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これがわかれば夫婦はぜったい仲良くなれる賢い人の言い方・伝え方

コレガワカレバフウフハゼッタイナカヨクナレルカシコイヒトノイイカタ・ツタエカタ

夫婦カウンセリング20年/妻の心と夫の心、なぜこんなに違うの?

吉岡愛和著

互いの言葉で傷ついている夫婦が多い!

『いつの間にか会話らしい会話が無くなって…」。離婚も念頭に著者のカウンセリングルームを訪ねた夫婦が口にする言葉。もともとは、何気ない一言に傷ついたことに端を発していることも少なくない。夫婦のきずなを育てるために、夫婦だから知っておきたい賢い言い方・伝え方10カ条、楽しい会話がよみがえる5つのステップを伝授する。

主な内容

Ⅰ 夫婦の心が離れる”きっかけ”に気づいていますか?
Ⅱ 妻と夫の心がもっと近づく賢い言い方・伝え方
Ⅲ 夫婦のきずなは”個人の結びつき”だけではない!
Ⅳ 母から娘、息子に伝えたい結婚生活の心得

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これがわかれば夫婦はぜったい仲良くなれる賢い人の言い方・伝え方
価格
1540円(本体1400円)
判型
四六判
頁数
168 頁
発行日
2015.6.10
ISBN
978-4-87795-314-0

立ち読み

はじめに


☆「いつの間にか会話らしい会話が無くなって……」

 私は縁結びの地として有名な出雲の地で20年、カウンセラーとして1000組以上のご夫婦と出会ってきました。離婚するしかないかもしれないという瀬戸際でカウンセリングルームに入って来られるご夫婦がほとんどです。いつも、どんなに妻と夫の心がきずなが壊れそうでも、ともに生きていく道があるはずだと信じてカウンセリングに臨んでいます。

 はじめは、とても緊張されていて表情は堅いままです。そこで、出雲の話をしたり、私の家庭の話をしたりして雰囲気を和らげながら、少しずつ夫婦の話題に入っていきます。

「カウンセリングルームに来られる途中、お二人でいろいろお話をしながら来られたんですか」とたずねると、皆さま、ほとんど言葉を交わさないままだったとおっしゃいます。

「今はお二人の関係がうまくいっておられないから仕方ないでしょうが、以前はご夫婦で楽しく会話をされていたんじゃないですか」

とたずねると、

「いつごろからかわかりませんが、気づいたら二人で会話らしい会話はしなくなっていました」

と言われます。そうは言っても、

「朝起きたら『おはよう』と声をかけたり、出かけ際に『行ってきます』『行ってらっしゃい』と言葉を交わしたりすることはあるんじゃないですか」

とたずねると、

「そんなことも、だいぶ前からありません。それでも何となくやってくることはできていたんですが」

とおっしゃいます。

☆「言われたことがずっと心に引っかかって……」

「でも、心は苦しかったんですね。いつごろからですか、ご夫婦の会話が少なくなったのは」

とたずねると、

「お互いに忙しかったし、とくに話すこともなかった。それに、話すとケンカになるので避けていた」

という話が出てきます。

 それでも大切なことは話さなかったんですかとたずねると、じつは夫から、妻からこんなことを言われたことがある、それ以来、話すのが嫌になったという答えが返ってくることが多いのです。

 言った側は忘れていて、「そんなこと考えてもみなかった」と驚きます。そして、

「軽い気持ちで言っただけ」

「冗談で言っただけだよ」

「感情が高ぶってつい口から出てしまって」

と言い訳します。しかし、離婚を考えるまで深刻にならないとしても、言われた側の心にはずっと引っかかったままになっているのです。

 こうしたことは、どんな夫婦の会話にも起こりやすいものですが、そのままにしておくと向き合って言葉を交わすことを避けるようになります。気づいたら、ほとんど会話のない夫婦になっています。

 カウンセリングで会話ができないほどこじれてしまったご夫婦を目の前にすると、いつも思うことがあります。

 もっと普段から夫婦の会話を大切にしていたら、二人の間に生じた不和の芽をもっと小さなうちに摘み取ることができたにちがいないのにと。

 どんなに素敵な夫婦でも人生をともに歩んでいくうちにはいろんな難題が降りかかってきます。そのとき、いちばん求められるのは、それでも二人で話し合いながら乗り越えていく夫婦のきずななのです。

☆「普通に会話できる夫婦になることがこんな難しいとは」

 私たち日本人には文化的に、夫婦なんだから言わなくてもわかるだろう、わかるでしょうという感覚があります。そのためか、夫婦の間でモノを言うとき、伝えるときの言葉遣いにもあまり気くばりしない傾向があるように思います。

