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総合出版 コスモ21

頭にいい、体にいい、楽しい本満載!

発達障害は家庭で改善できる

ハッタツショウガイハカテイデカイゼンデキル

目が合わない 言葉の遅れ 自閉 多動 奇声 パニック 自傷

鈴木昭平・小沢隆共著

そんな「育てにくい」には必ず理由がある

親と目を合わせずコミュニケーション力はハムスター以下。奇声を上げだしたら止まらない……。一人息子の次から次へと目の前で展開される筆舌しがたい問題行動にほとほと困り果てていた毎日が、EEメソッドの出合いで一変。半年で普通学級への入学が認められるほどに改善した。その体験談とEEメソッドの具体的な取り組みを紹介する。青少年の更生に尽力する小沢氏との対談も。

主な内容

1章 奇声を上げる、会話ができない わが子との壮絶な毎日に希望の光が!
2章 わが子の確実な成長を実感! 私たちが取り組んだこと
3章 「自分でできるから構わないで」と息子に言われて「もう大丈夫」と確信!
4章 発達障害から家庭内暴力に。問題行動に命がけで向き合う
5章 子どもがどんどん変わっていくもっとも効果のある家庭での改善法

詳細な目次のページを開く

発達障害は家庭で改善できる
価格
1540円(本体1400円)
判型
四六判
頁数
210 頁
発行日
2017.4.21
ISBN
978-4-87795-350-8

立ち読み

はじめに

●どんなに発達が遅れた子でも改善できる!

 今から6年前、私たちエジソン・アインシュタインスクール(EES)協会から一人の“卒業生”が出ました。それは川崎和夫君(仮名)という、今春、中学生になる男の子です。

 彼は2010年にエジソン・アインシュタイン(EE)メソッドをスタート。私が初めて会ったときは、言葉の発達が遅い、会話ができない、呼んでもこちらを見ないなどの症状に加え、奇声を上げるなどの問題行動がありました。

 親御さんにすれば本当に痛切な思いだったことでしょう。毎日が子どもとの闘いのようで、お母さんはほとほと疲れ果てているご様子でした。

 その後、メソッドを開始。めきめき効果を上げ、半年で2年分、いやそれ以上の改善ぶりを示したのです。

 当初、医師からも、臨床心理士からも、行政からも、「特別支援学級は絶対無理。特別支援学校しかない」と言われていたそうですが、改善の結果、めでたく普通学級に入学。お友達もたくさんできて、毎日を楽しく過ごしています。

 もちろん親御さんからすれば「こういうことはまだ苦手」「ここはまだ課題」というところはあるでしょうが、それはどんなお子さんでも同じだと思います。

 今の彼にはかつて「知的発達障害」と診断された、その影はみじんも見当たりません。

 私たちEES協会には、このような奇跡の改善例が本当にたくさんあります。

 そのなかでも、彼のような重い状態からここまで改善したということは、どんなに発達が遅れても、子どもの脳を育てることは可能であることを示してくれています。

 とくにお伝えしたいのは、和夫君のお母さん、お父さんの取り組み方です。なぜなら発達障害の子どもを成長させるカギは親御さんにあるからです。

 私たちは改善のためのメソッドを提供し、全力でサポートしますが、主人公はあくまでもお母さん(ご両親)です。

 私の開発したEEメソッドは、言葉が遅い、じっとしていられなくて多動、目を合わせない、自閉症気味、奇声が夜中続く、体を壁にぶつける、といった問題行動のある育てにくい子どもから、発達障害があると診断された子どもたちまで、どんな子どもでも確実な成長を促す教育法であると自負しております。

 すでにダウン症をはじめ、脳性麻痺や脳炎、脳梁欠損症など症状がかなり重くても、普通の発達段階にまで改善している子どもたちも出てきています。

 この教育法は数多くの実践例によって裏付けられていますが、ただ「やれば効果がある」というものではありません。親御さんの愛情が大事なのはもちろんですが、何より親御さんがお子さんを細かく観察し、子どもの日々の小さな変化と成長を理解して働きかけを続けることが重要です。

