頭のいい夫婦 10分以上「二人の会話」がとぎれない習慣
アタマノイイフウフ 10プンイジョウ「フタリノカイワ」ガトギレナイシュウカン
近藤 裕著
40年間マリッジ・カウンセリングの集大成!
アメリカと日本で40年間マリッジ・カウンセリングの集大成! 「いつかは離婚」から「いつまでも一緒に」へと変わる7つの習慣●アメリカの夫婦と日本の夫婦の違い●向き合っていない夫婦3つのパターン●夫婦の葛藤への対応の仕方●夫婦関係が親密になる8つの秘訣●コミュニケーションを豊かにする4つの知恵……。
主な内容
1章 何十年もいっしょにいるのに、なぜか心が通わない
2章 10分以上会話がとぎれない関係を取り戻すには
3章 年を重ねるほど「既婚シングル」な関係がいい
4章 ますます「向き合う夫婦」になる七つの習慣
5章 夫婦の再スタートには援助を受ける知恵も大切
- 価格
- 1540円(本体1400円)
- 判型
- 四六判
- 頁数
- 208 頁
- 発行日
- 2010.1.20
- ISBN
- 978-4-87795-181-8
立ち読み
健全な夫婦関係とはいかにあるべきなのか?
私はこれまでアメリカでの十二年間を含めて四十年間、マリッジ・カウンセリングの仕事にたずさわってきました。
その体験を通して、日本とアメリカでは夫婦関係への取り組み方に大きな違いがあることを学びました。
帰国後は女子大学で「愛と性と結婚」について十年間、講座を担当し、カップルの婚前カウンセリングやガイダンスも行なってきました。
この四十年間のカウンセリングのなかで私がとくに問いつづけてきたのは、「健全な夫婦関係とはいかにあるべきなのか?」ということでした。
私のもとには今もいろんな年代のご夫婦がマリッジ・カウンセリングを受けに来られますが、最近目立って多いのが、結婚して二十年、三十年というご夫婦です。
平均寿命が伸びた日本では、夫婦ともに八十歳を超えることも珍しくありません。その分、夫婦だけで過ごす年数が長くなっています。二十年、三十年と子育てに励み、子どもが自立すると、ふたたび「夫婦二人」の生活が始まります。それが二十年、三十年とつづきます。
これを「幸せ!」と喜ぶ人、「不幸」と嘆く人、とさまざまです。私のマリッジ・カウンセリングに訪れる人たちの大半は、後者で、その「不幸」から脱け出したいと願っている人たちです。
お互いの人間性とか生き方を尊重し合える関係を再スタートさせたい。それが夫婦のままで無理なら離婚もやむなし、と覚悟して悩みを訴えてこられます。
「できることなら、せっかくご縁があって結ばれたパートナーと、このまま幸せな余生を送りたい、とは思うが、そんな気持ちがかなえられるような夫婦関係ではない。二人が向き合って話し合えるような関係をもたないまま、形だけ夫婦として過ごしてきてしまった」
そのように語る言葉には、あきらめの響きがあります。
健全な夫婦関係とはいかにあるべきなのか?
私はこれまでアメリカでの十二年間を含めて四十年間、マリッジ・カウンセリングの仕事にたずさわってきました。
その体験を通して、日本とアメリカでは夫婦関係への取り組み方に大きな違いがあることを学びました。
帰国後は女子大学で「愛と性と結婚」について十年間、講座を担当し、カップルの婚前カウンセリングやガイダンスも行なってきました。
この四十年間のカウンセリングのなかで私がとくに問いつづけてきたのは、「健全な夫婦関係とはいかにあるべきなのか?」ということでした。
私のもとには今もいろんな年代のご夫婦がマリッジ・カウンセリングを受けに来られますが、最近目立って多いのが、結婚して二十年、三十年というご夫婦です。
平均寿命が伸びた日本では、夫婦ともに八十歳を超えることも珍しくありません。その分、夫婦だけで過ごす年数が長くなっています。二十年、三十年と子育てに励み、子どもが自立すると、ふたたび「夫婦二人」の生活が始まります。それが二十年、三十年とつづきます。
これを「幸せ!」と喜ぶ人、「不幸」と嘆く人、とさまざまです。私のマリッジ・カウンセリングに訪れる人たちの大半は、後者で、その「不幸」から脱け出したいと願っている人たちです。
お互いの人間性とか生き方を尊重し合える関係を再スタートさせたい。それが夫婦のままで無理なら離婚もやむなし、と覚悟して悩みを訴えてこられます。
「できることなら、せっかくご縁があって結ばれたパートナーと、このまま幸せな余生を送りたい、とは思うが、そんな気持ちがかなえられるような夫婦関係ではない。二人が向き合って話し合えるような関係をもたないまま、形だけ夫婦として過ごしてきてしまった」
そのように語る言葉には、あきらめの響きがあります。
