新・良妻賢母のすすめ「幸せ子育て編」
シンリョウサイケンボノススメ「シアワセコソダテヘン」
「山をも動かす親の愛」をいかに表すか
ヘレン・アンデリン著/岡喜代子訳
こうすれば、あなたの「愛」が子供に伝わる
「子育て、父親の3つの役割、母親の3つの役割とは」「0歳から思春期までの年齢別躾」「全ての子供にある創造性をいかに啓発するか?」など、子育て成功への10章。全米300万部大ベストセラーの著者が贈る第三弾。こうすれば、あなたの「愛」が子供に伝わる。
主な内容
プロローグ 何を目指して子育てしますか?
パート1 「山をも動かす父母の愛」をいかに表すか
1章 子育て、父親の三つの役割、母親の三つの役割とは
2章 子供が尊敬し憧れる親とは
3章 山をも動かす父母の愛をいかに表すか?
4章 いかに子供の否定的感情に対処するか
5章 問題を抱えている子供への上手な接し方
パート2 素直で責任感ある子供に育てる秘訣
6章 子供が幸せな人生を歩むための効果的な躾
7章 より効果的で実践的な躾方とは
8章 0歳から思春期までの年齢別躾
パート3 子供の無限の才能をいかに成長・発達させるか
9章 「意欲」と「適切な訓練」が才能を目覚めさせる
10章 全ての子供にある創造性をいかに啓発するか?

- 価格
- 1980円(本体1800円)
- 判型
- 四六判上製
- 頁数
- 240 頁
- 発行日
- 2007.3.21
- ISBN
- 978-4-87795-114-6
立ち読み
プロローグ 何を目指して子育てしますか?
私たちの生活の中で極めて重要な領域の一つである子育て——そこにおいて親たちは、程度の差こそあれ、多くの問題に直面し、数知れぬ失敗をします。
人として優れ、子供を愛し、子供のために良かれと思って行動している親であっても、必ずしも“良い親”であるとは限りません。
その理由は、子供のことを理解していないからかもしれませんし、子供にきちんとした行動を促す方法がわからないためかもしれません。
いろいろな問題に直面し困惑するものの、そんなときどうしたらいいのか、どこに適切な指導を求めたらいいのか、多くの親が途方に暮れています。
本書は、子供をより立派に育てるにはどうしたらいいかを教えるものです。
プロローグ 何を目指して子育てしますか?
私たちの生活の中で極めて重要な領域の一つである子育て——そこにおいて親たちは、程度の差こそあれ、多くの問題に直面し、数知れぬ失敗をします。
人として優れ、子供を愛し、子供のために良かれと思って行動している親であっても、必ずしも“良い親”であるとは限りません。
その理由は、子供のことを理解していないからかもしれませんし、子供にきちんとした行動を促す方法がわからないためかもしれません。
いろいろな問題に直面し困惑するものの、そんなときどうしたらいいのか、どこに適切な指導を求めたらいいのか、多くの親が途方に暮れています。
本書は、子供をより立派に育てるにはどうしたらいいかを教えるものです。
子育てで成功するために、親がどういう人間であるべきか、どのような家庭生活を作り上げるべきか、どのような基準の献身的世話が求められるか、そして子供との間で築くべき近しい関係について、お話しします。
加えて、素直で責任感のある子供に躾る方法を明確に教えましょう。
子育てにおいて、私たちは何を目指すべきでしょうか? まず、子供が人間関係等、日常生活の大切な分野において幸福で立派にやっていく手助けをしなければなりません。
あらゆる分野で成功するには、親は子供の人間性を育て上げなければなりません。確固として変わることのない倫理的生活規範をもった、責任感のある高潔な人間になるように、性格形成をしなければなりません。
他人の欲求や感情に対して敏感で、洗練されており、礼儀正しく、自己コントロールできる人間になるよう躾なければなりません。
優れた理性と高い集中力、適切な判断力、賢い決断力をもてるように知性を伸ばしてあげなければなりません。自分がやり始めた事をやり抜く自信を与え、自分の事は自分でできる自立した人間になるよう、自助の精神を養わなければなりません。
独自の考えをもち独自の仕事ができるよう創造性を培い、有益な人生を送りたいという熱い思いを抱かせなければなりません。
これらの目標を達成することが、子供にどういう利益をもたらすのでしょうか? 第一に、子供の成功と幸福を確実なものにします。これは何も問題が一切ない人生を送ることがいいという意味ではありません。
たとえ問題が生じても、効果的にそれに対処するだけの力を自己の内に有するということです。社会の重荷になるのではなく(実際あまりに多くの人がそうなっているのですが)、社会を良くし、建設していく人になるのです。