 発達障害の程度、改善の度合い、その子の状態に合わせたアプローチをし続けさえすれば、どんな子も必ず改善していきます。

 川崎さん夫婦はそれを見事に成し遂げたのです。息子さんの和夫君の成長と発達に合わせて、的確な指導を家庭で行なった、まさにその集大成が今日の和夫君の姿です。

 この川崎さんの子育て体験をみなさんに紹介することで、発達の遅れが心配なお子さん、発達障害のあるお子さんを持つ親御さんに、必ずや希望を持っていただけると確信しています。

 決して一足飛びに改善した、うまくいったという話ではなく、改善前の苦悩、迷い、改善中に起こった問題なども隠さずお話をしていただいています。

 和夫君のお父さんはその地域では定評のある塾の経営者で、名門の国立大学の教育学部から大学院に進んで学ばれたという教育の専門家です。それゆえ当初は、発達障害の改善には否定的な考えをお持ちのようでした。

 ところが、それまで2年以上変化のなかったお子さんが、目の前で一つのことに集中して反応する姿を目撃して、お父さんはEEメソッドの可能性を評価されました。

 今回は、そのお父さんからも特別に寄稿していただいています。

 EEメソッドは、4カ月間の集中指導を基本としています。その4カ月で、和夫君は会話が成り立つようになり、落ち着きが出て、奇声も止みました。

 本書ではまた、和夫君のお母さんと、川崎さんと同じように息子さんの発達障害に悩み、EEメソッドに取り組み、見事に改善した田中安志君(仮名)のお母さんを交えて、実際にどんな取り組みをしたのか、対談形式での体験談を取り上げています。お子様の改善のプロセスを漫画で描いた「改善体験記」もページの折々に掲載しています。

 さらに、本書の共著者である日本武道総合格闘技連盟理事長、空手道禅道会主席師範でディヤーナ国際学園名誉学園長の小沢隆氏との対談を掲載しています。小沢氏は武道を通して青少年の更生に貢献してきています。暴力行為に走るローティーンたちとも武道の指導を通して命がけで向き合ってこられましたが、武道を習いに来る子どもたちのなかに発達障害のある子どもが年々増えているといいます。

 とくに、発達障害の問題を抱える思春期の道場生の改善は容易ではなく、EEメソッドの改善実績を知り、興味をもったといいます。

 子どもの発達障害による問題行動への対処法がわからず、親が子に手を挙げてしまったことがあるという方がけっこういます。そんな子どもたちが思春期を迎えて逆に親に危害を加えるなどの家庭内暴力に発展し、困り果てた親が小沢氏のところに駆け込む例が少なくないのです。

 小沢氏との対談では、何より親が変わることがカギであることが再確認できました。同時に思春期になってあわてるのではなく幼児期のなるべく早い段階で家庭で対処することがいかに重要であるかを再認識しました。

 お子さんの成長に不安を感じている方、さらに発達障害で悩んでいる方が、本書との出合いを通して、子どもの未来に希望を抱いてくださることを願ってやみません。それを決めるのは、〝親自身〟です。

 

一般社団法人エジソン・アインシュタインスクール協会代表 鈴木昭平

 

 

●鈴木先生と出会い、発達障害の改善に希望の光が

 自立支援施設ディヤーナ国際学園は、長野県下伊那郡高森町という田舎町にあります。

 一年ほど前のある日、私は問題行動を起こした女子生徒と、高森町から30キロほど離れた大鹿村というところにある民宿へ徒歩で向かっていました。実は、その日ディヤーナ国際学園に鈴木先生が視察に来ていただく日でもあり、視察後にお泊まりいただく民宿は徒歩で目指す目的地でもあったのです。

 強い日差しの中、その女子生徒を励ましながら歩いていると、私の足なら5時間あれば優に目的地に着けるところ、体力の無い女子生徒を元気づけながらのため8時間以上もかかってしまいました。

 やっとの思いで民宿に到着すると、なんと出迎えてくれたのは視察を終えた鈴木先生だったのです。その鈴木先生の笑顔にとても癒され、疲労がいっぺんに身体から抜けていったのを今でも鮮明に覚えています。その夜の囲炉裏を囲んでの歓談は、とても楽しいなかにも未来への可能性を感じさせるものとなりました。

 私の主宰する空手道禅道会という空手の団体でも、年々発達障害の子どもが増えているという実感がありました。また、当初非行少年が多かったディヤーナ国際学園でも発達障害の子どもたちが年々増え、そのほとんどが家庭内暴力を伴う子どもたちだったのです。幼いころから発達障害であるがために学校になじめず、友人関係や親子関係にも齟齬をきたし、傷つき不信感をエネルギーにした彼らの凄まじい暴力行為には相当に悩まされました。