「向き合っていない」とひと言で言っても実態は複雑です。「向き合いたくないから、向き合っていない」「向き合いたいとは思っているが、向き合っていない」「向き合う努力はしているが、うまく向き合えない」と、その中身は異なります。
このうち、日本の夫婦にとても多いのが「向き合っていないから夫婦でいられる」というカップルです。しかも、中高年の夫婦になるほど多いように思います。いつの間にか形だけの夫婦でありつづけることが習慣化しているのです。
アメリカでのマリッジ・カウンセラーとしての体験からすると、何より個人を大切にするアメリカ人がこんな夫婦状態をつづけることはありえません。とっくに結論を出していることでしょう。
とはいえ、高齢化によりふたたび夫婦二人で過ごす期間が長くなったことで、日本の中高年夫婦にも変化が生じてきています。それまでは子どもや家族のことを考えて形だけでも夫婦でいたが、そうした拘束から解放されたい。このまま残された人生は送りたくない。行動を起こすなら今しかない。そんなふうに考える人が増えているのです。
人生において四十代、五十代という時期は社会活動においてもっとも活発で、もっとも輝いています。その一方で、体力や能力を過信し、働きすぎて体調を崩したり、病気になったりすることもあります。親子関係や夫婦関係が揺れ動く時期でもあります。夫は仕事に夢中で、妻は子育てにエネルギーを注ぐ。夫婦関係に関心を向けることが少なくなる。そんな状態が慢性化したまま五十代を迎えてしまいます。
パートナーが一人の人間としてどんな思いで生きているか、語り合うこともなく過ごしてきたツケがこのころになると回ってくるのです。そのまま夫婦だけで二十年、三十年と生活していくことに不安を感じ、葛藤を体験するようになる。それが何かのきっかけで吹き出し、二人の関係に危機的状況を招くことにもなるのです。
昨今、大手の企業などでは、勤続年数二十年、二十五年といった社員に「リフレッシュ休暇」を与える制度を設けているところが増えています。
一日の仕事には「午後三時の休憩」があって、体や心を休め、一息ついてリラックスします。人生を一日にたとえれば、この午後三時が五十代に当たるのです。
「人生の午後三時」に一息ついて、体や心を休め、リフレッシュの時を過ごすことが、次の人生のステージを歩み出す前に必要なのです。
夫婦生活も同じです。三十代、四十代と走ってきて五十代を迎えるころ、一息ついてリフレッシュし「夫婦二人」でこれから二十年、三十年をどう生きていくかを話し合うことが必要なのです。
これまで、うまく向き合うことなく過ごしてきたのなら、これからはしっかりと“向き合って生きる”ための準備をする。夫婦関係を疎遠にしてきた古い習慣を転換し、「二人の会話」が10分以上とぎれないような向き合う習慣を身につける。この作業に、第二の結婚式(続婚式)を挙げるくらいのつもりで取り組むことが、二人が新たな人生のステージを歩み出すために必要なのです。
本書はそのための道案内として綴ったもので、何十年にわたり数知れない夫婦と向き合ってきた私の体験に基づいたものです。主な内容は、
・中高年夫婦特有の課題
・夫婦のコミュニケーションを豊かにする四つの知恵
・向き合って話し合うための八つのルール
・年を重ねるほど親密なカップルが実践している八つの秘訣
・「メイク・ラブ」の知恵
・いつまでも向き合う夫婦になるための七つの習慣
となっています。
さらに、中高年のために「既婚シングル」という新しい夫婦のモデルを提案しています。どうしたら、個人としての生き方を互いに認め合い、支え合いながら「おふたりさま」で生きていくことができるのか、行き着いたのがこの「既婚シングル」というモデルです。
きっと、中高年を迎えた夫婦が、これから二人で歩む人生航路の羅針盤になるものと確信しています。
(本書にご紹介する事例はすべて仮名とし、その内容もご本人のプライバシーを守るため多少手を加えてあることをご了承ください)
プロフィール
近藤 裕(こんどうひろし)
1928年、千葉県に生まれる。教育学博士(臨床心理)、サイコセラピスト(心理療法士)。早稲田大学政治経済学部中退、西南学院大学文学部卒、米国留学。九州大学教育心理学教室で学び、再び米国留学。米国で日本人としては初めてマリッジ・カウンセラ−の資格を取得(1972年)。その後、バ−クレ−市、ヘリック・メモリアル病院心理室長を12年間務め、帰国(1983年)。東京女子大学、昭和大学藤が丘病院講師を経て、現在、ライフマネジメント研究所長。臨床、講演、企業の研修、執筆活動を行なう。著書は『大切な人の心を離さない本』(三笠書房)、『ゆっくりした人生がいい』(毎日新聞社)、『「やる気」わくわくセラピ−』(PHP 研究所)、『生涯青春!』(河出書房新社)、『50歳からの「いきいき脳」を保つ9つの知恵』(PHP研究所)など90冊を超える。