肌から病気を癒すタッチング
ハダカラビョウキヲイヤスタッチング
夫婦・親子からできる幸せ健康法
町田久著
手で触れるだけで痛みが和らぐ!
手を触れるだけで痛みが和らぐ! 大学病院や全国人気ランキング上位の病院でも続々採用されるなど、医療現場でも「手で触れる」治療が見直されている。効果を高める「タッチング&ビタミン」についても紹介。誰でもすぐ始められるカラー解説図解付。
主な内容
プロローグ 手で触れるだけで痛みが和らぐ
1章 手で触れる(タッチング)と体が甦る
2章 ビタミンマッサージでタッチング効果を体感しよう
3章 ビタミンの作用でマッサージ効果大幅アップ
4章 アロマタッチでさらに免疫力アップ
5章 触れることから医療ははじまる
6章 患者と医療を結ぶ情報ネットワーク

- 価格
- 1430円(本体1300円)
- 判型
- 四六判
- 頁数
- 192 頁
- 発行日
- 2006.12.18
- ISBN
- 4-87795-104-0
立ち読み
プロローグ——手で触れるだけで痛みが和らぐ
手を通じてエネルギーが伝わる
手——それは、温かくて豊かな愛情をそのまま伝えてくれる、天が与えた最高の器官。その手を通じてエネルギーを伝え、気を伝えれば、心の病も体の病も癒される。
たとえ完治のむずかしい病でも、手で触れるだけで苦痛を和らげ、取り去ることだってできる。夫婦でも親子でも、やさしく触れてあげる。そこから癒しが始まる。
これは、私が過去30年間、患者さんの肌に手を触れながら心底感じてきたことです。たとえ末期のガンに苦しむ人であっても、家族の手が触れると痛みや苦しみが和らぎ、ときには医師の想像を超えて延命することだってあります。これまで、そんな光景にもたくさん出会ってきました。
お母さんの温かい手で触れてもらっていると気持ちが安らぎ、あんなに痛かったのが嘘のように消えてしまう。子供のころのお母さんとの触れ合いのなかに、そんな思い出がある方も多いでしょう。
プロローグ——手で触れるだけで痛みが和らぐ
手を通じてエネルギーが伝わる
手——それは、温かくて豊かな愛情をそのまま伝えてくれる、天が与えた最高の器官。その手を通じてエネルギーを伝え、気を伝えれば、心の病も体の病も癒される。
たとえ完治のむずかしい病でも、手で触れるだけで苦痛を和らげ、取り去ることだってできる。夫婦でも親子でも、やさしく触れてあげる。そこから癒しが始まる。
これは、私が過去30年間、患者さんの肌に手を触れながら心底感じてきたことです。たとえ末期のガンに苦しむ人であっても、家族の手が触れると痛みや苦しみが和らぎ、ときには医師の想像を超えて延命することだってあります。これまで、そんな光景にもたくさん出会ってきました。
お母さんの温かい手で触れてもらっていると気持ちが安らぎ、あんなに痛かったのが嘘のように消えてしまう。子供のころのお母さんとの触れ合いのなかに、そんな思い出がある方も多いでしょう。
手の作用には本当に科学的根拠はないのか?
こうしたことは、人間の手に秘められた働きによって起こっているはずなのですが、その科学的根拠がはっきりしないということで、私のような一部の治療家以外は、特別な注意をはらってはきませんでした。
しかも、手で触れるときの皮膚感覚、つまり触覚は、人間の視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚という五感のなかでは、もっとも原始的な感覚であるため、他の感覚ほどには関心を寄せられることもありませんでした。
それは、本来、触診などで患者の肌に直接手を触れて診察に当たるはずの医療現場からさえ、そうした光景が失われていることにも現われています。
病への不安を抱えながら診察を受ける患者さんにとっては、「ここが痛いのですか?」と手を触れてもらうだけでも、安心感やリラックス感はずっと違うでしょう。それなのに、そんなことには科学的根拠がないし、最新の検査機器で調べたほうが確かな診断ができると考えられてきたのです。
ところが、その科学が手による働きかけ(この本では「タッチング」と呼んでいます)が心身にどのような影響を及ぼすかを明らかにしつつあります。とくに欧米では、タッチングに対する学問的な関心は高く、動物生態学、生理学、知覚心理学、新生児学など、かなり幅広い専門分野でさまざまな研究が行なわれています。
そのなかで、手で肌に触れるという素朴な行為が私たちの心身におよぼす影響は、これまでの予想をはるかに超えるほど大きいことが明らかになってきたのです。たとえば、母親が赤ちゃんの肌に触れると、その刺激が脳を刺激して成長を促すことや、体温維持、呼吸・循環系の安定、静睡眠の増加、ストレス軽減といった効果を示すことがすでに確認されています。
