ヒット商品は女子高生・ギャルママに聞け
ヒットショウヒンハジョシコウセイ・ギャルママニキケ
青少年夢応援隊20年計画宣言
植田実著
東大阪からスタートした根性物語
「ピンクのフィルムがほしい!」女子高生の一言を、“天の声”と聞いた——。以来、メガヒット商品となった携帯メールブロックをはじめ、関連商品で快進撃を続ける業界の雄・サンクレスト。ドツボと油まみれの青春を味わい、東大阪の四畳半からスタートしたサンクレスト社長、男の根性物語。
主な内容
第1章 天地を喰らって生きる
第2章 女子高生は神様だ!
第3章 ドツボから天を見る
第4章 打たれても打たれても、出る杭になれ
第5章 東大阪ブランドを世界へ
第6章 「青少年夢応援隊・20年計画」の実現に向けて
番外編
- 価格
- 1430円(本体1300円)
- 判型
- 四六判
- 頁数
- 248 頁
- 発行日
- 2012/12/10
- ISBN
- 978-4-87795-250-1
立ち読み
1章 天地を喰らって生きる
ジュエリーシール・キティちゃんを愛用するわけ
——ほらっ、見て見て、あのオッチャン。
——えっ、どこ? わーっ、キティちゃんやんか! キモ〜イ!
携帯で話しているぼくの左横のほうで女の子の声が聴こえている。アケスケで遠慮のない、明るい声だ。しかも大発見でもしたかのように、第一発見者の彼女はぼくのほうに指をさしているはずだ。振り向いて確かめるわけではないが、中学生か高校生であることはわかる。
ぼくは街中で携帯を使用するときは、すべての女の子たちの目に“発見”されることを願っている。だから人混みのなかでわざと携帯の絵柄が見えやすいように手にする。電話中にも右手のほうから女の子たちが歩いてきたとわかれば、すぐに左手から右手に持ちかえたりもする。こうしてまた、彼女たちに発見されると、背中がぞくぞくするほど嬉しいし、これもぼくの仕事の一つだと思っている。人混みのある街中はPRの舞台である。
1章 天地を喰らって生きる
ジュエリーシール・キティちゃんを愛用するわけ
——ほらっ、見て見て、あのオッチャン。
——えっ、どこ? わーっ、キティちゃんやんか! キモ〜イ!
携帯で話しているぼくの左横のほうで女の子の声が聴こえている。アケスケで遠慮のない、明るい声だ。しかも大発見でもしたかのように、第一発見者の彼女はぼくのほうに指をさしているはずだ。振り向いて確かめるわけではないが、中学生か高校生であることはわかる。
ぼくは街中で携帯を使用するときは、すべての女の子たちの目に“発見”されることを願っている。だから人混みのなかでわざと携帯の絵柄が見えやすいように手にする。電話中にも右手のほうから女の子たちが歩いてきたとわかれば、すぐに左手から右手に持ちかえたりもする。こうしてまた、彼女たちに発見されると、背中がぞくぞくするほど嬉しいし、これもぼくの仕事の一つだと思っている。人混みのある街中はPRの舞台である。
携帯に貼りつけたキラキラ光るジュエリーシールのキティちゃんは、わが社のキャラクター・アイテムの一つであり、数多いジュエリーシールのなかでは大ヒット商品なのだ。だからぼくは、女の子たちから「キモイ!」と言ってバカにされようと笑われようと、無料の宣伝だとわりきって演技する。
わが社サンクレストは、携帯関連グッズで3種類の市場商品を開発しているが、ジュエリーシールはその一つである。
ジュエリーシールは購入の大半が女の子なのでピンとこない人が多いと思うが、とにかくこの商品の売れ行きは人気キャラクターの力そのものにかかっているから、わが社はその版権を買って商品化する。数十種類あるキャラクターのなかで、キティちゃんの場合、とくに商品化のプロセスで苦労しただけでなく、売れ行きもダントツとあって、ぼくはまさに生みの親のような愛着がある。そして、この子の育ての親になるためにも、どんなことでもやってやるというのが、社長としての私の義務であり責務でもあると思うのだ。
ありがたいことにキティちゃんは、女の子だけでなく老若男女を問わず、人をなごませる力があるようだ。ぼくはノートパソコンの蓋全体にもキティちゃんのジュエリーシールを貼りつけているので、新幹線のなかやホテルのロビー、展示会などでこのパソコンを見かけた人から気安く声をかけてもらえる。
「キティちゃんですか、かわいいですね」
そんな会話から始まったりして、相手が中年をすぎたビジネスマンであっても、ぼくとその人との間にキティちゃんが、コミュニケーションの仲立ちをしてくれているのだ。
とかくギクシャクして閉塞感のある世の中にあって、キティちゃんは本当に天使のような存在である。2011年7月にはアメリカにも営業所を設立したが、キティちゃんの売れ行きはいちばんで、世界的に愛されるキャラクターであることを証明しつつある。
わが社を支えてくれているキティちゃんの携帯をもって、キモイオッサンのぼくは、今日も女の子たちに指をさされるため人混みのなかを泳いでゆく。
つづく
プロフィール
植田実(うえだまこと)
株式会社サンクレスト代表取締役社長
1953年、大阪府東大阪市生まれ。
1987年、(株)サンクレストを設立。
メールブロック、キズ自己修復フィルム、ジュエリーシール、衝撃自己吸収フィルムなど独自の商品開発により、「がっちりマンデー」「トレンドたまご」「スーパーニュース」「ニュースBIZ」「大阪ほんわかテレビ」「ちちんぷいぷい」などテレビ出演。
雑誌・新聞では「日経トレンディ」「DIME」「BIG tomorrow」
「日本経済新聞」「朝日新聞」「読売新聞」「日刊工業新聞」などに紹介される。
2011年2月、東大阪市の6000社の中で「東大阪市優良企業賞」を受賞。
2012年、「青少年夢応援隊」発足、夢応援の講演に走り続けている。