改訂版 幼児はひらがなより漢字で6倍伸びる
カイテイバン ヨウジハヒラガナヨリカンジデ6バイノビル
小学校に上がってからでは遅い! 石井式漢字教育
石井 勲著
漢字絵本で遊びながら、みるみる言葉の力が伸びる
全国約700の幼稚園・保育園で実践する「漢字学習」。著者は長年の教育実践の中で、幼児期こそ「漢字学習」の最適齢期と確信。幼児期の漢字教育による学習効果は6倍以上にも達するという驚くべき実践結果も。漢字は、一字一字が明確な意味をもつ“見る言葉”であり、漢字教育とは、漢字という道具を用いた「言葉の学習」でもある。
主な内容
1 「漢字」で幼児の脳がみるみる伸びる
2 漢字で見違えるほど成長/現場からのレポート
3 家庭でも「漢字」で子どもが驚くほど伸びる!!
4 幼児期からの漢字学習こそ二十一世紀の教育

- 価格
- 1430円(本体1300円)
- 判型
- 四六判
- 頁数
- 192 頁
- 発行日
- 2014.4.14
- ISBN
- 978-4-87795-286-0
立ち読み
「幼児のうちから漢字を教えるなんて、早すぎる」
「詰め込み教育はよくない」
思えば、「石井式漢字教育」の歴史は、こうした世間の“誤解”や“偏見”との戦いの歴史とも言うことができます。ひらがなならまだしも、いきなり難しい漢字を与えて、幼児に理解できるはずがない、というわけです。
しかし、そもそも、幼児にとって本当に漢字は、ひらがなより難しいものなのでしょうか?
確かに漢字は、ひらがなより複雑な形をしています。しかし、実際に試してみればわかることですが、その複雑さが学習のネックとなるのは、あくまでも“書く”ことを前提とした場合であって、実は“読み”だけなら、形に特徴のある漢字のほうがずっと覚えやすいのです。
「幼児のうちから漢字を教えるなんて、早すぎる」
「詰め込み教育はよくない」
思えば、「石井式漢字教育」の歴史は、こうした世間の“誤解”や“偏見”との戦いの歴史とも言うことができます。ひらがなならまだしも、いきなり難しい漢字を与えて、幼児に理解できるはずがない、というわけです。
しかし、そもそも、幼児にとって本当に漢字は、ひらがなより難しいものなのでしょうか?
確かに漢字は、ひらがなより複雑な形をしています。しかし、実際に試してみればわかることですが、その複雑さが学習のネックとなるのは、あくまでも“書く”ことを前提とした場合であって、実は“読み”だけなら、形に特徴のある漢字のほうがずっと覚えやすいのです。
しかも、幼児期というのは、人間の一生涯でいちばん記憶力にすぐれた時期ですから、大人のように努力しなくても、一日に一字や二字の漢字ならば、遊びの延長として楽しみながら、らくらく覚えてしまいます。
そして、さらに重要なことは、漢字はひらがなと違って、一字一字が明確な意味をもつ、目で“見る言葉”だということです。ですから、幼児にとって身近な言葉から、漢字で示しながら教えてあげますと、ただ耳で言葉を聞く以上に、しっかりと記憶に残り、語彙として定着させることができます。
つまり、漢字教育とは、漢字という道具を用いた「言葉の学習」でもあるのです。
ご存じのように、言葉というのは、理屈で物事を理解したり、自ら考える力のいちばん基礎となるものです。ですから、幼児期に、漢字を通して言葉を豊かにしておいてあげれば、お子さんの知能は、ひとりでにぐんぐん伸びていくのです。そしてまた、言葉の豊かさや漢字力は読書力にもつながるため、積極的に本を読んで自ら知識を深めていける子ども、感受性豊かな子どもに育っていきます。
今、学校教育の現場では、学級崩壊や学力低下、いじめ、すぐ「キレる」子どもたち、そして凶悪化する少年犯罪など、さまざまな問題を抱えていますが、こうした問題の根底にも、子どもたちの言葉の力というものが深く関わっていると思われます。
戦後の学校教育で、読み書きや漢字学習が軽視され続けてきたうえ、仕事をもつお母さんが増えたことなどにより、幼児期に欠かせない子どもへの語りかけも減り、今の子どもたちは、語彙がたいへん貧弱になっています。不快なことは何でも「ムカつく」の一語で済ませてしまう風潮も、そうした言葉の貧しさの現れと言えるでしょう。
これでは、学力はもちろんのこと、言葉によって、自分の考えや気持ちを表現したり、他人を深く理解し、互いの意思の疎通をはかる、といった人間としての基本的なコミュニケーション能力にも大きな支障が生じるのは、むしろ当然のことなのです。
また、最近は、小学校に上がっても、授業中もきちんと席に着いて先生の話を聞けない子どもが増え、それが学級崩壊の急増した要因ともいわれています。
ところが、石井式漢字教育で育った子どもたちは、黒板やカードに書かれた漢字を次々と目で追い、くり返し読むことで、自然に素晴らしい集中力が培われます。三歳児の頃から、大声を張り上げなくても、先生の話を集中して聞くことができるようになるのです。
こうしたことからも、今ほど、漢字教育というものが必要とされている時代はないのではないでしょうか。
そして幼児期は、暗記能力がもっとも高い時期であるばかりでなく、大脳が飛躍的に発達し、言葉をもっとも吸収しやすい時期でもあります。
そうした面から、漢字教育は、まさに幼児期こそが最適齢期であり、小学校に上がってからでは遅すぎる、ということができます。
本書では、家庭でも簡単に実践できる石井式漢字教育に基づく漢字学習の方法についても詳しく紹介してあります。
それをもとに、一人でも多くのお母さんが、お子さんと一緒に楽しく漢字学習をはじめていただければ、これにまさる喜びはありません。
プロフィール
石井 勲(いしいいさお)
教育学博士。大正8年,山梨県に生まれる。
大東文化学院(現・大東文化大学)卒業後、応召。戦後、高等学校教諭として初めて教壇に立つ。その後、中学校、小学校の教諭を勤める。小学校教諭時代に「石井式漢字教育指導法」を次々と発表。
昭和45年以降、大東文化大学幼少教育研究所所長。続いて同大学付属幼稚園園長を歴任。その頃、東京・恵比寿に石井式国語教育研究会を設立し、会長を務める。
昭和48年「第6回世界人類能力開発会議」(グレン・ドーマン博士主催)で金賞受賞。平成元年、第37回菊池寛賞受賞。その後、松下政経塾講師、日本漢字教育振興協會理事長、国語問題協議會副会長なども歴任。