プロローグ 「音」があなたの人生を決定する
あなたの人生をナビゲートしてくれる「13の音」
本書は私の手がけるマヤ暦シリーズの「13の音」について取り上げた『古代マヤ暦「13の音」占い』を内容的によりグレードアップさせた第二弾となります。
マヤではその人が生まれた日によって、固有の「音」を持ち、その音によって魂の志向性とか生きる方向性、役割などが決定的な影響を受けると考えられています。
日々、緻密で、その日固有のエネルギーが地球上に流れています。人は地上に生を受けた瞬間、誰もがその日のエネルギー、東洋的な表現では「氣」を無意識のうちに吸い込んでいます。
その吸い込んだエネルギー(氣)が周波数すなわち「音」を持っているのです。そこでその人の人生に大きく影響する「音」が決定されるのです。この音は大きく分けると「13種類」になります。
宇宙には深遠なる「宇宙のエネルギー」が流れており、私たちはこのエネルギーから多大な影響を日々受けています。
また、自然界はすべて共鳴の法則によって成り立っています。その際、どのようなエネルギーと共鳴するのか、「音」によってかなりの違いがあります。
自分の「音」を深く知ることは、あなたが「本当の自分」「本来の役割」を知ることにつながり、本来の人生を生きる大きなキッカケとなるのです。
あなたが何に共鳴するのか、どんな方向に進むことが、よりベターなのか、それを示してくれるのが「13の音」なのです。
みなさんの銀河の音がいくつなのか、その割り出し方は、26頁からの「マヤを初めて学ぶ人へ」の項で詳しく述べています。
前著が音についての「基礎編」としたら、今回は「実践編」と呼ぶべきもので前著でお伝えした基礎をもとに、それを「実際の生活の中で活かす」ことで「リズムに乗った快適な日々」を送ることに焦点を当てて、説明してあります。
マヤがいかにすばらしい哲学や科学を持っていても、それが実際の生活に活かせなければ、ただの机上の空論になってしまいます。
本書はマヤと私たちの現代生活をダイレクトに結びつけ、人生のリズムに乗り、みなさんが喜びあふれる日々を送っていただくための情報をいかにわかりやすく提供するかにこだわりました。
できれば、前著とあわせてお読みいただくことでより深い理解が得られますが、本書から先にお読みいただいてもまったく支障はありません。
自分の「音」がわかれば幸せな人生に
音には大小、高低があります。音はそもそも「振動」によって起こるものです。また振動の本質は、「共鳴現象」にあります。
人生はどのエネルギーのどの領域と共鳴するかによって決まります。高い周波数のエネルギーと共鳴することで、人知を超えたとしか思えない不思議な現象、予期せぬ幸運な出来事が起こり人生が明らかに輝きを放ち自ずと開けていくことがあります。
さらに音には「周波数」があります。つまり人それぞれ、独自の波長があるわけです。
この波長に合うことで人と人が引き寄せられます。よく言われる波長が合う、合わないは、「周波数」の共鳴現象をわかりやすく表現したものです。
つまり「周波数」や波長のリズムを高めていくことが、幸せな人生につながるといっても過言ではありません。
自分の音の周波数を高め、共鳴レベルを上げていくことで、宇宙からの応援が加わり、よりよい人材が引き寄せられてきます。次から次へとタイミングが合い、たくさんの幸運を引き寄せるシンクロニシティが起こるようになるのです。
共鳴レベルを高めると、驚くことに人生が「1オクターブ」上がってしまいます。それは明らかに次元が上がったかのような驚異的な現象で、人知を超えた出会いや出来事が起こり、人生が面白いように自分が思い描いたような展開になります。
たとえば、音5の場合は「中心」を定めることが大事なポイントになります。やりたいことの中心、人生の中軸となるものを決めることです。その際、できるだけ明確にすることが大切で、超明確にすることで思いが具現化し形となるのです。
また音8の場合は、「共鳴、共感」が音の持つキーワードとなります。つまり、共鳴する人が一定の臨界値を超えると、人生が1オクターブジャンプするのです。共鳴・共感してくれる人を増やすためには、まず自分が相手のよき理解者になってあげることです。
このように自分の「音」を知ることは、より充実した幸せな日々を送るための「コツ」を得ることにつながります。
そういった意味でも自分の「音」を知り、音域をいかに高め、広めるかが人生のテーマともいえるでしょう。
自分の音を活かしトーンを高めれば本来の生き方ができる
では自分の音を十分に活かせないとどうなるか。「音」は「トーン」とも表現することができます。
「トーンダウン」という言葉がありますが、人生も同じように、周波数が落ちたり、人と不協和音を発したりすると「トーンダウン」という結果になってしまいます。
