ひとりぼっちで泣いている自分を抱きしめる言葉 「死にたい」ことは「生きたい」こと
ヒトリボッチデナイテイルジブンヲダキシメルコトバ 「シニタイ」コトハ「イキタイ」コト
咲セリ著
伝えたい言葉はたった3つだけ
かつては、ひとりぼっちで死ぬしかないと思っていた著者から
本当はひとりぼっちで泣きそうなあなたへ
生きることに苦しみ、「死にたい」当時者であったカウンセラーと、
今、「死にたい」ほど生きることがつらい相談者との間に交わされる
「命」の言葉のやり取りを綴ったメッセージブック
今でこそ、毎日、楽しく、未来に希望を持っていますが、
そのころは、死ぬことだけが、唯一、
しあわせになれる道だと追い詰められていたのです。
だからこそ、相談者さんの心の痛みがわかり、
共鳴し、本当に必要としている言葉を
さしあげることができるのではないかと思うのです。
(はじめにより)
ひとりぼっちで泣いている、心の中の「ちいさな自分」を、
ひとりじゃないよと抱きしめてくれる言葉に出会える
もし、あなたの中に死ぬほどつらい自分がいたら、
その言葉が抱きしめてくれるかも——
「死にたい」ことは「生きたい」ことの裏返し
- 価格
- 1540円(本体1400円)
- 判型
- 四六判
- 頁数
- 176 頁
- 発行日
- 2022.4.26
- ISBN
- 978-4-87795-412-3
立ち読み
はじめに―「死にたい」気持ちと、どう向き合うか?
「死にたいです」
「何もかも、いやになりました」
「こんなとき、セリさんなら、どうしますか?」
私のもとには、365日、24時間、切羽詰まったそんな相談が届きます。
私は、精神科医ではありません。
小さなカウンセラーの資格は持っていますが、おそらく、みなさんが私に連絡をくれるのは、そのせいではないでしょう。
私が、「死にたい当事者」だったから。
そして、今、そこからわずかながら抜け出し、しあわせを感じて生きているから。
かつて、私は死にたくてどうしようもなかったとき、自分を「世界で一番いらない人間」だと思い込んでいました。
自分がいることで、世の中を不幸にしていると、自己否定感に飲み込まれていました。
今でこそ、毎日が楽しく、未来に希望を持っていますが、そのころは、死ぬことだけが、唯一、しあわせになれる道だと追い詰められていたのです。
だからこそ、今、相談者さんの心の痛みがわかり、共鳴し、本当に必要としている言葉をさしあげることができるのではないかと思うのです。
「本当に必要としている言葉」とは、人それぞれです。
だけど、誰ひとりとして、「死ぬなんて言っちゃだめ!」と、お説教をされたいわけでも、くたびれて前を向く力もないのに、今すぐに具体的な行動を促されたいわけでもないでしょう。
少なくとも、私は、そうでした。
ただ、「つらかったね」って言ってほしい。
話を聞いてほしい。
抱きしめて、なでなでしてほしい。
だから、私は、相談をくださった方の言うことに、けっして、否定も無理強いもしません。
「死にたい」と言っても。
「リストカットをした」と言っても。
「暴れてしまった」と言ってもです。
私が伝えることは、3つだけ。
・つらかったですね
・そんなにつらいのに、連絡をくれて、ありがとう
・そして、今、生きてくれて、ありがとう
自分のつらさを否定されない、認めてもらえるとわかると、ガチガチになっていた心が、すこおし開いてくれます。
そして、なぜ、そんなに追い詰められてしまっているのか、自然と、話し始めてくれるのです。
やがて話しているうちに、不思議なもので、みなさん、どんどん穏やかになっていかれます。
苦しみの根っこに気付き、「だから、私はつらかったんだな」と、自分を抱きしめてあげられるようになるのです。
かつて、何度も、死のうとしたとき、私は、ひとりぼっちでした。
もしも、ただ、話を聞いてくれる人がいたら――。
そばにいて、「大丈夫だよ」と言ってくれる人がいたら――。
私は、きっと、心まで病まなかったと思うのです。
だから、私は、あのころの私にとっての「誰か」になりたいのです。
相談者さんが、少しずつ落ち着いてこられたら、決まって私は言うことがあります。
何か、あたたかいものはありますか?
紅茶でも、お茶でも、スープでも。
お湯をわかして、ほっと一息、ついてくださいね。
ご自身を、癒してさしあげてください。
何かあれば、何もなくても、また連絡ください。
私は、ここにいますよ――と。
この本は、今、生きることが死ぬほどつらいあなたへ向けた、命のメッセージブックです。
「死にたい」こと。
実は、それは、「より良く生きたい」という気持ちの裏返しだと、私は思っています。
救われたい。
楽になりたいからこそ、心がSOSを出してくれているのです。
もし、あなたの苦しみが、すべて消えてなくなるのなら――
楽しいこと、しあわせなことが、あなたを包み込んでくれるのなら――
「生きていってもいい」。
そんなふうに思わないでしょうか?
この本を読むことで、同じような苦しみを抱える方とつながり合い、死にたいほどつらい自分を手放すきっかけになればと、強く願います。
大丈夫。
この本を開いた時点で、あなたは、救いの道を一歩、踏み出されています。
目 次
ひとりぼっちで泣いてる自分を抱きしめる言葉 「死にたい」ことは「生きたい」こと ……もくじ
はじめに―「死にたい」気持ちと、どう向き合うか?
1章 私が、「相談する側」にいたときのこと
――ひとりぼっちに差し伸べられた、見ず知らずの手
信じてくれる人を信じてみる
本当の親じゃなくても、愛はもらえる
世界はやさしい
2章 「死にたい気持ち」は悪いことじゃない
「死ぬことしか考えられない」
――定期的に「死にたい」「消えたい」がやってくる女性
「死にたいという子どもに何ができるのか」
――キレる娘を持つ父親
「死にたいほど苦しい恋愛から抜け出せない」
――DVをされても不倫をやめられない女性
「死にたいと思うと、自分を止められない」
――自分をコントロールできず暴れたり自傷したりしてしまう女性
「死にたいと、自分が思わせているのでは?」
――役に立てないと自分を責める、精神科の看護師の男性
☆認知の偏り十パターン
「理由はわからないけど、死にたい」
――寝たきりなのに、がんばらなきゃと思っている女性
3章 「生きやすくなる魔法」は実はシンプル
「自己肯定感が持てず、自分を愛せないのですが……」
「生きづらい人間同士の恋愛はやめたほうがいいのでしょうか?」
「何もかも投げ出しそうなとき、どう乗り越えましたか?」
「些細なことで感情が爆発する自分をどうしたらいいですか?」
「パートナーを傷つけてしまったとき、どうすればいいですか?」
「たった一キロ体重が増えただけで死にたい! おかしい?」
「外に働きに出られない。仕事はどうすればいいのでしょう?」
「『死にたい』と言われたとき、どうすればいいのでしょう?」
「本当に限界のとき、どうすればいいのでしょう?」
4章 ひとりぼっちだった私へ ひとりぼっちのあなたへ
「死にたい」
そこで、提案です
あとがき