はじめに
ある日、乳ガンを患い手術をされたことのある40代の女性が来院されました。術後に激しい痛みが続き、あまりの辛さに寝返りもできないほどだとおっしゃいます。その日も、ご主人に付き添われ、杖を突いてやっとの思いで来院されました。じつはガンが骨に転移していたのです。
さっそくお腹にさわってみると“しこり”があり、ヘソから上のほうはまるで板でも入っているように硬くなっています。すぐにお腹に治療を施しました。すると、あれほど張っていたお腹がみるみる緩んでいくのがわかります。ご本人も痛みが和らいで楽になったといいます。
杖はまだ必要でしたが、来院されたときとは見ちがえるほど生きいきとした表情で帰って行かれました。それから4回の治療で、痛みはほとんどとれて、杖なしでも歩けるまでになったのです。
私の治療院では、こんな体験をされる方が驚くほどたくさんおられます。
はじめに
ある日、乳ガンを患い手術をされたことのある40代の女性が来院されました。術後に激しい痛みが続き、あまりの辛さに寝返りもできないほどだとおっしゃいます。その日も、ご主人に付き添われ、杖を突いてやっとの思いで来院されました。じつはガンが骨に転移していたのです。
さっそくお腹にさわってみると“しこり”があり、ヘソから上のほうはまるで板でも入っているように硬くなっています。すぐにお腹に治療を施しました。すると、あれほど張っていたお腹がみるみる緩んでいくのがわかります。ご本人も痛みが和らいで楽になったといいます。
杖はまだ必要でしたが、来院されたときとは見ちがえるほど生きいきとした表情で帰って行かれました。それから4回の治療で、痛みはほとんどとれて、杖なしでも歩けるまでになったのです。
私の治療院では、こんな体験をされる方が驚くほどたくさんおられます。
ふつう鍼灸といいますと、頭のてっぺんから足裏まで治療の対象になり、鍼を何十本と打ちますが、私の治療院では体のなかでもとくに「お腹」を治療します。しかも、鍼は数本しか使いません。それまで鍼治療を受けたことのある方は、あまりの鍼の少なさに驚かれます。
それは、あらゆる病気の根っこは、お腹の“しこり”にあるからです。万病は足裏ゾーンにあらわれるとか、後頭骨ゾーンにあらわれるという話を聞かれたことがあるかもしれませんが、じつはお腹ゾーンにこそ病気の根っこが隠されているのです。
体の異常がひどいほどお腹が硬くなり、“しこり”がありますが、それをほぐすことで病気の根っこは見事に取り除かれ、症状は改善していきます。このことを治療現場で数多く目撃してきました。
試しに、お腹をあちこちさわってみて、硬いところや、“しこり”のあるところがないか探ってみてください。もしお腹のお肉がだぶついているようでしたら、両手でお腹をワシづかみにして、硬いところや“しこり”が奥に隠れていないか探ってみてください。もし見つかったら、そこにこそ病気の根っこが隠されています。
あとは、それを効果的にときほぐしていけばいいのです。私の場合は鍼灸師ですから鍼を使って、硬いところ、“しこり”のあるところを治療していきますが、この本で紹介する「ヘソ按腹法」や「ヘソ按腹体操」を利用すれば、誰でもお腹を柔らかくできます。ちなみに按腹とは、お腹をもんだり、さすったりすることです。
治療家になったとき、私がまず考えたことは、この世から病で苦しむ人をなくしたい、そのために誰でも自分で「自分の体を癒せる」効果的な方法はないかということです。
その答えを15年以上探し求めているうち、私自身も生死をさまよう病気を体験しました。ところが、そのなかでこそ行き着いたのが、健康の基本はお腹をケアすることにあるということだったのです。そのために誰でもすぐに取り組める効果的な方法として「ヘソ按腹法」と「ヘソ按腹体操」が生まれました。
ガンに対する治療はけっしてたやすいものではありませんが、私の治療院では、末期ガンの進行が止まったという患者さんも少なくありません。そのほかにも、さまざまな症状が回復していくのを目撃しています。
その治療でいちばん大切なのは、お腹の硬さを取り除くことで、そのための「ヘソ按腹法」については本文を読んでいただけばどなたでもすぐに実践することができます。
また、お腹を効果的に刺激するための体操が「ヘソ按腹体操」で、簡単な四つの動きを組み合わせたものです。1回1、2分あればできますので気軽に取り組めます。2章の最後にイラスト入りでわかりやすく説明してあります。
すぐにはじめてみてください。毎日続けていれば、どんどんお腹が柔らかくなり、それに応じて体の状態が変化していくのを実感していただけるでしょう。
本物の健康に向かって、あなたの扉を開けてください。