トーンダウンすると何事にもタイミングが合わなくなります。タイミングが合っているときは「ちょうどよかった」「ちょうどこれがほしかった」ということがいっぱい起こりますが、トーンダウンしていると「タッチの差で逃してしまった」「こんなときによりによって……」ということが、続々と起こるようになります。
さらに、周りに数々のトラブルが起こってきます。寄ってくる人もマイナス思考で不平を抱えた人が多くなります。
例としてあげるのも恐縮ですが、麻薬事件で問題を起こしたタレントのSさんなども、トーンダウンしているときに出会った男性によって信頼を落としてしまったパターンです。
トーンが落ちているからおかしな人、おかしなものに波長が合ってしまうのです。
トーンが高ければ、通り過ぎ、すれ違っただけで終わったはずなのです。
マヤのマトリックス(配列)を考えた場合、「すべては準備されている」と断言できます。
自分本来のトーンを知り、そのトーンを高めていけば、「本来準備された人」に共鳴して出会うことができるのです。人だけではありません。起こるべきことが起こり、進むべき道に進むことができます。宇宙の流れに乗ると、日々の出来事が非常にスムーズで軽やかになるのです。
これが自分のトーンに合わないことをしていたり、あるいはトーンが下がっていると本来の準備された人とは違うおかしな出会いになってしまったり、本来予定されていない方向に進んでしまったりするのです。
これは宇宙の流れに沿っていないため、無理があるからです。そのため苦しみをともない、喜びとは無縁な生活になってしまいます。
「利他」の心があなたのトーンを上げる
では「トーンを上げる」ためにはどうすればいいのでしょうか。
実は「視点」と「思考」を変えさえすれば、トーンはいくらでも変わっていくのです。
たとえば、ノーベル賞受賞者などは、一般の人々とは意識している次元がまったく違います。
日ごろから高いところに意識を合わせているからこそ、一瞬のひらめきが起こり、人類史上に残る発明・発見がなされるのです。
「意識を高いところに合わせる」有効な方法は、簡単に表現すると、「我(が)を捨てる」ことです。
自分のことだけ、家族のことだけしか考えない、あるいは自分さえよければいいという意識で生きていると、その人の人生はどんどん低迷していきます。
自分の視点でしか物を見ることができず、相手の身になって考えられない人、何か気に入らないことが起こるとすべて人に責任転嫁して激しく責め立てる……このような人は間違いなく周波数が下がり、低調な人生になるでしょう。
逆に「利他」の心を持ち、他人を思いやり、みんなのことを考える人の人生はどんどん高まり、次元が上昇していきます。
トーンが上がっている人は、心地のよい音、「絶妙な音」を出しています。それゆえ一緒にいて心地よく、安らぎを感じます。
それぞれが本来持っている音の意味を知り、意識の焦点を高いところに合わせていけば「絶妙な音」を奏でることができるのです。本来自分の持っている音を出すことこそが「絶妙な音」なのです。
そうすることで周りの人にも宇宙にも応援され、よりよい人生が約束されるのです。
一方、「我の強い人」の出す音はキーキーと耳障りのする雑音です。そのような人とは誰も一緒にいたいとは思いません。
オーケストラや合唱では「和音」「ハーモニー」ということが、何より重要視されます。人間関係も同じことで、人と人とが各々最高の音を出し、ハーモナイズすることが大切です。
そこに雑音が入ったら「不協和音」になり、人間関係がうまくいくはずもありません。本来、人間はそのようには生まれていないのです。
自分のトーンを上げて、本来の準備された人生を生きていくことこそが、シンクロを起こし、人生のすべての成功、幸せにつながるのです。
「なでしこジャパン」はなぜ奇跡を起こせたのか
今や国民的人気の「なでしこジャパン」。ドイツでのワールドカップ優勝、オリンピック出場権獲得など、日本国民に熱い感動を与えてくれました。
彼女たちこそ、トーンを上げ、リズムに乗り、見事なシンクロを呼び寄せた大成功例だといえるでしょう。
ワールドカップで優勝するまで、彼女たちはマイナーな存在でしかありませんでした。観客も少なく、待遇や給料も決していいものではありませんでした。
しかし、たとえお給料が少なくとも、彼女たちは純粋にサッカーを愛する心を持ち続けて奮闘しました。そしてワールドカップでは、東日本大震災の被災者に少しでも勇気や元気を与えたいという気持ちで戦ったのです。
その思いが、シンクロを呼び寄せ、優勝という偉業を成し遂げたのです。
これは、何も「なでしこジャパン」に限った話ではありません。私たち一人ひとりにおいても同じことがいえます。
たとえば、同じ町のパン屋さんでも、心の持ちようで全然トーンが違ってきます。
