願わなければ叶う5つの真実
ネガワナケレバカナウ5ツノシンジツ
逆転の成功法則
有野真麻著
「ガンバリすぎる」あなたの本
「こんなふうになりたい」「もっと〜したい」と願うことにココロが熱中していると、イマ、ココにある幸せや豊かさに気づけません。その満たされない自分から逃げて、何かを願うことにココロは一生懸命になります。ところが、それでは願ったことも叶わないのです。……老師がこっそり教えてくれた「5つの真実」(プロローグより)
主な内容
プロローグ 願うことをやめたらいい!
I ココロに潜む境界線を見抜く
II ココロのパワーを知る
III 「ほんとは願わなければ叶う!」を実感する
IV アタマで知りカラダで感じとる
V 幸運を呼びこむカラダをつくる

- 価格
- 1540円(本体1400円)
- 判型
- 四六判
- 頁数
- 224 頁
- 発行日
- 2008.7.25
- ISBN
- 978-4-87795-140-5
立ち読み
プロローグ 願うことをやめたらいい!
「プラス思考で成功」の落とし穴
思いやイメージは必ず実現する。だから「しっかり成功をイメージしろ!」「成功のスケジュールを紙に書け!」「プラス思考をしろ!」といわれます。しかし、それで願いが叶った人は何人いるのでしょうか?
以前、僕は自然食のレストランを開店し、経営したことがあります。物件探し、立地調査、飲食店の経営ノウハウの勉強、食材の仕入れ、メニュー開発、店舗の設計・デザイン、宣伝、スタッフの教育と、なけなしのお金を投資しての開店ですから、もう必死です。熱心な宣伝活動の甲斐あって、レストランは多くの雑誌にも掲載されました。
どうしても成功させたかった僕は、少しでも効果がある方法だと聞くと、何でも実践してみました。成功のイメージをできるだけ具体的に思い描くとか、成功のスケジュールを紙に書き込むとか、何事もプラス思考で受け取るといったふうに……。
レストランは毎日満席の大繁盛。スタッフも明るく元気に働いて、お客さんも料理と接客に大満足。もちろん店の売上げは絶好調です。これから新たな業態のレストランを次々と店舗展開していこう……そんなバラ色の未来をイメージして、成功のスケジュールには日付まで設定しました。
それは、僕が読んだ成功法則の本に「日付を設定することで、さらにイメージが明確となり、願望実現も確実になる」と書いてあったからです。
もちろん、レストラン経営にはトラブルもありました。それでも「これは試練だ。もし神様がいるんだったら、乗り越えられない試練なんて与えられないんだ。この試練を乗り越えることで、僕はもっと幸せになれるんだ」と、何事もプラス思考で受け取って、つねに前向きに頑張りました。
しかし、結果は大失敗だったのです。成功のスケジュールでは、5年後に10店舗のレストランを展開するオーナーになっているはずだったのに……。
毎月、毎月、計上される赤字に僕の顔は真っ青です。ストレスで持病の頭痛もひどくなり、とうとう顎関節症にもなってしまいました。食事も喉を通らないとは、まさにこのことです。
もちろん、事業がうまくいかなかったのには、僕の経営手腕やそのときの社会状況など、それなりの原因があったことでしょう。ただ、僕がどうしても引っかかったのは、世の成功法則の本に書かれてあることです。そこには、どの本にも必ずといっていいほど「強く願えば願うほど実現する」と書いてあります。
成功への思いは誰よりも強かったと思いますし、成功法則といわれることは忠実に実践したはずです。それなのに、見事に失敗してしまったのです。信念を打ち砕かれた僕は、すっかり意気消沈して疲れ果て、生きる意欲さえ失って人生の迷路にはまってしまいました。カラダもガタガタです。どうして、こんなことになったのか……。
プロローグ 願うことをやめたらいい!
「プラス思考で成功」の落とし穴
思いやイメージは必ず実現する。だから「しっかり成功をイメージしろ!」「成功のスケジュールを紙に書け!」「プラス思考をしろ!」といわれます。しかし、それで願いが叶った人は何人いるのでしょうか?
