できない人へ
夢はたくさんあったほうがいいに決まっている。
ただし、いまできることはひとつなんじゃ。
まず、ひとつのことに集中しよう。 - 「夢を追いかけると、それまでの人間関係が崩れてしまいそう」という人へ
夢を持たない人間は動かない。
あなたの価値観が変わると、仲間も変わるよ。 - 「家族といると、やる気が抜けていく」という人へ
親に頼らず、ひとりで生きてみぃ。
何とか工夫して生きてみるのだ! - 夢がないわけじゃないけど、やる気が起こらない人へ
やる気が出なかったら、
夢を達成している人に会いに行け。 - 決意はするんだけど、3日坊主で終わってしまう人へ
むずかしく考えるのはやめろ。
すべてスケジュール帳に書き込んで、
普通のこととして実行していく。 - 「真剣に夢を追いかけるほど挫折したときが怖い」という人へ
真剣だからこそ、ダメだったときの落ち込みは大きい。
でも、リスクがあるからこそチャンスもあるんだ! - 成功できる自分に変わりたいけど、思うように変われない人へ
悪い習慣を断ち切るんじゃ。
いいことに意識を集中させるようにしんさい。 - 夢を持っても、障害に遭うと、くじけるのではと不安な人へ
強い心があれば障害もまた楽しくなる。
そして、使命感は最高のパワーを生む! - 「このままでは不完全燃焼のまま人生が終わってしまいそう」という人へ
ワシらは心の奥底に太陽を持っている。
出し惜しみせず、どんどん燃やしんさい。 - 夢を持ちたくても、世の中が悪い、社会が悪いと思ってしまう人へ
できないことを考えるのではなく、
自分に何ができるかを、自らに問え! - 自分が本当は何をしたいのか、わからない人へ
「まずは臨終を習うべし」あなたは、
どんな死に方をするつもりだ?
そこから見えてくるものを大事にするんじゃ。
手紙Part II 人に嫌われることを恐れるな!できるかどうか決めるのは自分だ
手紙Part III 自分のことだけ考えてると疲れるぞ!人を喜ばすのが本物の夢だ
手紙Part IV 夢を持たないと動けないぞ!まず、ひとつのことに集中しよう
【付録】人生の設計図リストアップ表