気絶するほど「ほめる子育て」
シンソウバン キゼツスルホドホメルコソダテ
現場カウンセラーが教える 子どものほめ方のコツ—上手な子育てQ&A
高橋愛子著
「ほめて育てる」ことこそ、子育ての基本です。子どもは、大好きな親から、長所も短所もある自分をあるがままに受け入れてもらい、ほめ言葉をかけてほしいのです。それによって、お母さんに愛されている、支えられていると実感できるのです。成長段階に応じた上手なほめ方、こんなときどうする・上手な子育てQ&Aなど
主な内容
1章 子どもを伸ばすほめ方、ダメにするほめ方とは
2章 どうしたら“ほめる力”が身に付くか
3章 親子の絆が思春期を決める
4章 こんなときどうする・上手な子育てQ&A
- 価格
- 1430円(本体1300円)
- 判型
- 四六判
- 頁数
- 216 頁
- 発行日
- 2005/5/30
- ISBN
- 4-87795-073-7
立ち読み
子どもに生きる力を与える
「がんばってね」「いい子だね」「お利口ね」「えらいわね」
私たち親は、子どもを励ますつもりで、こんなほめ言葉をよく使います。しかし、どれも、子どもがいいことをしたと評価している間違ったほめ方なのです。これでは、子どもの心に生きる力や困難を乗り越えるエネルギーを与えてあげることはできません。
不登校になりかけていたA子ちゃんは、エネルギーを失いかけながらも何とかがんばって通学していました。そんなA子ちゃんにとって、お母さんの「がんばってね」という言葉は、ますます自分を追いつめることになりました。
子どもに生きる力を与える
「がんばってね」「いい子だね」「お利口ね」「えらいわね」
私たち親は、子どもを励ますつもりで、こんなほめ言葉をよく使います。しかし、どれも、子どもがいいことをしたと評価している間違ったほめ方なのです。これでは、子どもの心に生きる力や困難を乗り越えるエネルギーを与えてあげることはできません。
不登校になりかけていたA子ちゃんは、エネルギーを失いかけながらも何とかがんばって通学していました。そんなA子ちゃんにとって、お母さんの「がんばってね」という言葉は、ますます自分を追いつめることになりました。
不安をいっぱい心に抱えながらがんばっているA子ちゃんに向かって、小さな努力でも、お母さんが「よくできたね」とほめてあげていたら、A子ちゃんの心にはどんなに大きな力が湧いてきたことでしょう。
私たち親が知らずしらずに使っているほめ言葉は、子どもにとっては、自分が評価されていると感じて萎縮してしまう言葉になっていることが多いものです。「いい子にしていないと自分は捨てられるのではないか、お母さんに嫌われるのではないか」と子どもは感じているかもしれません。
ですから「ほめない子育て」こそ子どもの自主性を育てるという考え方もあります。しかし、果たしてそうでしょうか。それは、私たち親が、ほめ方を間違えているだけなのです。
本当は、ほめることによってこそ、親の喜びや愛情を子どもに伝えることができるのです。はっきり言えば「ほめて育てる」ことこそ、子育ての基本なのです。
子どもは、大好きな親から、長所も短所もある自分をあるがままに受け入れてもらい、「あなたが大好きよ」「あなたがとっても大事」「お母さんは、どんなときでもあなたの味方よ」というほめ言葉をかけてほしいのです。それによって、自分はお母さんに愛されている、支えられていると実感できるからです。
つまり、ほめるとは、親から子どもへ愛情を伝える素晴らしい表現方法なのです。
……(中略)……
子どもの気持ちをそのまま受け入れ、存在そのものを気絶するほど思いっきりほめてあげれば、それだけでも子どもは生きる力を得ることができるのです。
この本では、子どもの心が育つ過程を確認しながら、それぞれの成長段階に応じた上手なほめ方についても取り上げていますが、こうした成長期にある子どもにとっては、とくにそうしたほめ言葉が草花の根に養分を与え、芽を育てるような大きな力をもっているのです。
でも、ほめてばかりいたら、子どもがわがままになり、だめになるのではないかなどと心配しないでください。今の子どもたちは、親の心からの愛情を確認できる機会が少なすぎます。あまりにも「大好きよ」とほめられることが少なすぎるのです。
お母さん、そしてお父さん、お子さんの気持ちをしっかり受けとめながら、ほめ言葉でご家庭をいっぱいにしてください。それだけでも、間違いなくお子さんの目の輝きが変わってくることを実感されるでしょう。
プロフィール
高橋愛子(たかはしあいこ)
昭和13年東京生まれ。三男一女の母親。慶應義塾中等部から慶應義塾大学経済学部卒業。昭和58年に「高橋愛子家庭教育研究所」を設立。家族が笑顔を取り戻す「心の相談室」を主宰。引きこもりや家庭内暴力等にも取り組む。家庭学級、保育園、学校、各種団体、企業等で教育講師、講演者として活躍。『たけしの日本教育白書』『太田光の私が総理大臣になったら』などTV主演も多数。主な著書に『頭がいい親の上手な叱り方』(コスモ21)『甘えさせると子どもは伸びる』(PHP新書)他がある。