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総合出版 コスモ21

頭にいい、体にいい、楽しい本満載!

子どものことばが遅い 出ない 消えた 「なんで?」

コドモノコトバガオソイデナイキエタ「ナンデ?」

ことばの発達障害は家庭で改善できる

篠浦伸禎 監修/鈴木昭平著

家庭こそ子どもの言葉の基礎をつくる最高の場

子どもの言葉が出てくるのが遅い、なかなか出てこない、出ていたのに急に消えた……
こんなときどうすればいいのか?
子育てをしていると、子どもの言葉の発達状態が気になるものです。
「喃語が出ないまま今も言葉が出てこない」
「指差しや手ぶりで親に伝えることもしようとしない」
「話しかけても視線を合わせず、微笑みを浮かべることもない」
「個人差があるとは思うが、周りの子よりかなり言葉が遅い」
「言葉は出ているが、語彙数がほとんど増えない」
「一人称、二人称の使い分けができない」
「自分のことが言葉で言えるようにならない」
「独り言のように話しているが、話しかけても会話にならない」
……
このままでは、この子の将来はどうなるのか? 親御さんの不安は膨らむばかり。でも、原因も確かな対処法もわからないまま時間だけが過ぎていってしまいます。

本書は、脳の専門家(脳神経外科の世界的な権威)と6500家族以上の改善指導を行なってきた家庭教育の専門家の証言です。
「家庭こそ子どもの言葉の基礎をつくる最高の場である」
「言葉の発達障害は家庭で改善できる」
ことを明らかにし、どんな子も言葉の力が伸びる
「発語・発音プログラム」
を紹介しています。

【実践者の声】
・「しゃべるのは無理」と言われたのに喃語が出てきた
・私の目を見て「カーカ」(ママのこと)と呼んでくれて思わず涙が流れた
・無反応だったのに、苦手な感情表現をするようになり、会話に上手にできるまでになった
・先月まで一言もしゃべらなかったのに、1カ月で変化した!
・5歳まで「バイバイ」しか言えなかったのに、出かけるパパに突然「行ってらっしゃい」と言ったので驚くやら嬉しいやら、わが子の未来に希望が見えた

篠浦伸禎博士が開発した「脳タイプ」も紹介。親が自分の「脳タイプ」を知ることで子どもとの関係づくりがスムーズにできるようになる!

主な内容

1章 言葉がうまく出てこない。こんなときどうすればいいか?
2章 子どもの脳の発達特性によって言葉の出方は違ってくる
3章 脳科学から見た子どもの言葉の成長
4章 どんな子も言葉の力が伸びる発語・発音プログラム
5章 親の脳タイプがわかると子どもの成長が変わる
6章 子どもを伸ばす親の心得

詳細な目次のページを開く

子どものことばが遅い 出ない 消えた 「なんで?」
価格
1540円(本体1400円)
判型
四六判
頁数
192 頁
発行日
2021.1.8
ISBN
978-4-87795-395-9

立ち読み

プロローグ 言葉が遅くて心配だったわが子から次々と言葉が!

子どもの言葉に関する相談が次々と

 私たち、エジソン・アインシュタインスクール協会(EESA)には、日本全国のお母さんやお父さんから、発達障害だけでなく、子育てに関するご相談の電話が連日寄せられます。そのなかで、いちばん多いのは「子どもの言葉が出てこない、遅れている」という“子どもの言葉”に関するものです。

 お子さんが1歳前後になったころの親御さんからは、

「『あー』とか『うー』といった声だけで、いつまでも言葉にならない」

「喃語しか出てこない」

「一音の言葉は言えるのに、二音の言葉が言えるようにならない」

といった、発語に関するお悩みの相談が多くあります。

 幼稚園入園や就学時健診を控える親御さんからは、

「単語は話せるのに、二語以上あるいは三語以上をつないだ意味のある文は話せない」

「一人称と、二人称や三人称の区別ができない」

といったご相談がグンと増えます。

 そのほかに、

「言葉のやりとりができないので、子どもの気持ちがわからない」

「子どもが何を考えているのかわからないのが辛い」

というご相談もたくさんあります。

 人間は、言葉によるコミュニケーションによって社会を成立させている生き物です。それが故に、親御さんたちは子どもの言葉の発達に関心が高く、しっかり言葉を話せるようになって、無事に社会生活を送れるようと願います。

 子どもがいろんな言葉を覚えておしゃべりするようになると、子どもの成長を感じて嬉しくなるのは、どの親御さんも同じでしょう。できるだけ早く、いろんな言葉を覚えてほしいと願って語りかけます。

