今すぐ人間関係が変わる ! 魔法の「共感力」レッスン
イマスグニンゲンカンケイガカワル! マホウノ「キョウカンリョク」レッスン
お客様が動く・上司が動く・彼も彼女も動く!
安東徳子著
共感力からすべては始まる!
長年、人を動かす仕事に就いてきた著者が、その経験をもとに「人は相手に何かを感じた時に動く」というコミュニケーションの原則を明らかにしています。そのための最高のコミュニケーションツールこそ「共感力」です。この力が身につくほど人生はうまくいくし、幸せ感が倍増していきます。もし仕事で人間関係の壁にぶつかっていたら、悩んでいたら、ぜひこの本を開いてみてください。きっと魔法の力「共感力」があなたを助けてくれるはずです。
立ち読み
プロローグ どうして、あの人にひきつけられるの?
どうして、あの人にひきつけられるの?
あなたは、夕飯の材料を買いにスーパーへ行きました。
まず出かけたのは、新鮮な野菜が手頃な値段で買える「スーパーマルナシ」です。そこであなたは、ジャガイモと、タマネギと、ニンジン、そしてカレールーを買おうとしました。
ところが、いくら探しても、ニンジンが見当たりません。
「ニンジンが欲しいんですけど……」
野菜売り場のお兄さんにたずねてみると、
「すみません、今日はニンジンが切れているんです。天候不順で、市場に入ってきていなくて。明日は入ってくると思うのですが」
という答えです。
そこであなたは、近所にあるもう一軒のスーパー「マルキョースーパー」をのぞいてみることにしました。
「マルキョースーパー」も、「スーパーマルナシ」と同じように値段も手頃で、野菜の鮮度もなかなかのお店です。
「ニンジンありますか?」
野菜売り場のお兄さんに声をかけると、お兄さんは、あなたの買い物かごにカレールーとジャガイモ、タマネギが入っているのを見て言いました。
「あっ、カレー作るの? いいよねぇ、暑くなるとカレーが食べたくなるよねぇ。
そっかぁ、カレーを作るんじゃあ、ニンジンは必要だよねぇ。
ごめんねー、今日はニンジン、切れちゃっているんだよ。
あ! じゃあ、今日はいいナスが入ってるからさ、ナスとトマトで夏野菜のカレーなんてどう?」
さて、あなたは明日から、どちらのスーパーで買い物をしますか?
どちらのスーパーでも、ニンジンが買えないことに、変わりはありません。
「スーパーマルナシ」であなたは、
「ニンジンがないなら、今日はカレーは作れないかな」
そう思って、何もお買い物をしなかったのではないでしょうか?
でも、カレーって一度食べたくなると、食べてしまうまで食べたい気持ちがおさまらないものですよね。
だから、ニンジンが買えなかっただけでなく、なんだかものすごく残念な気持ちが、残ってしまったに違いありません。
では、「マルキョースーパー」では?
きっとあなたは、「マルキョースーパー」で、ナスとトマトとタマネギとジャガイモを買って、夏野菜カレーを作ったことでしょう。
「ニンジンは買えなかったけれど、夏野菜のカレーも意外といいかも」
「作ったことがないけれど、おいしくできるといいな」
なんだか元気になって、店を後にしたに違いありません。そして、その気持ちは、夏野菜のカレーを作る時も、「ああ、夏野菜カレーもおいしいな」と思いながらごはんを食べる時も、ずっと続いたことでしょう。
この違いはどこにあるのでしょう?
その秘密は、この本を読み進めるうちにわかります。
ですからここでは、ヒントだけをお教えしましょう。
二軒のお店の一番大きな違い。それは、「マルキョースーパー」のお兄さんが、「ニンジンありますか?」というあなたの言葉から、
「なんでこのお客さんは、ニンジンが欲しいのかな?」
と考えたことにあります。
ここで「なんで?」と考えたことが、この秘密の原点なのです。
世の中には、「マルナシ」さんと「マルキョー」さんの2通りの人がいます。
「マルナシ」さんも「マルキョー」さんも、同じように良い商品を仕入れて、できるだけ求めやすい価格で売るよう営業努力もしています。でも、「マルナシ」さんの経営はあまりうまくいっていません。一方、「マルキョー」さんは、いつも繁盛しています。
この違い、その秘密は、お店に限らず、会社でも、家庭でも、趣味のサークルでも、どんな場所でも場面でも、同じなのです。
目 次
もくじ●今すぐ人間関係が変わる! 魔法の「共感力」レッスン
プロローグ どうして、あの人にひきつけられるの?
