はじめに 「今、お腹にいる自分の赤ちゃんを見たい」
私は結婚したからといって、すぐ赤ちゃんを産むということが、自然に結びつかなかった。いろんな所で出合う、赤ちゃんのいる風景が、ちっとも楽しそうに見えなかった。
子供をもつことにより、自分の人生がなくなるような恐ろしさ。抜き差しならない生活に、はまるみたいな。そして、何より、テレビドラマなどのお産のシーンの苦しさ、痛さが頭にあって、できればこんな大変さは、避けたかった。
だが、三十五歳を過ぎて、産めなくなる年を目前に、最終的な決断を迫られたとき、「産もうか」と思った。でも、簡単に、すぐ妊娠するものではない。
はじめに 「今、お腹にいる自分の赤ちゃんを見たい」
私は結婚したからといって、すぐ赤ちゃんを産むということが、自然に結びつかなかった。いろんな所で出合う、赤ちゃんのいる風景が、ちっとも楽しそうに見えなかった。
子供をもつことにより、自分の人生がなくなるような恐ろしさ。抜き差しならない生活に、はまるみたいな。そして、何より、テレビドラマなどのお産のシーンの苦しさ、痛さが頭にあって、できればこんな大変さは、避けたかった。
だが、三十五歳を過ぎて、産めなくなる年を目前に、最終的な決断を迫られたとき、「産もうか」と思った。でも、簡単に、すぐ妊娠するものではない。
夫婦そろって病院で診てもらったら、私のほうが、卵管が詰まっていて、妊娠しずらい状態と言われた。不妊治療が必要となった。でも、そこまでしなくてもいいと、自然にまかせていたら、ずいぶん遅れて、四十一歳で妊娠。
そのとき、高齢出産ということもあって、〈産む、産まない〉で、とても迷った。私は何でも迷ったときは、本を読んで、考え、確認して答えを出すことが多い。そこで、妊娠期間にどんなことがあって、産んだ後、どんな変化があるのかなどを知りたかった。
医学的な本を読んでみても、今一つ実感が湧かない。それで、体験談を探したが、見つからない。当時は、一冊もなかったので、私が、経験しながら書いていこうと思った。一つの病気を背負ったつもりで悩みも苦しみもムダにせず、明るく過ごしてみようと決心した。
妊娠中に起こるいろんな変化から始まって、新しい経験ばかりで書くことはたくさんあった。いやなことがあっても「また、これは書ける」と、ワクワクした。結局、産もうと決めたのは、「今、お腹にいる自分の赤ちゃんを見たい」という自然な欲求だった。
女なら一度は経験してみないと損だと思った。誰もができる平凡なことと思っていたが、とても神秘的なことだ。自分の中から、もう一人人間が出てくる。こんなすごいことはない。
さて、子育ては楽しく、味わい深いものだ。産む前に、どこか物足りなかった心の空白が、子をもってみて、きちんと満たされたと感じた。
私と同じように、高齢出産の人、産むのにとどまっている人、妊娠中の人、子育てで悩んでいる人、そして、これから結婚という人……などに、この本がお役に立てば最高!
高齢出産・子育てバンザイ!