一瞬で心をつかむ できる人の文章術
イッシュンデココロヲツカム「デキルヒト」ノブンショウジュツ
1日たった15分10日間で上達!
高橋フミアキ著
文章力がつくと、構想力・伝達力・表現力・論理力etcが身につく!
文章スクールで生まれた究極の文章テクニック。「ストーリー仕立てで書く」と「マインドマップをつくる」。この2つだけで小学六年生でもスラスラ書けるように。子どもから大人まで文章に自信のない人の悩みが一気に解決。
立ち読み
プロローグ 文章力こそ最大のスキル!
いまあなたはどんなスキルを身につけていますか?
あなたの子どもに何かひとつだけスキルを身につけさせるとしたら、どんなトレーニングをさせますか?
これからの時代は、どんな大学を卒業したかではなく、何ができるかが問われます。立派な学歴をもっていても、仕事ができなければ脱落してしまうのです。資格をもっているだけでは生きていけません。専門知識を手に入れただけでは生き残ることはできないでしょう。
僕の友人にIT企業で働く31歳の男性がいます。彼は文系の大学を卒業してその会社に入社しました。周囲はほとんどが理系の人たちです。彼らはコンピュータ関係の専門知識や最新情報を頻繁にやり取りしています。
ところが彼には入社当初、IT関係の専門知識はほとんどありませんでした。それよりは中国の故事や哲学書を読むのが好きで、いまでも陽明学や禅に関する本を僕にすすめてくれます。
それでも彼は、会社に入ると周囲に負けないようIT系の本をむさぼり読んだそうです。学んだことを彼はすぐレポートにまとめ文章として残します。もともと文章力のある人でしたので、上司への報告や企画書、クライアントへの提案文などは短時間で書くことができます。苦にならないのです。
周囲の人たちはIT関係の知識はくわしくても、文章力があまりありません。企画書ひとつ満足に書けない人が多いのです。専門書以外の書籍を読む気がないものですから、文章作法や「企画書の書き方」といった本も読もうとしません。結局、1年たっても2年たっても同じ仕事が与えられます。
ところが、僕の友人は次々と新しい仕事を任されるのです。そして、そのつど勉強し自分のものにしていきます。まるで植物のように大地の滋養を根から吸収し、毎日、成長しているようです。
そして彼は31歳で大抜擢を受けます。大きなプロジェクトのリーダーになり、役職は部長クラスです。31歳の若さで100人以上の部下を指揮する立場になりました。年収も1千万円を軽く越えています。彼は「文章が書けるということがいかに大事かがよくわかった」と言っていました。
僕がもし、神様から「お前の娘にひとつだけスキルを身につけさせてやろう」と言われたら、迷わず「文章力をください!」と言うでしょう。文章力には21世紀を生き抜くすべての能力がそなわっているからです。
混沌としたなかからクリエイティブなアイデアを生み出す力、どんな状況になっても冷静に考え抜く力、相手の気持ちを想像する力、自分自身を客観視する力、自分の考えを伝える力、人生に価値を見出す力などです。文章を書くことでそうした力が身につきます。それは多くの著述家たちが実感していることです。
それだけではありません。インターネットが普及したおかげで、文章力の必要性はますます大きくなりました。メールマガジンの発行やメールの送受信、ホームページやブログなど、インターネットの世界はすべて文章が必要です。仕事の報告をメールで送ることを義務づけている会社もあります。
文章スクールを主宰していると、文章を書くことに不安や悩みをかかえている人があまりに多いことに驚かされます。文章でうまく表現できず自分の評価を下げたり誤解されたり、相手を傷つけていたりと、結構つらい体験をしているといったことが多いのです。もっと文章がスラスラ書けたらと思うのに言葉が出てこない、言いたいことがあるのに文章にするとうまく伝わらないという相談もよく受けます。
振り返ってみると成人するまでに小学・中学・高校と国語や作文の授業はあったはずです。ところが、ほとんどの場合、文章の書き方は学んでいません。僕は中学生の娘に文章の書き方を教えますが、学校で重要視されていないこともあってまじめに学ぼうとはしないのです。それが残念でなりません。学校では、もっとも重要なスキルを教えてくれないようです。
小説家を志望していた僕は、文章力を身につけるために師匠から何年も叱られ続けました。真夜中に呼び出されて怒鳴られたこともあります。文章スクールを主宰するようになってからは、どんな人でも文章力を身につけられる方法を模索してきました。そのなかで生まれたのが「1日15分トレーニング」です。