「お客さんに美味しいパンを食べてもらいたい」「このパンを食べたお客さんが笑顔になってほしい」という気持ちで製造されたパンはトーンが高いため、飛ぶように売れ、お客さんもどんどん集まってきます。
そういう気持ちで作られたパンは実に美味しく、店自体も居心地のよい空間を作り出します。
ところが、生活のため仕方なくやっているパン屋さんがいます。毎日いやいやパンを製造しているのです。不平不満にあふれたパン屋さんはどんどんトーンが下がっていきます。
そんな気持ちで作っているパンを食べると下手をすると体調がおかしくなります。お客さんが寄りつかず、売り上げもどんどん落ちる一方でしょう。
私はある地方都市で実際にこういうケースを目にしました。ある女性がパン屋に嫁に行ったのですが、そこの姑がひどく不平不満をいう人だったのです。当然店の経営状態は悪く、家族関係もぎすぎすしていました。その女性は「ここにいたらおかしくなる」といって実家に帰ってきてしまったのです。
同じパン1つでもそこにこめられた思いがトーンとなり、その高低でまったく違う結果が生じるのです。
パン屋さんだけでなく、どんな職業でも同じです。不平不満をいいながら、エゴむき出しで行った仕事が幸運を引き連れてくることはあり得ないのです。
トーンダウンしてしまったときの「対処法」
音・トーンということを意識して生きると見える景色が変わってきます。生身の人間である以上、常に高いトーンを保つのは至難の業です。
生きていればついつい不平不満をいうこともあるし、怒ったり、エゴが出てしまうこともあるものです。
しかし、そんなとき、「あ、今、トーンダウンしているな」と思うだけでも確実に意識が変化してきます。何より、まずトーンダウンしたと自覚することが大事なのです。
自覚すれば「まずいことしたな」「人に思いやりを持とう」と考えて、次は少しでもトーンを上げることを意識するはずです。
いきなり完璧を目指すのではなく、まずはトーンダウンすることを徐々にでも減らしていけば着実によい人生に向かうに決まっているのです。
自分が本来持っている音の意味を知り、意識をそこに合わせ、高めていく。それこそが宇宙に応援される最大の秘訣なのです。
1年ごとの「年の意味」がわかれば宇宙に応援される人生が送れる
宇宙に応援されれば、人生はあらゆることが面白いように展開し始めます。
そのためにトーンを上げることのほかに、もう1つ大事なことがあります。それは「タイミング」です。
本書では「タイミング」をうまくつかみ、流れに乗る方法にターゲットを絞って伝えています。人生においてタイミングということは、非常に大事なものです。
「何をやってもうまくいかない」という人がいますが、それはタイミングがずれているからです。タイミングがずれているということは写真でいえばピンぼけと同じ。
このタイミングを教えてくれるのが「マヤの叡知」にほかなりません。
マヤでは自分の誕生日から次の誕生日までを1年として、13年を1つのサイクルで考えます。人生の波に乗るためには、この13年のサイクルの中で自分の人生が今、どういう「時」を迎えているかを的確につかむことが最も大事なことなのです。
たとえば下りのエスカレーターに乗り必死に走っても現状維持が精一杯です。しかし、上りエスカレーターで同じことをすれば倍速で進むことができます。
13年の間に起こる「上り」と「下り」の時期を見極め、流れに乗ることこそがタイミングを知ることなのです。タイミングをつかむことは、チャンスをつかむことでもあります。
13年サイクルは毎年1から順に13までの年が回ってきます。この13にはそれぞれの意味があります。詳しくは後の章で説明しますが、もともとの音が1の人と2の人では、毎年、異なる音が回ってきます。
そしてこの1から13までの年はそれぞれ注意すべき「ポイント」があります。その年に何を意識して、どう生きればよいか、それをマヤは入念に示してくれます。
そしてそれはあなたの人生をより確かで充実したものにしてくれるのです。
マヤを初めて学ぶ人へ
ところで、本書でマヤを初めて学ぶ人のために、マヤとは何かを簡単に説明させていただきます。
すでにマヤについてある程度の知識をお持ちの方、拙著をお読みいただいている方は、ここは飛ばしていただいてもかまいません。
マヤでは「13」という数を重要視します。なぜかというと、13は「自然のリズム」を表しているからです。月の満ち欠けは1年間で13回、女性の月経は月の満ち欠けに連動し、1年間に13回といわれます。
マヤの本質は「宇宙意識」であり、宇宙の流れに沿った生き方をすれば、タイミングが合ってシンクロが起こると考えます。
シンクロというのは日本語で「共時性」と訳しますが、「人知を超えた不思議な一致」というようにとらえてください。
ですからマヤの示してくれる生き方をすることで、道が示され、よりよい出会いがあり、充実した人生を送ることができるのです。