以前、僕は自然食のレストランを開店し、経営したことがあります。物件探し、立地調査、飲食店の経営ノウハウの勉強、食材の仕入れ、メニュー開発、店舗の設計・デザイン、宣伝、スタッフの教育と、なけなしのお金を投資しての開店ですから、もう必死です。熱心な宣伝活動の甲斐あって、レストランは多くの雑誌にも掲載されました。
どうしても成功させたかった僕は、少しでも効果がある方法だと聞くと、何でも実践してみました。成功のイメージをできるだけ具体的に思い描くとか、成功のスケジュールを紙に書き込むとか、何事もプラス思考で受け取るといったふうに……。
レストランは毎日満席の大繁盛。スタッフも明るく元気に働いて、お客さんも料理と接客に大満足。もちろん店の売上げは絶好調です。これから新たな業態のレストランを次々と店舗展開していこう……そんなバラ色の未来をイメージして、成功のスケジュールには日付まで設定しました。
それは、僕が読んだ成功法則の本に「日付を設定することで、さらにイメージが明確となり、願望実現も確実になる」と書いてあったからです。
もちろん、レストラン経営にはトラブルもありました。それでも「これは試練だ。もし神様がいるんだったら、乗り越えられない試練なんて与えられないんだ。この試練を乗り越えることで、僕はもっと幸せになれるんだ」と、何事もプラス思考で受け取って、つねに前向きに頑張りました。
しかし、結果は大失敗だったのです。成功のスケジュールでは、5年後に10店舗のレストランを展開するオーナーになっているはずだったのに……。
毎月、毎月、計上される赤字に僕の顔は真っ青です。ストレスで持病の頭痛もひどくなり、とうとう顎関節症にもなってしまいました。食事も喉を通らないとは、まさにこのことです。
もちろん、事業がうまくいかなかったのには、僕の経営手腕やそのときの社会状況など、それなりの原因があったことでしょう。ただ、僕がどうしても引っかかったのは、世の成功法則の本に書かれてあることです。そこには、どの本にも必ずといっていいほど「強く願えば願うほど実現する」と書いてあります。
成功への思いは誰よりも強かったと思いますし、成功法則といわれることは忠実に実践したはずです。それなのに、見事に失敗してしまったのです。信念を打ち砕かれた僕は、すっかり意気消沈して疲れ果て、生きる意欲さえ失って人生の迷路にはまってしまいました。カラダもガタガタです。どうして、こんなことになったのか……。
願わなければ思いどおりになる!?
そんなとき、一人の太極拳の老師と出会ったのです。まさに地獄に仏とはこのことです。老師はまず、耐え難いカラダの苦痛から僕を解放してくれました。それだけじゃありません。老師は、それまで聞いたことのない成功法則を僕に伝えてくれたのです。
信じられないことですが、太極拳の達人である老師は小柄なのに、軽く触れただけで僕のカラダを吹っ飛ばしてしまいます。そのタッチは、ふかふかの羽毛ぶとんに包まれたような優しい感触です。それなのに次の瞬間、僕のカラダは羽毛のようにフワフワと宙に舞っています。
老師は僕に触れただけで力を抜いてしまうこともできます。まるで僕の力が空気中に消えていくようです。僕は老師のあやつり人形のようになってしまうのです。そんな老師から聞いた一言こそ、これまでの成功法則を一八〇度ひっくり返すような核心をついたものだったのです。
あるとき、老師は言いました。
「願わなければ、思いどおりなんだよ」
「エッ!?」
一瞬、僕は自分の耳を疑いました。思いが実現するという言葉を信じて、目標を握りしめて頑張ってきた僕には、とても受け入れがたい言葉でした。夢や目標がないまま、どうして、僕らは頑張ることができるのでしょうか。夢や目標の実現を願うからこそ、落ち込みそうなときも、つらく苦しいときも、前向きに生きることができるのではないでしょうか。
夢や目標がない人生なんて、僕には考えられません。それでは、生まれてきた意味や価値もないじゃないですか! 僕は、今までの努力を否定されたような気がして、なんだか腹立たしくなってきました。
その気持ちを察したのか、老師は続けてこう言いました。
「ありの君が、夢や目標をもって努力していたときは、どうだった? その夢や目標にふさわしい自分になろうと、『このままじゃいけない』『もっともっと頑張らなければ……』そう自分に言い聞かせながら、必死に頑張ってきたことだろう。
ところが、そうやって頑張れば頑張るほど、ありの君のココロはなぜかギスギスし、カラカラに乾いていくようではなかったかな?」
「言われてみれば……。たしかに、そのときの僕はイライラ気味で、いつもピリピリしていたと思います。
でも、ちょっと待ってください。夢の実現に必死なんですから、のんびりしてるヒマはないでしょう。のんびりなんかしてたら、夢が実現する前に、僕のお葬式が実現してしまいますよ(笑)」
「はっはっはっ。しかし、よく考えてごらん。もし、思いが実現するというのなら、そんな潤いを失ったココロが実現してしまうのではないかな?」
「ウッ……(汗)」
「夢や目標は未来にあるものだよ。
ありの君の視線はいつも未来にあって、かんじんのイマに無関心になっていたんだ。
イマ、ココにあることの幸せや豊かさに気づかなくなっていたのだよ。
ワシらはつねにイマ、ココにしか生きられない。
幸せや豊かさが生まれるのもイマ、ココなんだ」
言葉を失った僕は、ただただ老師の話を聞き入るばかりでした。
プロフィール
有野真麻(ありのまあさ)
1971年生まれ、広島県出身。成蹊大学法学部卒。脱サラして複数の業種を体験しながら、日本人の食生活向上に役立ちたいとの志を立て、自然食レストランを立ち上げる。さらに多店舗展開を目ざして事業を拡大するかたわら、さまざまな成功法則を研究し実践するが、ビジネスに精一杯努力するほど自由な時間がなくなることに限界も感じる。そして、レストラン経営は不振に。
なぜ数ある成功法則が自分にはうまく作用しなかったのか、答えを探し求めるうち、ある太極拳の老師と出会う。そのなかで、「願わなければ叶う」という、人生に真の成功と豊かさをもたらす法則(5つの真実)を体得。現在は、(株)カーナサイエンス代表取締役として会社経営に携わるとともに、さまざまな視点で参加できる対話型メールマガジンを主宰、発行する。太極拳と気功の指導も行なっている。