topbanner

総合出版 コスモ21

頭にいい、体にいい、楽しい本満載!

  • TOP
  • 学習
  • 認知科学でネイティブ感覚の英語脳をつくる

認知科学でネイティブ感覚の英語脳をつくる

ニンチカガクデネイティブカンカクノエイゴノウヲツクル

なぜ日本人は英語を喋れないのか?

前田なお著

覚える英語から、理解し感じる英語へ

なぜ、日本人は何年も英語を勉強しているのに話せないのか?

学校で何年間も英語を学び、単語を覚え、文法を勉強してきたはずなのに、実際には英語が話せない。多くの英語学習者が、この矛盾とストレスを抱えています。

「英語を聞き流せばいい」
「会話表現を丸暗記すればいい」
「TOEICで高得点を取れば話せるようになる」

世の中には様々な英語学習法があふれています。しかし、実際にはほとんどの人が英語を喋れないのはなぜか? 英語学習の方法そのものが間違っているからです。本書はそのことを認知科学の観点から解き明かし、さらに誰でも英語が喋れる学習方法を紹介しています。

長年、英語を学習してきた日本人が英語を習得するには何が必要なのか
ネイティブの「英語の感覚」とは何か

を体系的に解説します。

本書の目的は、単なる文法暗記ではなく、
ネイティブの思考プロセス=「英語脳」をインストールすること。

英語を

「覚えるもの」
ではなく
「理解して使うもの」
として学び直すことで、英語はストレスなく習得できるようになっています。

そのために、本書では「認知科学から見た言語習得の仕組み」と「日本の英語教育の問題点」を解明しています。そのうえで、「ネイティブの思考構造(メンタルフレーム)」「英語を話すための文法の本質」を、専門用語を極力使わずわかりやすく解説しています。

英語が苦手な人でも読み進められるよう配慮しながら、
英語上級者にも新しい発見がある内容です。

TOEICや試験対策のための本ではありませんが、本書で英語の本質を理解すれば、結果として試験の点数も伸びるでしょう。

遠回りの勉強を終わらせ、最短ルートで英語を習得するための一冊です。

主な内容

第1章 認知科学から見た英語習得の仕組み
第2章 認知科学による英文法の感覚の習得
第3章 話すための英文法
付録 強調・疑問・否定

詳細な目次のページを開く

認知科学でネイティブ感覚の英語脳をつくる
価格
1870円(本体1700円)
判型
A五判
頁数
192 頁
発行日
2026.4.3
ISBN
978-4-87795-447-5

立ち読み

はじめに

本当に話せるのか見通せないストレス

 日本人はそのほとんどが長年、英語を勉強している。なのに、そのほとんどが英語を話せない。

 多くの人が学校で英語を勉強した際に、細かい文法規則、文法用語、単語、表現などを意味もわからず暗記した苦い経験があるのではないだろうか。意味のわからない丸暗記。これはストレスでしかない。にもかかわらず、英語は話せるようにならない。それでも英語を習得したい人たちは様々な俗説や方法論の中で英語を勉強する。

 事実として日本人がなぜ英語が喋れないのかということに関しては、世間には様々な俗説が溢れている。

「日本語は英語とはとてもかけ離れた言語なので、日本人が英語を習得するのは大変である」

「実は日本で教えられている文法は古い文法である」

などなど、様々な説を聞いたことがないだろうか。

 また、どうしたら英語を喋れるようになるのかということに関しても様々な方法論が溢れている。

「英語を聞き流せば良い」

「会話で必要な表現を覚える」

などなど。

 しかしこの本を読んだらすぐにわかるのだが、そのような方法論の多くが、少し認知科学を学んでみると、そんな方法では絶対に喋れるようにならないものだと断言できるだろう。

 英語学習者のほとんどは、どの説、どの方法論が正しいのかわからないというのが正直なところなのではないだろうか。そしてこれが、英語学習者が最初に感じるもう一つのストレスだろう。

 そのような何が正しいのかわからない状況で誰かの主張する英語習得法を試してみる。しかし、いくらやっても喋れるようにはならない。そこで、また別の方法を試してみるが、やはり喋れるようにはならない。

 そうしているうちに段々と諦めの境地に入り、やはり海外で暮らさないと喋れるようにはならないなどと考え始めてしまい、英語コンプレックスを感じるようになる。わざわざ自分にストレスをかけて、コンプレックスを育てる。日本における英語学習者の一つの姿はこんなところではないだろうか。

