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クスリいらずで病気を防ぐ 乳酸菌「EF-2001」最強の証明

クスリイラズデビョウキヲフセグ ニュウサンキン「EF-2001」サイキョウノショウメイ

脳の機能低下、認知症、うつ病、腸の機能低下、免疫力低下、口内環境の劣化……

只野 武著

乳酸菌は未病対策に最適

断片的にしか知られていない乳酸菌の機能
「乳酸菌が身体にいい」「腸内環境を整える」という話はどこかで耳にしたことがあるでしょうし、ほとんどの方が乳酸菌入りの食品を利用していることでしょう。それくらい乳酸菌が身体にいいことは常識になっています。しかし、長年、薬学を専門としてきた著者から見ると、「ビタミンCが肌にいい」「カルシウムは骨を強くする」といったレベルで乳酸菌が認識されているにすぎず、乳酸菌に秘められた素晴らしい機能については断片的にしか知られていません。

未病対策で乳酸菌に注目
私たちが医療やクスリを利用するのは、症状を抑えたいから、病気を治したいからですが、それによって本当に健康になれているでしょうか。病気にならなくても、なんとなく元気がない、だるいといった病気になる手前の状態(未病)が続いているとしたら、それは健康とはいえない。いま、「未病大国」になっている日本で健康を促進するポイントは、未病を治療する「治未病」である。そのように考える著者が注目したのが乳酸菌です。
しかし、乳酸菌であれば何でもいいわけではありません。乳酸菌と一言で言っても、実際には400種類以上存在しています。そのように種類が多いことに加え、乳酸菌入り食品の性質の違いや分類は難しく、また、研究者が自分たちの研究している特定の乳酸菌だけを指して乳酸菌全体のことのように語ってしまうこともあります。そうしたことが乳酸菌に対する誤解の原因のひとつになっていると著者は指摘しています。
そして、何となく乳酸菌入りの食品を摂っていても本来の有効性は期待できないため、自分の健康促進に合った乳酸菌の選択と摂取方法が必要であると述べています。

乳酸菌「EF-2001」が起こした劇的な変化
著者は乳酸菌のなかでも、特に腸内環境の健全化に効果があると考えられている乳酸菌「EF-2001」の有効性について徹底した検証を行なってきています。一般に学術的な情報は難解なものですが、本書では一般読者にもわかりやすく乳酸菌のことを紹介しています。
毎日、乳酸菌入り食品を摂っていても気づかなかった乳酸菌の素晴らしい機能に、あらためてハッとさせられます。そして、正しい摂取方法を知ることで、いかに健康促進に役立つかを理解することができます。
著者は、滋養強壮ドリンク剤の抗疲労効果のメカニズムを国内で初めて実証していますが、乳酸菌に関しても、中枢性疾患である記憶障害、うつ、不安および統合失調所などの発症メカニズムを明らかにする研究を行なってきています。特に乳酸菌「EF-2001」については、免疫活性など薬理学的な基礎実験や、「EF-2001」を素材とした機能性食品を開発し市場化しています。
老健施設で、乳酸菌が起こした劇的な変化についても報告しています。

主な内容

1章 予防医学としての乳酸菌 〜薬を使わないことが一番〜
2章 乳酸菌の基本とその効果
3章 乳酸菌EF‐2001の力
4章 乳酸菌EF‐2001サプリメントの力〜サプリメントはいかにして開発されるのか〜

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クスリいらずで病気を防ぐ 乳酸菌「EF-2001」最強の証明
価格
1650円(本体1500円)
判型
四六判
頁数
176 頁
発行日
2022.6.8
ISBN
978-4-87795-413-0

立ち読み

はじめに

 私が本書を執筆したのは、ひとりでも多くの人に、乳酸菌についての正しい情報をお伝えしたいと思ったからです。

「乳酸菌は身体にいい」。このことはすでに常識のようになっています。風邪やインフルエンザが流行する季節には、乳酸菌の効能をうたった乳製品の売れ行きがよくなるという話も耳にします。コロナ禍においても、乳酸菌を摂ることで健康上のメリットを期待している人もいるでしょう。