 ところがあるとき、子どもから言葉が出てくるのが遅いとか、いつまでも出て来ないとか、出ていたのに出なくなったということに気づくと、急に不安になります。

「ほかの子どもに比べて、うちの子は言葉が遅いみたいで、とても心配なんです」という電話の向こうの親御さんの声は不安でいっぱいです。

 親だから子どものことは誰よりもわかっているはずなのに、どうしてわが子の言葉はうまく発達しないのか。

 話しはじめるのは1歳前後、複雑なやりとりができるのは3歳ごろと思っていたのに、うちの子の言葉がうまく出て来ないのはどうしてなのだろうか。

 このまま言葉の能力が伸びなかったら、将来どうなるのだろうか。

 親として心配が膨らむのは当然ですが、そもそも子どもの言葉の発達はどのように進むのか、そこから理解しておくことが必要なのです。

言葉の早い、遅いは脳の発達特性によって異なる

 子どもの言葉が出てこない、いちばんシンプルな理由は、言葉の情報が子どもの脳にインプットされていないか、インプットはされているけれど脳内での処理がうまくいかずアウトプットできない状態になっているか、のいずれかです。

 ちょっと考えてみると当たり前のことで、脳に入っていない言葉は出てこないでしょうし、入っていても出すための脳内処理がうまくいかなければ、子どもに自分の感情を表現したいという意欲があっても、言葉はうまく出てきません。

 しかも、子どもによって脳の発達特性は異なるため、言葉のインプットとアウトプットの仕方も違ってきます。

 当たり前のことを言っているように思われるかもしれませんが、教育の専門家ほどこのことを理解していないために、言葉が出てこない子どもに対して、ただ言語能力に障害があると判断してしまいやすいのです。

 残念ながら親御さんもそう思い込んでいることが多く、わが子にはたくさん言葉をかけているのに期待どおり言葉が出てこないのは、言葉の障害があるからかもしれないと心配します。

 言葉というのは、どんどん子どもの脳にインプットすれば、自動的にアウトプットされてくるわけではありません。子どもが100人いれば100通りの脳の発達特性があり、当然、言葉のインプットやアウトプットの仕方、言葉が出てくるタイミングも子どもによって異なってくるのです。

 

(以下略)

目 次

子どものことばが遅い 出ない 消えた 「なんで?」……もくじ

プロローグ 言葉が遅くて心配だったわが子から次々と言葉が!

子どもの言葉に関する相談が次々と

言葉の早い、遅いは脳の発達特性によって異なる

親が先回りして応じると言葉が出にくくなる

いくら検査を受けても原因がわからない理由

子どもの発語のしくみを知る

「言葉が遅い」と不安がる親のストレスが発達を遅らせる

視線を合わせないのは周波数が合っていないから

子どもはこうして言葉を身につけていく

家庭こそ言葉の基礎をつくる最高の場

1章 言葉がうまく出てこない。こんなときどうすればいいか?

①〝そのうち〟と思いつつも言葉がまったく出てこない

☆喃語が出ないまま今も言葉が出てこない

言葉の発達体験記 「しゃべるのは無理」と言われた子に喃語が出てきた!

☆指差しや手ぶりで親に伝えることもしようとしない

言葉の発達体験記 私の目を見て「カーカ」と呼んでくれて思わず泣けた

☆男の子は女の子より言葉が遅いといわれるが、何か根拠があるのだろうか

☆話しかけても視線を合わせず、微笑を浮かべることもない

言葉の発達体験記 無反応だった子が苦手な感情表現ができ、会話も上手に

☆なかなか言葉が出てこないが、気長に待てばいいのか

言葉の発達体験記 4カ月でDQが69から99に。普通に会話もできる

☆言葉にしなくてもやってあげているから言葉が出てこないのだろうか

②ほかの子と比べて言葉が出てくるのが遅い

☆個人差があるとわかっていても周りの子よりかなり遅いので心配

言葉の発達体験記 おしゃべりもケンケンもできるまでに変化!

☆近づいても無視して遊び続け、話しかけてもそっぽを向ける

☆言葉の遅れが心配だが、どんな検査を受ければいいのかわからない

言葉の発達体験記 言葉が増えてきて習った歌を口ずさむことも

☆身体面の成長はわかりやすいが、言葉の発達はわかりづらいので不安

☆他の子どもといるわが子を見ていて、言葉の理解が遅いようで心配

☆知的発達の遅れで言葉が遅いのではないかと心配

言葉の発達体験記 電話でおしゃべりなどビックリする変化が!