 家の外に一歩出れば、何かと相手に気を使い、言葉遣いにも気くばりします。それなのになぜか、家庭の中ではパートナーに思いやりのない言葉を平気で使ってしまったり、二人の会話をないがしろにしてしまったりしがちです。そのために、パートナーが密かに傷ついても、心が通い合わずに寂しい思いをしていても気づかないまま過ごしてしまいます。

 カウンセリングのなかでこのようなお話をしますと、

「家庭を支えていくには、仕事をしなければならないし、子育てや家計のやり繰りもしなければならない。だから、そこまでいちいち気にしていたら家庭生活なんか続かない」

とおっしゃる方もいます。

 しかし、どんな人間関係よりも互いのきずなを感じて幸せになりたいと願うのが夫婦です。それなのに二人の間に温かい会話がないとしたら、どんなに寂しくて辛いことでしょう。

 私たち人間は、この地球上の生物で唯一言葉を使う存在です。その言葉によって互いのコミュニケーションをはかり、豊かな文化や文明を築き上げてきました。それくらい言葉は大きな力をもっています。

 夫婦関係においても、この言葉の力が大きく影響します。ところが、そのことが自覚されていないと、夫婦で会話することが軽んじられたり、会話のない日常をそのまま過ごしたりしやすいのです。

 そのくせ、「あなたには私の気持ちなんかわからない」「お前には俺の気持ちは理解できない」と心の中で相手を責めてしまいます。これでは、妻の心と夫の心は離れていくばかりです。

「何気ないことで楽しくおしゃべりする。顔を合わせたら明るくあいさつを交わす。そんな普通に会話できる夫婦になることがこんな難しいことだとは思わなかった」

 これはカウンセリングで何度となく聞いた妻たちの寂しい告白です。おそらく、そんな思いを抱く妻が、あるいは夫が日本の家庭に増えているように思えてなりません。どうして、こんなことになっているのでしょうか。

☆夫婦だからこそ知っておきたい賢い言い方・伝え方

 私がカウンセリングをしていて感じるのは、夫婦が交わす言葉がいかに二人のきずなに大きく影響するかが理解されていないことです。また、女性と男性の本質的な違い、妻の心と夫の心の違いを理解していないために、夫婦の間で交わされる言葉が相手の心に届いていなかったり、かえって相手の心を傷つけたりしていることです。

 ですから、カウンセリングでは、夫婦のきずなを育てるために、夫婦だからこそ知っておきたい賢い言い方・伝え方についてお話ししています。それには、女性と男性の本質的な違いについて理解しておくことが大切であることもお伝えしています。

 その内容は本文でお話ししますが、同じ女性として妻がすぐに使える賢い言い方を一つ紹介してみます。それは、夫にかける言葉の語尾をこんなふうにちょっと変えてみることです。

・「やって」⇒「やっていただけないかしら」

・「食べる?」⇒「食べますか?」

・「どうする?」⇒「どうしますか?」

・「買ってよ」⇒「買っていただけないかしら」

 たったこれだけです。それでも、きっとご主人の反応は違ってきますよ。試してみてください。

 これから本書で紹介することはすべて、私が20年にわたってカウンセリングで1000組以上のご夫婦と出会い、そのなかでともに学んできたことです。それらを皆さまにお伝えすることで、日本中に笑顔が絶えないご夫婦、幸せなご夫婦が増えるお手伝いができれば、これ以上うれしいことはありません。

目 次

これがわかれば夫婦はぜったい仲良くなれる 賢い人の言い方・伝え方◎もくじ

はじめに

☆「いつの間にか会話らしい会話が無くなって……」

☆「言われたことがずっと心に引っかかって……」

☆「普通に会話できる夫婦になることがこんな難しいとは」

☆夫婦だからこそ知っておきたいモノの言い方・伝え方

Ⅰ 夫婦の心が離れる”きっかけ”に気づいていますか?

