プロローグ 放射能汚染元年宣言
これからの100年を見据えて…
『放射能汚染から命を守る最強の知恵』出版後に旅は始まった……
2011年3月11日大震災に見舞われた日本……
そしてそれに続く福島原発事故……。
いったいいつになったら、被災地の復興が始まるのか……
いったいいつになったら、原発事故は収束するのか……
そんな不安から立ち上がるための一助となることを願って、私は2011年4月に、『放射能汚染から命を守る最強の知恵』……玄米、天然味噌、天然塩で長崎の爆心地でも生き残った70名……(阿部一理、堀田忠弘著、コスモ21刊)という、以下のような内容の本の企画を推進し、緊急出版しました。
第二次世界大戦、長崎で原爆が投下された時、爆心地1.4キロにある病院の秋月辰一郎
(1916〜2005年)という医師と従業員20名、入院患者約70名が、原爆で被爆したにもかかわらず、放射能の被害に遭うことなく全員が生き延びたのです。
生まれながらに虚弱だった秋月医師は、自然食で奇跡的な回復をします。そして、自らが医長を務める、浦上第一病院(現・聖フランシスコ病院)でも患者や従業員に同じように自然食をすすめました。
その結果、原爆が投下され、全員が被爆したにもかかわらず、死ぬことなく命をとどめたのはもちろんのこと、その後に起こるであろう原爆症からも守られたといいます。
著者の1人である阿部一理先生は、このことを直接本人にお会いして確認したのです。秋月先生も被爆しましたが89歳まで生きました。当時同じ病院で看護婦をしていた奥さんは、93歳になる今もお元気です。
この秋月医師が推進した自然食というのは、玄米と味噌、そして塩をしっかり摂り、白砂糖をやめることでした。
この本は出版されてからわずか2か月で、1万人以上の方々が手に取り、感動と感謝のお便りを数多く頂いております。当会の思いに共感・共鳴して頂いた方々に、この場を借りて、深く感謝申し上げます。
現在、福島第一原子力発電所では炉心溶融(メルトダウン)が明らかになり、今後、野菜や魚介類などへの汚染が進み、人体への直接的、間接的な影響が避けられない状況になっています。それは一時的なものでなく、将来にわたって続くことが確実です。しかも、日本のみならず世界中に大きな影響を与えていくことでしょう。
私たちは、この事実を受け止めなければなりません。いかに放射能汚染が、恐ろしいものであり、数か月や数年で解決できるようなものではないことを……。
「爆発事故から25年経ったチェルノブイリ……。その周辺地域の病院に入院している遺伝子異常の子供たちのうち90〜95パーセントが、慢性病で苦しんでいる」
「事故の5年後以降、人口が700万人減少……。事故によって健康被害を受けた人は225万4000人にのぼると推定されている。治療を受けることが必要と考えられる人だけでそれだけいる」
プロローグ 放射能汚染元年宣言
これからの100年を見据えて…
『放射能汚染から命を守る最強の知恵』出版後に旅は始まった……
2011年3月11日大震災に見舞われた日本……
そしてそれに続く福島原発事故……。
いったいいつになったら、被災地の復興が始まるのか……
いったいいつになったら、原発事故は収束するのか……
そんな不安から立ち上がるための一助となることを願って、私は2011年4月に、『放射能汚染から命を守る最強の知恵』……玄米、天然味噌、天然塩で長崎の爆心地でも生き残った70名……(阿部一理、堀田忠弘著、コスモ21刊)という、以下のような内容の本の企画を推進し、緊急出版しました。
第二次世界大戦、長崎で原爆が投下された時、爆心地1.4キロにある病院の秋月辰一郎
(1916〜2005年)という医師と従業員20名、入院患者約70名が、原爆で被爆したにもかかわらず、放射能の被害に遭うことなく全員が生き延びたのです。
生まれながらに虚弱だった秋月医師は、自然食で奇跡的な回復をします。そして、自らが医長を務める、浦上第一病院(現・聖フランシスコ病院)でも患者や従業員に同じように自然食をすすめました。
その結果、原爆が投下され、全員が被爆したにもかかわらず、死ぬことなく命をとどめたのはもちろんのこと、その後に起こるであろう原爆症からも守られたといいます。
著者の1人である阿部一理先生は、このことを直接本人にお会いして確認したのです。秋月先生も被爆しましたが89歳まで生きました。当時同じ病院で看護婦をしていた奥さんは、93歳になる今もお元気です。
この秋月医師が推進した自然食というのは、玄米と味噌、そして塩をしっかり摂り、白砂糖をやめることでした。
この本は出版されてからわずか2か月で、1万人以上の方々が手に取り、感動と感謝のお便りを数多く頂いております。当会の思いに共感・共鳴して頂いた方々に、この場を借りて、深く感謝申し上げます。
現在、福島第一原子力発電所では炉心溶融(メルトダウン)が明らかになり、今後、野菜や魚介類などへの汚染が進み、人体への直接的、間接的な影響が避けられない状況になっています。それは一時的なものでなく、将来にわたって続くことが確実です。しかも、日本のみならず世界中に大きな影響を与えていくことでしょう。