☆それまで言えていた言葉が、あるときからまったく出なくなってしまった

☆同世代の子どもと遊ばせたほうが言葉の発達は早くなるのだろうか

③短い言葉は出ているが、会話ができない

☆言葉は出ているが、いつまで経っても発音がうまくできない

☆言葉は出るようになったが、語彙数がほとんど増えていかない

言葉の発達体験記 先月まで一言もしゃべらなかった子が1カ月で変化!

☆言葉がまちがっているときはこまめに教えるけれど、一向に直らない

☆3歳を過ぎても一人称、二人称の使い分けができない

☆5歳になっても自分のことを言葉で言えない

☆うまく言葉にできない分、パニックになることが多い

☆言葉が出ないときに唾を吐くようになった

☆悪いことをしたときに叱ると、かえって暴力的になる

言葉の発達体験記 3歳でも出てこなかった言葉が突然立て続けに!

☆こだわりが強く、言葉のやりとりが難しい

言葉の発達体験記 偏食の改善で言葉がどんどん出てきた!

☆独り言のように話しているが、話しかけても会話にならない

2章 子どもの脳の発達特性によって言葉の出方は違ってくる

言葉を使えるのは人間の脳だけ

子どもの脳の発達特性によって言葉の出方は千差万別

二語文・三語文が話せるまでのステップ

言葉が出てこなくても脳は言葉を蓄えている

言葉を話すには身体能力の発達も必要

言葉のシャワーをたっぷり浴びせてあげる

言葉が遅いと思ったら、まずすべきこと

家庭こそが子どもの言葉の力を育てる最高の場

3章 脳科学から見た子どもの言葉の成長

子どもの成長は脳の変化を知ることからはじまる

子どもの脳はストレスに弱い

脳が学習する基本

子どもの心と体は言葉に常に反応している

言葉による強制は子どもの脳の発達を妨げる

脳科学から見た反復学習の効果

親がかける暗示の言葉も効果的

4章 どんな子も言葉の力が伸びる発語・発音プログラム

右脳と左脳が連動しないと言葉が出にくい

右脳に刺激を与えていると左脳が連動して言葉が出やすくなる

子どもが興味を持つ擬音やオノマトペを活用する

まったく言葉が出ない子には声を出すところから

発語が不完全でもほめてあげる

子どもの気持ちを推し量って代弁してあげる

我慢の神経回路をつくる

共感、共鳴の神経回路をつくる

発達検査表を使った発語トレーニング

EESA発達検査表(普及版)言語面

発語ノートをつけて伸ばそう

5章 親の脳タイプがわかると子どもの成長が変わる

まずは親御さん自身を知ることから

脳タイプ診断のチェック方法

脳タイプ診断テスト

脳タイプ診断の結果を理解する

脳タイプの関係性

親の脳タイプに応じた子どもへの対応

6章 子どもを伸ばす親の心得

他の子どもと比べない

何があってもプラスマインドで子どもと向き合う

目が笑っている笑顔で

膝をついて子どもの目線に合わせ徹底的に観察する

子どものプライドを傷つけない

我慢と自信を身につけさせる「5つの魔法の言葉」

プロフィール

篠浦伸禎(しのうらのぶさだ)

現在、都立駒込病院脳神経外科部長。1958年愛媛県生まれ。1982年東京大学医学部卒業、同年医師免許取得。東京大学医学部付属病院、国立国際医療センター等に脳神経外科医として勤務し、1992年東京大学医学部の医学博士を取得する。シンシナティー大学分子生物学部に3年間留学し帰国後、都立駒込病院に勤務。脳外科における覚醒下手術のトップランナーである。

脳外科における覚醒下手術のトップランナーである。情報発信の場として「篠浦塾」を主宰。

著書に『脳にいい5つの習慣』『脳腫瘍機能温存のための治療と手術』『統合医療の真実』他多数。

鈴木昭平(すずきしょうへい)

1950年茨城県北茨城市生まれ。76年3月横浜国立大学大学院経営学研究科修士課程修了。経営学修士。ジャスコを経て常磐大学職員、常磐学園短期大学学内講師、桜美林短期大、産能短大、日本航空高校、国土交通省・住宅産業研修財団などの講師を務める。1988年より幼児教育に携わり、2008年までに30人以上の知的障害児が劇的に改善。その指導方法を広めるべく2009年、一般社団法人エジソン・アインシュタインスクール協会を設立。現在同協会代表。すでに6500家族以上の相談指導を行なっている。同時に、子どもの未来を支援するための家族教育にも力を入れ、『子ども未来支援機構』の理事長も務める。