@互いの言葉で傷ついている夫婦があまりに多い

@「あの一言は絶対に許せません」

@無視されてばかり、否定されてばかりで話す気にならない

@女性と男性の特性を知らないと会話はかみ合わない

☆結婚前後で感じ方、考え方は異なる

☆パートナーの「なぜ?」と思うところ

【妻から見た夫の「なぜ?」】/【夫から見た妻の「なぜ?」】

☆パートナーに嫌だと感じる言動

【妻から見た夫の嫌な言動】/【夫から見た妻の嫌な言動】

☆離婚まで考える妻と夫の言い分──相手の未熟さは目につくもの

【妻が離婚を考える理由】/【夫が離婚を考える理由】

☆妻に、夫にしてほしい15のこと

【妻が夫にしてほしいと思っていること】/【夫が妻にしてほしいと思っていること】

@もっと男と女の違いを確認しておきましょう

@夫婦の会話には二人の性の営みも影響している

☆会話も性の営みも夫婦の信頼や愛情を育むもの

☆妻が知らない男性の性

☆夫が知らない女性の性

Ⅱ 妻と夫の心がもっと近づく賢い言い方・伝え方

@本来、女はおしゃべり、男は無口と認識しておきましょう

@互いの名前に「さん」を付けて呼んでみましょう

@女性から話しかけるほうがうまくいきます

1 言葉をかけるときは少し高めの明るい声を意識する

2 ほめ言葉、感謝の言葉を増やす

3 語尾を変えるだけで素適な言葉に変身

4 最後の結論や決定を夫に委ねる言葉遣い

@自然に会話を交わせる環境づくりも必要です

☆環境を変えてみると会話しやすくなる

☆夫婦の寝室を同じにすると会話の機会が自然に増える

@夫婦カウンセリング20年で実証

 [楽しい会話がよみがえる5つのステップ]

Step1☆幸せだな、楽しいなと感じたことを書いてみる

Step2☆パートナーの素適だな、素晴らしいなと思うところを書いてみる

Step3☆ほんとうはどんな夫婦になりたいのかを書いてみる

Step4☆二人がそれぞれ努力すべきことを書いてみる

Step5☆パートナーにラブレターを書いてみる

@まずはあなたから明るいあいさつを

@感情にまかせて言葉をぶつける前にひとまずその場を離れる

@妻と夫の心が近づく賢い言い方・伝え方10カ条

Ⅲ 夫婦のきずなは”個人の結びつき”だけではない!

@100%離婚しないカップルを誕生させる仲人さんのとってもいいお話

@夫婦円満6つの秘訣

1「己の身の丈を知る」

2「結婚は互いを育て合っていく人生の入口」

3「結婚する二人の出会いは奇跡中の奇跡」

4「お金と男女問題で恨みを残してはいけない」

5「口は災いの元。小さなことは見ざる、聞かざる、言わざる」

6「愛情があってこそ夫婦という男女の縁が子孫につながる」

@自分の好みだけで○×を付けてはいけない──動機を誤ると修正が大変

▽高学歴でかっこいい二人だったのに……

▽二人とも同じ医師なので理解しやすいと思ったのに……

▽お金持ちの夫と30年過ごしたが……

▽同じ職場同士で気心が知れていると思ったのに……

コラム  両家の親は若い夫婦の応援団

Ⅳ 母から娘、息子に伝えたい結婚生活の心得

@危機は結婚して数年でやってきます

1 妊娠中の夫の不倫

2 二人の間に愛情を感じなくなった

3 妻の暴言がひどくて耐えられない

4 性生活に対する思いがかみ合わない

5 結婚後、夫の態度が急変した

6 妻がこんなにヒステリーだったとは……

7 夫の借金・ギャンブル・暴力がひどすぎる

8 会話が成り立たない

9 感じ方、考え方の違いが大きすぎて……

10 妻の実家通いが多すぎて……

@先輩夫婦に学ぶ──仲良し夫婦がやっていること

【夫がやっていること】

【妻がやっていること】

@男女平等と夫婦関係を混同してはいけない

1 夫婦でも人間としては未熟であると自覚しておきましょう

2 結婚生活を上手に営む知恵を常に学びましょう

3 仲良し先輩夫婦の姿を見て学びましょう

 

おわりに

プロフィール

吉岡愛和(よしおかあいわ)

愛和家庭教育アカデミー所長。

東京立正短大英米学科卒。貿易会社でセクレタリーとして勤務後、結婚を機に退職。3代の夫婦が同居する家に嫁ぎ、3人の子どもとともに4世代、9人家族のなかで嫁として、妻として、母として生活。1992年より英会話スクール、フリースクール(不登校児、発達障害児、知的障害児を対象)を開設。同時に専門的にカウンセリング学を学び、家庭教育の重要性に注目し、国際比較データをベースにした国際家庭教育アカデミーを設立。家庭教育のための各種セミナーや講演、執筆、カウンセリングをはじめ、家庭教育カウンセラーの育成も行なっている。