 またこの数年、健康のためのキーワードになっている「腸活」においても、乳酸菌はヒーロー的な存在です。

 それだけに、乳酸菌に関しては多くの情報が飛び交っています。しかし、一般向けの情報は断片的で、どれも曖昧なものです。

「乳酸菌は身体にいい」「腸内環境を整える」というのは間違いではありませんが、それは「ビタミンCが肌にいい」とか「カルシウムは骨を強くする」といった話と同じレベルのものです。長年、薬学を専門としてきた私からすれば、それは乳酸菌に関する部分的な理解にすぎません。

 乳酸菌に限らず、ビタミンC、カルシウムや鉄分、その他の栄養素であっても、達成したい目的があるのであれば、きちんとしたエビデンスに基づいて摂取すべきであるというのが私の考えです。

 現代社会には多種多様なサプリメントがあふれています。「こういう悩みにはコレ」「こうなりたければコレ」などといったキャッチフレーズがいくらでもあり、人々は健康情報の収集や検索に余念がありません。

 なんとなく身体によいことをしている気分にひたりたいだけであれば、それでいいのかもしれません。けれど、せっかく健康のためにサプリメントを利用するのであれば、正しい情報を得て、正しく利用したいものです。私は薬学者として、みなさんにはぜひそうしていただきたいのです。

 とはいえ、学術的な情報や深い知識は一般の人々には難解です。学者以外の人向けにわかりやすく紹介されたものもほとんど見かけません。特に乳酸菌に関していえば、その有効性を理解するために必要な腸の機能との関わりについての説明も断片的なものが多いのです。それには、腸の機能の研究自体が比較的新しい分野であることも関係しています。

 実は乳酸菌といっても、実際には400種類以上存在します。私はそのなかで、特に腸内環境の健全化に効果があると考えられる「EF‐2001株」(以下、株を省略)という乳酸菌について、その有効性を検証してきました。

 そこで得られたことも踏まえながら、本書では乳酸菌のこと、またその腸の機能との関わりなどについて、できるだけわかりやすく説明したいと思います。

 乳酸菌は確かに素晴らしい機能を秘めています。正しく摂取することで、健康になるための、健康を維持するための複合的な働きが期待できます。私はそれを、自分自身の目で見てきました。

 ある老健施設では、乳酸菌を摂取した入居者の心身の状態が、はっきりと改善しました。私たち研究者はもちろん、施設の介護スタッフや家族が驚くほどの変わりようを見せた入居者がたくさんいました。

 このことについては後に詳しく述べますが、ひとりでも多くの人に、その事実を知らせたいと願わずにはいられない治験結果でした。

 けれどそれは、成分表に「乳酸菌」と記されたサプリメントを飲めばいいということではありません。ここがポイントであり、間違いやすいところです。私たちは乳酸菌がいつでも手軽に摂取できる環境にいますが、だからといって、摂っても摂らなくてもたいして変わらないレベルの乳酸菌摂取では、ほとんど意味がないでしょう。

 私は、ある種の症状や悩みに対し、改善に向けて有効性が実証されている方法があるという事実を述べたいのです。せっかく乳酸菌を摂るのであれば、正しい知識と情報に則って心身の健康に役立てていただきたい。そう思っています。

 事象を解析し、仮説を検証し、エビデンスを求める。それが不都合な真実であれ、歓喜したい結果であれ、客観的な正しい情報として伝えていく。それが学者としてのスタンスであり、努めであると考えます。本書は、そのために記すものです。

 ちなみに、本書は一般書であるため、実験データに関しては代表的なもののみを掲載しています。ご了解ください。

目 次

クスリいらずで病気を防ぐ 乳酸菌「EF‐2001」最強の証明……もくじ

はじめに

1章 予防医学としての乳酸菌 〜薬を使わないことが一番〜

私たちが乳酸菌を摂取する理由

未病大国日本の現状

未病から治未病へ

コラム 健康的なダイエットにはスロージョギングを

新しい老化の定義

ユニエイジという考え方

コラム ドイツ発祥のアンチエイジング「クアオルト」

予防医学から見た乳酸菌の効果

「乳酸菌であれば、何でもいい」わけではない

情報は振りまわされるのではなく活用するもの

コラム 〈日本初だった滋養強壮剤のエビデンス〉

2章 乳酸菌の基本とその効果

基本を理解すればスッキリする

研究は日進月歩、常識も変わっていく

乳酸菌の発見!