私たちは、この事実を受け止めなければなりません。いかに放射能汚染が、恐ろしいものであり、数か月や数年で解決できるようなものではないことを……。
「爆発事故から25年経ったチェルノブイリ……。その周辺地域の病院に入院している遺伝子異常の子供たちのうち90〜95パーセントが、慢性病で苦しんでいる」
「事故の5年後以降、人口が700万人減少……。事故によって健康被害を受けた人は225万4000人にのぼると推定されている。治療を受けることが必要と考えられる人だけでそれだけいる」
これはNHK-BSで今年5月に放映された「永遠のチェルノブイリ」というドキュメンタリーの中で紹介されている事実です。
チェルノブイリの周辺地域では、5年後に甲状腺がんが激増し、25年経った今では、多数の住民に奇形児が生まれています。そして、チェルノブイリ事故より福島原発事故は、さらに深刻な事態の渦中にあります。放射能汚染の恐ろしいところは、二世代にわたって(もしかするとさらに数世代先まで)影響が出てしまう、という点です。
とても重い話になってしまいました。「いたずらに恐怖をあおる輩だ」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
そう思われた方は、是非、武田邦彦教授(中部大学)のブログを読まれることをおすすめします。
http://takedanet.com/
私は毎日、武田先生のブログをチェックしています。先生とは面識はありませんが「放射能汚染への対策は、子を持つ母親の立場で考えるべきである」というスタンスに、激しく共鳴しています。「政府の発表や御用学者の発言を鵜呑みにすることが、どれだけ愚かしいことなのか」先生のブログを読んでいると痛感させられます。
また、てんつくマン(軌保博光)の活動からも目が離せません。彼の果敢な行動力・実行力には、今までいつも驚かされてきましたが、それがこの未曾有の危機的状況でも遺憾なく発揮されています。
彼のブログやメールマガジンは、本気でこの危機的状況を乗り越えようとしている方々にとって、大変な勇気付けとなると確信しています。
http://www.tentsuku.com/
書籍を出版し、出版記念講演会などを開催するなかで、私たちは、同志とも呼びうる高い使命感と志を持った方々と出会い、数々の新しい事実に遭遇してきました。
本書の第1章を担当して頂いた西川榮郎氏(安全な食べものネットワークオルター代表)とは、大阪での出版記念講演会で講師としてご登壇頂いたのが縁で親しくなりました。
会員制で無農薬の自然食を紹介して三十年以上の実績を持つ西川氏は学生時代から、原子力の危険性を認識して原子力発電所の建設計画を四箇所阻止した方です。
私は、本当に安全な食材を提供することに命を賭けて取り組んでいる西川代表の生きざまに感動しました。また放射能の危険性についても認識を新たにしました。
さらに、放射能汚染と同様に深刻なカタチで日本人の健康を蝕んでいるものがあることを教えられました。それはポストハーベスト(収穫後)農薬です。
私自身、この言葉を聞いたことはあったのですが、その恐るべき実態についてはほとんど知りませんでした。
「これらの事実を、食の重要性について関心のある方々に伝えなければ……」という一心で、今回西川代表に執筆を依頼したのです。
第2章と3章では、阿部一理先生に、生きていくために欠かすことのできない食糧、とくに野菜を中心とした食材によってできる健康法について、さらに革命的なプランターを活用することによって自宅でできる安全・安心な野菜の作り方について、ご執筆頂きました。
あなたの命は、そしてあなたにとって大切な人の命は、あなた自身が守るしかありません。そのために必要な情報を集めることも、必要な対策を実行することも、あなた以外の誰もやってはくれません。
「逆境をバネにして飛躍する。それが生き残る生物の特徴である」 (『よくわかる生化学』生田哲著、日本実業出版社刊より)
まさに私たちは問われています。この「放射能汚染」という逆境をバネにできるかどうかを……。
今後、百年にわたるかもしれない放射能汚染との闘い……。それを見据えた上で、今現在、私自身が出会い、発見した、自分の大切な人たちに伝えたいこと、命を守るために役に立つと思える情報を、本書の中でご紹介しました。
どうか常識に囚われず、盲信することもなく、しかし危機感を持って、行動してください。深刻になる必要はありません。どうか深刻にならずに、真剣になってください。真剣に情報を集め、吟味し、必要と思われる行動を起こしてください。
そして、どうか肝に銘じてください。すべての情報は、信じることなく、疑うことなく、自らの手で確かめていくことが必要であることを……。
生き方を変えることを、大自然は人間に要求しているのかもしれません。
それには、自分で探求し、実践し、行動すること……
本当に自分らしく生きること……
自らの使命に目覚めること……
この言葉があなたの魂に届くことを祈念して筆を置きたいと思います。
2011年7月1日 日本を放射線被曝から守る会 実行委員長 井上祐宏