お腹が痛いとき、お母さんにやさしくお腹を擦ってもらうと、不思議と痛みが和らいで気持ちが落ち着いたという体験にも、確かな根拠があったのです。
「たかが手で触れるぐらいで、まさか?」
それでも、「たかが手で触れるぐらいで、まさか?」と思われるかもしれません。しかし、こうした事実は、私が30年間マッサージ治療を通して体験してきたこと、たとえば、ガンからくるかなりひどい痛みでも手を触れていると和らぐ、ストレスが取れてリラックスできる、代謝や血流が改善され免疫力が向上するといったこととも見事に一致しているのです。
私がこれまでに治療した症状は、膝の痛みや腰痛、五十肩、肋間神経痛、リウマチなどの痛み、喘息やアトピーなどのアレルギー症状、子宮筋腫、子宮内膜症、乳腺腫、更年期障害などの婦人科系の症状、さらに肝臓病やガンなど、じつにさまざまです。
そんな症状を抱えて目の前で苦しんでいる人が、特別な器具や薬を使用することなく、手が肌に触れるという行為、すなわちタッチングによって変わっていく症例をいくつも目撃してきたのです。
手の癒しの力はすばらしい
このようにタッチングにはさまざまな治療効果がありますが、私が長年治療を続けてきて感じることは、タッチングによる癒しの力のすばらしさです。
人からよく、マッサージをすると疲れるでしょうと聞かれることがありますが、私の場合は疲れるどころか、かえってこちらが元気になるくらいです。その理由は、患者さんの皮膚に手で触れるとき、お互いに心身のエネルギーを交換し合っているからだと考えています。ですから、治療が終わると、患者さんだけでなく私自身ももっと元気になっているのです。
また、誰でも病気になると、周囲の人に?疎外感の壁?を感じやすいものですが、こんなとき手で触れてもらえると、そうした壁がなくなり?つながり感の欠如?を埋める力を与えられます。
それで、私の元に治療に来られないガン患者さんなどがいると、その娘さんや息子さんに来てもらいます。そこで、タッチングの方法を説明して、ご家族の手で直接マッサージしてもらっています。
親の体に手で触れてマッサージするのははじめてという方が多いのですが、マッサージを受けたご本人は、それまでの不眠が嘘のようにスヤスヤと眠るようになったり、食事を口にしなかったのにお腹が空いたと言い出したり、痛い、痛いといっていたのが「痛みが消えた」「ありがとう」などと言ったりするようになります。
こうしたことには科学的にはっきりとした根拠もあるのです。愛情をもって手で触れると、交感神経が興奮して免疫力が上がったり、痛みの神経伝達を抑制したり、エンドルフィンなどのモルヒネ様ペプチドホルモンによって多幸感が出てきたりと、さまざまな生理作用を引き起こすのです。
じつは、こうした家族の触れ合いは、病気を抱えている場合だけに必要なのではありません。日ごろから十分なスキンシップがあれば、お互いの絆が深まって心身ともに元気になれるのです。今は、家族の人間関係さえ希薄になっているといわれますが、これには、肌と肌が直接触れ合うことによる互いのエネルギー交換が少なくなっていることも関係していると思われます。
タッチング効果を高めるマッサージ法
私は長年、治療の場でタッチングを実践し、研究を重ねながら、タッチングの効果を高める方法を探求してきました。その結果、たどり着いたのが「ビタミンマッサージ」です。
このマッサージの特徴は、タッチングとビタミンEとアロマオイル(精油)の効果を組み合わせることで、そのトリプル効果を引き出すところにあります。また、マッサージ法としては、リンパ液の流れを促すようにマッサージします。
そして何より、タッチングの意味を理解し、基本的な手の使い方さえわかれば、日常的な健康管理にすぐ利用することができますし、ある程度専門的に学べば、西洋医学の補完医療としても利用することができます。実際、医療機関については、すでに日本だけでなく海外でも取り入れるところが増えています。
そこで、この本では、タッチングの働きをわかりやすく説明し、簡単なタッチングならすぐに実践できるように解説してあります。
本書との出会いが、心身ともにより豊かに生きるきっかけにしていただければ、これ以上の喜びはありません。
プロフィール
町田久(まちだひさし)
昭和23年生まれ。49年セラ治療院開業。50年日本鍼灸理療専門学校(花田学園)卒業。平成6年中国福建中医学院名誉教授就任。12年環太平洋アロマ代替療法協会(APSA)会長就任。16年韓国京畿大学大学院兼任教授就任。日本統合セラピスト教育協会(J-EAT)会長就任。