この本の使い方
1章 人は共感すれば動く
●「マルキョー」さんの秘密の力
●楽しい人ってどんな人?
●FUNになるとFANになる
●秘密の力「共感力」って?
●2つの力「共感する力」「共感させる力」
●相手に何かを感じた時に人は動く
●感情にフィットしたアプローチが快い
●人は好き嫌いで決めて、後から理由を探す
●「好き」と「共感」は双子の関係
2章 「共感力」で「幸せ感」を倍増
●共感力が身につくと、いいコトいっぱい!
●共感力が身につけば人生がうまくいく
●共感できる人は自分を変えられる人
●共感力があると「幸せ感」は200%
●共感の素は経験の共有
●「あの人には共感できない」その本当の理由
●ラベルの下の真実に目を向けてみる
●共感というプレゼントは、もらう前にあげよう
●あなたはどのタイプ? [共感度チェックシート]
●目指すは『マル共タイプ』!
3章 「5つのステップ」と『感情のパレット』
●共感力を生み出す2つの土壌「感情」と「理性」
●共感に至る「5つのステップ」
●ステップ1「キャッチ」
●ステップ2「分析」
●ステップ3「普遍化」
●ステップ4「置き換え」
●ステップ5「トレース」
●共感力に不可欠な『感情のパレット』
●『感情のパレット』を充実させる
●マル感さんの不得意は?
●マル理さん・マル淡さんの不得意は?
●感情と理性のバランスレッスンで共感力をアップ
4章 ビジネスだけで付き合う相手を動かすには
〜お客様に共感されやすいコミュニケーション〜
●「お客様」との関係は目的がシンプル
●「好き」という気持ちに火をつけることから共感は始まる
●クレームと感情はつながっている
●『プラスのストローク』を送る
●伝えたい内容を感情に届ける5つのボイススキル
●共感を示す5つのフィジカルスキル
●第一印象は9秒で決まる
●100%の「みなり」が大前提
●裸になっても現れる「みぶり」の品格
●「ことば」の力をつける言い換えトレーニング
●向かい合わずに同じ方向を向く
●演技派の役者になって、あいづちをうつ
●感情に理屈をONするから説得力が増す
●言いにくいことが一番言いたいことに変わる
●『金メダルトーク』を大前提に
●「ピーク・エンドの法則」を使おう
5章地位・年齢が上の相手を動かすには
〜上司や先輩に共感されやすいコミュニケーション〜
●職場では理屈を重視すれば共感されやすい
●近い相手ほど理屈が必要な理由
●職場は『パートタイム家族』
●上司は会社の理屈で動く
●苦手な先輩にも『脳みそカメラ』をINしよう
●「若いですね」は褒め言葉じゃない
●相手の魅力を見つける『ハートの色眼鏡』
●心を通わせる『スキップトーク』とは?
6章 地位・年齢が下の相手を動かすには
〜同僚や後輩、部下に共感されやすいコミュニケーション〜
●若い人たちに共感してもらうには?
●後輩や部下に失望しやすいのはなぜ?
●空気を読むことと共感は、こんなに違う
●身近な人ほど、空気を読んではいけない
●「正しいこと」と「言ってよいこと」の違い
●相手のリアクションが変わる3つのステップ
●相手を自分から動かすためには
●『ベンチの人』になって見守ってあげる
●ビジョンを見せてあげよう
7章 共感力で人間関係が今すぐ変わる!
●『感働』すると感動する
●人を動かすには自分が変わることから
●共感力を使う仕事は人にしかできない
●共感力を一言でいうと、じつは……
●共感力は人を動かす根本の力
●共感力を引き出す『EC』は魔法のメソッド
エピローグ いつものあなたを少し変えることから