 英語学習にはさらにストレスポイントが存在する。それは英語を学び始めても、自分が本当に話せるようになるのかが見えないというストレスだ。目的地が見えない航海は、それだけで人間に強い負荷をかける。その結果、その中で多くの人は目的をTOEICや英検にすり替える。点数を取れば達成感は得られるから。でもこれは目的をすり替えているだけだ。結局、英語は喋れるようにならないから、一生勉強し続けることになる。これが日本におけるもう一つの英語学習者の典型的な姿だ。

 ただ厳密に言うと学習と勉強は二つの異なる概念だ。学習(学び)とは意味を理解し、それを実践することによって習得する、自分の感覚にすることであり、勉強とは「お値段を勉強します」と言うように、無理をするということだ。なぜ無理をしなければならないのか。それは英語の意味、つまりネイティブの感覚が「理解」できないからだ。だから英文法や表現を「覚え」なければならない。そして結局、感覚がないから本当の学び、つまり習得には到達しない。だから延々と勉強し続けることになる。

 TOEICや英検が悪いと言っているのではない。思考方法が逆なのだ。TOEICで高得点が取れれば英語が習得できるのではなくて、英語が習得できれば自然にTOEICでも高得点が取れるようになる。これが逆転してしまっているために、TOEICでは高得点なのに実際には英語が話せないのだ。

(以下つづく)

目 次

CONTENTS

はじめに

本当に話せるのか見通せないストレス

ストレスフリーの英語学習へ

第1章 認知科学から見た英語習得の仕組み

1.認知科学とは

認知科学

行動主義心理学の視点

認知心理学の視点

行動経済学以降の視点

【コラム】臨床心理学と認知心理学

2.認知言語学から見た英語学習

刺激の貧困

普遍文法

文法の必要性

英文法の学習

 規範文法

 記述文法

 英語脳とは

3.丸暗記ではネイティブの感覚が身につかない

本当の学びとは

英語の部屋

どうすれば英語を話せるようになるのか

英語の本質へ

そもそも言語とは

4.英語脳をインストールする

【コラム】社会言語学の視点

第2章 認知科学による英文法の感覚の習得

1.認知の仕組みと英語学習

ワーキングメモリの容量

スペルク・オブジェクト

ワーキングメモリ、意味、言語

【コラム】認知(意味)と神経科学(物質)をどう繋げるか

長期記憶

2.心はどのように言語を作るか

言語は目的論により世界の中から存在を削り出す道具

【コラム】目的論から機械論へ

エゴセントリックな視点

目的論こそ私たちの思考の中核

間主観性と言語

間主観性による世界の理解

世界の理解が崩れるとき

物語の時間軸

存在から言語へ

3.英語の思考形態は2つしかない

SvC

SV(O)

>入れ子Ⅰ

入れ子Ⅱ

形式上の主語の本当の意味

入れ子Ⅲおよびthatの感覚

接続

4.主語の感覚

共通認識

自分の関心の中心

いくつかの例

5.時間という現象

未来や過去

現在

助動詞など

 may·might、can·could、must·have to·should

 will

 ing、to、そしてfor

過去と現在完了など

条件と仮定

いくつかの例

6.空間という現象

前置詞

比較

いくつかの例

【コラム】私たちはエゴセントリックな視点を持つ存在

第3章 話すための英文法

1.Filler Words

2.実践へ

付録 強調・疑問・否定

 

おわりに

 

参照文献

プロフィール

前田なお(まえだなお)

コロンビア大学博士。起業家、作家。

慶應義塾大学、スタンフォード大学を経て、コロンビア大学にて博士号取得。哲学、社会科学、認知科学を横断的に研究。

在学中にエンターテイメント関連企業を創業、現在代表取締役。

日本の英語教育について「なぜ日本人は長い間英語を勉強しているのに話せないのか」という問いを起点に、本書を執筆。認知科学の視点から、その構造的要因を再考し、思考と直結した英語感覚を育てる学習方法を提示する。

著書に、哲学・社会科学・認知科学・文学の統合を試みた『本当の声を求めて:野蛮な常識を疑え』(SIBAA BOOKS)。本書はその理論的背景の延長線上にある。