立派な子育てをすることは、子供だけでなく、親も同等に恩恵を受けます。問題児を抱えた親がふつう味わう心配や思い煩い、苦悩を味わわずにすむのです。わが子が立派で幸福な大人に成長していく姿を見て、誇りと満足感を覚えるでしょう。
長年の献身と犠牲に対する報いを享受するようになるのです。子供の成功は親の成功です。「父親の王国」は彼が築く家庭であり、「母親の栄光」は子供たちの幸福なのです。
優れた子供たちが多く出れば、その世代は社会に深遠なる影響を与えるでしょう。悪徳や腐敗、暴力、その他社会問題の大半が取り除かれ、青年たちは建設的な方向に国を築いていくでしょう。私たちの子供たちが、国家の最大の財産となるのです。
宗教指導者、故デイヴィッド・O・マッケイ氏の言葉をここに引用したいと思います。
「わが国の最も貴重な財産は、羊・牛・馬の群を養う広大な放牧地ではない。豊穣な農地でもない。森林でもない。とてつもない富を生み出す鉱山や油田でもない。わが国の最大の資源は、我々の子供たちである」
子育てに成功する可能性は、どのくらいあるでしょうか? 子供の潜在能力を発揮させてやれるのでしょうか? 次の詩を読むと、それはできると感じられます。
彫刻
ある日、一塊りの塑性粘土を取って、
これといった目的もなく、一つの形にした。
指でそれを押すと、粘土はまだ柔らかく、
私の意のままの形になった。
何日も経って、再び目にすると、
その塊りは遂に硬くなっていた。
私が粘土に与えた形そのままで、
もはやその形を変えることはできなかった。
私は一塊りの生きた粘土を取って、
日ごと優しく押していった。
私の力と技で形作ったのは、
幼き子供の柔らかで素直な心だった。
何年も経って、再び目にすると、
私が見上げるような男になっていた。
かつての特徴はそのままで、
彼を変えることはもはやできなかった。
作者不詳
親が子供を形づくる力は、絶大です。性格を形成し、神への信仰を根付かせ、自分を尊く思う気持ちを抱かせ、子供の成功や幸福をほぼ確かなものにすることができるのです。
しかしながら、子供は一塊りの粘土ほど従順ではありません。生まれつきの気性があります。親として成功するかは、子供のもつ個性を認識し、正しい方向に導いてあげるかどうかにかかっています。この他に親には、素晴らしい事を成し遂げる力、子供の内にある最高最善の要素を引き出してあげる大きな力があるのです。
子育てに成功するとは、子供全員について言うのであって、有望な子だけうまくいけばいいのではありません。扱いが難しい子だからしょうがないと言って、その子を放っておくのは重大な過ちです。
うまくいかなかった子供が一人いても、親の期待にかなった子供が他にいることで自分を慰める親もいます。子供の何割がうまく育った、と言って喜んだり悲しんだりするものではありません。子供全員を立派に育て上げなければならないのであって、取り残されたような子がいてはいけません。
親としての役割を果たすには、勤勉と犠牲、そして正しい判断力が必要ですが、子供のために自分の生活を全て犠牲にしなくても子育てに成功することはできるのです。
実際、完全に家庭生活だけに留まるのは、賢いことではありません。子供のためだけに生き、子供を溺愛する親は、良い親ではありません。幅広い、バランスの取れた生活をし、他の事柄にも関心をもち、家庭以外でも貢献する親でなければなりません。
たとえ大家族の中であっても、親がそのような生活を送ることは可能です。子供をきちんと躾ておけば、子供の世話はだんだん簡単になります。
子供が当てにできるようになり、責任がもてるようになれば、実質親は解放され、他の事ができるようになります。子育てが終わる日を待望するのではなく、子育ての一年一年を楽しむことができるのです。
プロフィール
ヘレン・アンデリン(Helen Andelin)
アンデリン夫人の結婚生活における数々の問題に対する深い洞察力とその解決法には、類いまれなものがあります。1960年代初期に、地域の女性たちに結婚生活について教えたのが始まりです。アンデリン夫人の教育によって何万もの女性が生き方を変え、夫婦間の愛が復活し、離婚の危機から救われるという、すばらしい成果が生まれました。歯科医師オーブリー・アンデリン博士の妻であり8人の子供を持つ。
岡喜代子(おかきよこ)
1956年群馬県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒業。出版社勤務を経て、現在はアメリカ・ヨーロッパ滞在経験を活かし、翻訳及び英語教育に携わる。一男一女の母。