乳酸菌と腸内フローラ

腸が免疫を司る

新型コロナウイルスもガンも、まずは免疫力の向上が大切

善玉菌と食物繊維によって短鎖脂肪酸がつくられる

コラム アレルギーと腸内環境の乱れ

ヒトの身体に対する乳酸菌の働き方

乳酸菌の種類は数百種類?

乳酸菌の分類

コラム 乳酸菌・ビフィズス菌で腸内環境を整えれば、美容・ダイエット

への効果も

乳酸菌に対する誤解が多い原因

研究者として、乳酸菌EF‐2001をすすめる理由

3章 乳酸菌EF‐2001の力

乳酸菌のイメージと真実

EF‐2001死菌のエビデンス

【実験報告】EF‐2001を死菌体として活用

免疫力への有効性

【実験報告】マウスのパイエル板における免疫抗体の産生能力

【実験報告】EF‐2001と抗ガン剤との併用投与について

【実験報告】QOLの維持における有効性

便秘解消への有効性

【実験報告】EF‐2001による腸の蠕動運動の改善

コラム 便は腸内環境の鏡

腸脳相関への有効性

・腸機能と脳機能は相互に影響を及ぼす

【実験報告】潰瘍性疾患とEF‐2001

【実験報告】うつ症状に対するEF‐2001の有効性

新型コロナウイルスへの希望

口内環境への有効性

・源頼朝の死因は虫歯か歯周病?

・口内環境が全身の健康に影響する

・口腔カンジダ症にも有効なEF‐2001

【実験報告】口腔カンジダ症へのEF‐2001の有効性

4章 乳酸菌EF‐2001サプリメントの力〜サプリメントはいかにして開発されるのか〜

サプリメントの基本

1サプリメントをどう選ぶ?

2サプリメントは必要か

乳酸菌EF‐2001サプリメントの有効性―サプリメントはいかにつくられるのか―

1EF‐2001の商品開発に挑戦

2サプリメントの有用性を学会で発表すると……

3町おこしのサポートではじまった金時草+EF‐2001

・北海道の町おこしに金時草を栽培

・金時草のエビデンスを確立する

4認知症に挑む

・1・5‐アンヒドロフルクトースとEF‐2001の混合

・ヒト治験への道

・驚異の結果からメカニズムの解明へ

・「認知症は改善できる」という新しいエビデンス

・認知症にさらなるエビデンスを求めて

コラム 乳酸菌が起こした奇跡―ある老健施設が劇的に変わった

おわりに

プロフィール

只野 武(ただの たけし)

 薬学博士・東北医科薬科大学名誉教授(金沢大学兼任)

 1945年8月14日生まれ。1970年3月東北薬科大学(現東北医科薬科大学)薬学部薬学科卒業。1975年3月同大学大学院薬学研究科博士課程修了。1981年米国ルイジアナ州立大学医学部薬物治療学に留学。2002年4月東北薬科大学教授。2012年4月金沢大学医薬保健学総合研究科環境健康学特任教授。北海道医療大学客員教授、横浜薬科大学客員教授。

 2021年、スタートアップビジネスプランコンテストいしかわ2021最優秀起業家賞受賞。

 中枢性疾患である記憶障害、うつ、不安および統合失調症などの発症メカニズムを探る目的でそれらの病態動物モデルを作成し、行動薬理学的および神経科学的に研究を行なってきた。

 その一方で、治未病の見地からの研究を継続している。滋養強壮ドリンク剤(大正製薬)ゼナの抗疲労効果を検証し市場化。その間に、ドリンク剤の抗疲労効果のメカニズムを国内で初めて実証した。

 また、エンテロコッカス属フェカリス種の細胞壁の加熱処理により活性成分を抽出したEF-2001株から乳酸菌ベルアム150を開発。その後、EF-2001の免疫活性などの薬理学的基礎実験やEF-2001を素材とした機能性食品(乳酸菌スムージー、マウスフローラ、マウスケア、節煙TAB、ケットカット)を開発後、市場化した。その中でマウスケアは、高齢者施設において認知機能が低下した入居者を被験者として1年間摂取してもらい、認知機能や周辺症状を評価したところ、軽度認知症は正常レベルまで回復した。その全例において便秘が改善したことから、この結果は腸脳相関に関連したものと結論づけている。

 現在は、その検証治験をさらに拡大するため他の研究機関と共同研究を実施し、脳内、腸内および口腔内におけるメカニズムの解明を目指している。