僕が塾の講師をしていたころ、1行も書けないほど文章が苦手だったひとりの小学生に文章指導をしたことがあります。この子は算数も理科も苦手でしたが、それは何より文章が苦手なことが原因でした。それで、1日わずか15分ですが、文章のトレーニングを試みたのです。
その効果は僕も驚くほどで、じつにスラスラと文章が書けるようになり、国語だけでなく算数や理科の成績もぐんぐん伸びていきました。
この体験が文章スクールを主宰するようになってからも生かされました。受講者には大人になってもうまく文章が書けず苦労している人がとても多いのです。そこで僕は、以前、小学生で効果のあった1日15分トレーニングを大人も実践できるように構成し直して、受講者に試してもらいました。反応は予想どおりです。「文章を書くコツがわかった」「人の心に伝わる文章を書けるようになった」「文章を書くのがとても楽しくなった」、そして「文章を書くことに自信をもてた」と言ってくれます。
くわしくは本文で紹介していきますが、このトレーニングの柱は「ストーリー仕立てで書くテクニック」と「マインドマップを描く」ことです。
本書を読んでいただければ、僕の娘のような中学生から、すでに社会で活躍している大人まで、それこそ“一瞬で心をつかむような文章の書き方”を身につけるお手伝いができると思います。もはや文章でつらい思いをする必要もなくなるでしょう。
さあ、次のページを開いてください。あなたの人生が変わる扉がそこにあります。
目 次
もくじ●一瞬で心をつかむできる人の文章術
プロローグ 文章力こそ最大のスキル!
ステップ1 「文章がうまく書けない」には理由がある
自分の言いたいことがうまく伝わらない
自分の気持ちを文章でうまく表現できない
知らないうちに自分の文章が人を傷つけていた
やる気はいっぱいなのにちっとも書けない
書きはじめるが最後まで続かない
「君の文章はつまらないよ」と言われてしまった
スラスラ書けるようになりたいが、すぐに詰まってしまう
熱いハートをこめて書いたのにキモイと言われた
なぜかブログが長続きしない
自分の半生を書き残したいが自信がない
自費出版にするか商業出版に挑戦するか迷っている
〈コラム1〉人を感動させる文章は自分自身の感動体験から
2 「朝・夜・休日」 家族みんなの幸福を呼び込むテーブル演出とは?
何を言っているのか話がよくわからない
考え方に柔軟性がなく思い込みも強い
なぜか言葉が出てこない
どうしてもよいアイデアが浮かばない
多角的に見る力や疑問をもつ力が弱い
自分を客観的に見るのが苦手
会議の司会進行がうまくできない
企画書がうまく書けない
〈コラム2〉言葉は炎のように広がる「マッチ棒の法則」
ステップ3 騙されるな! 文章の常識9つの落とし穴
自由に書けと言われても
感じたままに書けと言われても
話すように書けばいいって簡単にいいますけどねえ
起承転結ってなによ?
国語の勉強で読解力はほんとうに身につくの?
読書感想文にストーリーを書いたら叱られた
国語教育ってこのままでいいの?
教わったのは原稿用紙の使い方だけ
添削指導しかしてくれない文章講座
〈コラム3〉文章が伝えるのは言葉だけではない
ステップ4 1日たった15分、10日続けるだけでスラスラ書けるように
1行も書けなかった小学6年生が一気に書きはじめた
「ストーリー仕立てで書く」テクニック
1日目/昼食をストーリー仕立てで書いてみる
2日目/語尾に変化をつけてみる
3日目/5W1Hを入れて書いてみる
4日目/5感で書いてみる
5日目/心のつぶやきを挿入して書いてみる
6日目/会話を挿入して書いてみる
7日目/説明文を挿入して書いてみる
8日目/喜怒哀楽を表現してみる
9日目/自分のメッセージを挿入して書いてみる
10日目/時代性のあるテーマを盛り込んで書いてみる
毎日の15分トレーニング/日記を書いてみる
準備を怠るな
マインドマップを活用する
自信をつけるための3つのコツ
一瞬で心をつかむ文章を書くために
〈コラム4〉「4対2対4」の法則
ステップ5 もっといい文章を書くための究極テク
結論を先に書くテクニック
疑問を先に書くテクニック
論理法を利用するテクニック
じらしのテクニック
オチをつけるテクニック
5つの推敲テクニック
推敲の基本
〈コラム5〉未完成の法則
エピローグ