あなたのKINナンバー、音の出し方
マヤにはそれぞれの誕生日によって固有の数字(KINナンバー)があります。KINは1から260まであります。
実はこれはあなたのマヤにおける「心の刻印記憶」を現しています。マヤのツォルキン(神聖暦)は1サイクルが365日ではなく、260日になっているところからきています。
そしてこのKINナンバーごとに、「太陽の紋章」と「ウェイブ・スペル」(本書では紹介しません)が決まっています。これは20種類ずつあります。
マヤでは「宇宙には20の異なった叡智を持つ神がおり、それぞれが交代で支配している」と考えます。
この20の叡智は日ごとに順番に巡っており、それはその日生まれた人の性質や人生で起こる事柄まで決定付けるというのです。
この「20の叡智」こそが「太陽の紋章」であり「ウェイブ・スペル」なのです。太陽の紋章とウェイブ・スペルは一種の表裏の関係で、どちらもその人の本質を表しています。その人の魂の方向性、得意なこと、意識すべきこと、人間関係など、これによって大枠をつかむことができます。
さらにそれぞれのKINナンバーごとにそれぞれ13種類の「音」があります。この音こそが本書で取り上げているものです。音は銀河の中心から発せられているパルス波、パルス光線のようなエネルギーのことです。これが13種類あり、その人の誕生日によって決まります。
音の出し方は、まず巻末の「西暦とマヤ暦の対照表」で自分のKINナンバーを出してください。
次に次頁の表でご自分のKINナンバーを見つけてください。わかりましたか? その上に「A」や「E」がついているのがおわかりでしょう。これがあなたの「音」です。上表のように「A」は1、「B」は2、「C」は3、「D」は4です。5は「E」です。10は「J」です。
以下この4つの点とE、Jの組み合わせで6がF、7がGというように13まで表されています。
この「音(銀河の音)」があなたの原動力、エネルギーを表し、あなたに内在する能力を示しています。
マヤも人生も「吉凶」は存在しない
マヤは本来、「占い」ではありません。それは「吉凶」はないと考えるからです。「吉」「凶」は明らかに期間(スパン)によって変わってきます。そのため13年のサイクルも「この年はよくて、この年は悪い」という考え方はしません。
あくまでもその年にどういった特徴があるか、どういう意識でその年を過ごせばよりよい年になるか、それを指し示していると考えます。
これは「太陽の紋章」「ウェイブ・スペル」「音」についても同じです。
それ自体には吉凶はなく、考え方・とらえ方によってどうにでもなるというのが三次元を超えたマヤの考え方といえるでしょう。
みなさんはよく、「今年、運がいいのか悪いのか知りたい」「自分の運の強弱を知りたい」とおっしゃいますが、何が吉で何が凶であるというのは、実は長い目で見ないとわからないことです。
たとえば、病気になったとか、会社をリストラされたなどという事柄が起こったとします。これらはそのときは不幸に思えることかもしれませんが、長い目で見てみればそれを機会に人生が好転したという人はいくらでもいるのです。
リストラされたのを契機に商売を始め、大成功した人、病気にかかって入院中に描き始めた絵で賞をもらった人などなど。
選手としてはいうに及ばず監督としても数々の大記録を残した前中日ドラゴンズの監督、落合博満さんもまさに凶を転じて吉とした人生を送っています。
彼は秋田工業高校の野球部時代から先輩の理不尽なしごきに耐えかねて退部するなど、野球選手としてエリートとはかけ離れたスタートをしています。
その後、大学に進学して野球部に入部するも、やはり肌に合わずに半年ほどで秋田に帰ってしまいました。
その後、プロボウラーを志し受験に出かけようとしたとき、その途中でスピード違反でつかまって罰金を支払ったために、受験料が払えなくなり、受験を断念したというのです。
これだけを見たら不運の連続です。
しかし、そこでプロボウラーになっていたら、その後の落合さんのプロ野球選手としての人生はなかったかもしれません。
それを考えれば、あのときにスピード違反でつかまり、プロボウラーになれなかったことは落合さんの人生にとって不運どころか、ラッキーなことでした。
ですから物事はすべて考え方・とらえ方なのです。
よく「今年は大殺界だから運が悪い」「天中殺だから怖い」とおっしゃる方がいますが、「運が悪い」「嫌なことが起こる」ことに意識の焦点を当ててしまうと、まさに運の悪いことが引き寄せられてきてしまいます。自分で大殺界を作っているようなものです。
マヤでは自分の意識の持ち方しだいで、いくらでも運をよくすることができるし、人生が開けていくと考えます。
マヤを知り周波数を高めれば、あなたの人生が見事に解き明かされ、人間関係、仕事、あらゆることが驚くほどうまく回り始めるのです。