 関係性によってできた彼らの心の傷自体には改善もしくは改善の方法が見いだせても、発達障害自体はどうにもならない! 私たちも発達障害は改善されないという常識に囚われ出口が見いだせない状況でした。

 しかし、私たちだけには徐々に心を開いてくれる彼らを見ていると、彼らがいずれ社会に出て行かざるをえないことを考え、何か惨いようでとても不憫な気持ちに苛まれました。そんなことから、何とか発達障害改善の道がないものかといろいろな所へ出向き、改善方法の模索を始めていました。そんな私たちの祈りが通じたのか、ディヤーナ国際学園の名誉教育顧問を引き受けてくださっている心理学の大学教授の先生より鈴木先生をご紹介いただいたのです。

 鈴木先生の発達障害改善の論理は実に明快で、私たちがそれまで学んできたことにも矛盾がなく、推進する武道教育との相性も良く、新たな武道教育の可能性をも感じさせていただくものでした。

 本書が、発達障害のある子どもへの接し方に困る教育現場や空手道場、ご家族の希望の光となることを願うばかりです。

 ここ何年か発達障害の改善に悩んできた私自身の気持ち自体にも希望が見いだされてきて、このご縁に心より感謝する次第です。

 

日本武道総合格闘技連盟理事長・ディヤーナ国際学園名誉学園長 小沢隆

目 次

発達障害は家庭で改善できる――もくじ

はじめに

1章 奇声を上げる、会話ができない わが子との壮絶な毎日に希望の光が!

信じられないほど変わった息子

2歳半のとき子どもの発達の遅れに気づく

ショックで気が動転した保育園の先生の言葉

わが子と意思の疎通がまったくできない

パン、牛乳が大好きで、ひどい便秘

お風呂から歯磨きまですべてが親任せ

一歩外に出たらまわりの人に謝り通し

小さい子を突き飛ばしてしまい……

「迷惑です」と病院で治療を断られた日

自己嫌悪するほど壮絶な毎日の連続

「何もわからない、何もできない」ので保育園嫌いに

保育園のお迎えも大騒ぎ

2時間奇声を上げ続ける

「いっそ一緒に死んでしまおうか」と悩む日々

心理指導で親子ともに少しだけ落ち着いた

個別相談が終了して途方に暮れる

EEメソッドとの出合い

セミナーで「天から何かが降りてきた」

プログラムをスタートして4、5日で起こった驚くべき変化

たった半年で2歳分の成長

夏祭りで「お母さん、見ててね」と言われて感動

言葉の上達も著しく親子で会話ができるまでに

子どもが普通学級を希望

就学時健診で見たわが子の驚愕の成長ぶり

毎日が、2年前にはありえなかったことの連続

みんなに気を使い、まわりを幸せにする存在に

忘れられない7歳の誕生日

2年生に進級して確実に成長していることを実感

マンガで伝える改善体験記①

2章 わが子の確実な成長を実感! 私たちが取り組んだこと

★母親として取り組んだこと――川崎邦子(仮名)

1日たりとも欠かさなかった「声がけ」

声がけは「前向きな言葉で端的に」が最大のコツ

毎日「魔法の言葉」を言い続ける

親の意識改革のために生活スタイルを改善

パワーアップ体操で自分自身が健康に

「困ったときのフラッシュカード」

フラッシュカードのために準備体操を

ひらがなの練習と肯定的言葉

「てにをは」の使い方も修正

お風呂タイムを大いに活用

足し算もお風呂の中で覚えた!

学習に最高、お風呂はインプットの宝庫!

生活の中で何でもインプット

何でも遊びにしてしまう

1日20冊の絵本読み聞かせ

食の改善―基本的に和食中心で

腸内環境を整えることの大切さを知る

奇声は野放し、好きなだけ声を上げさせる

実感! 親の意識改革の大切さ

記録を付けることで励まされる

苦しいときは子どもの生まれたときの写真で自己暗示を

すべてを包み隠さず書いた「レポート」

★父親として取り組んだこと――川崎明夫(仮名)

EEメソッドは科学的に信頼できる!!

差別的な扱いを受けたことも

答えの出ない暗闇の3年間

EEメソッドは科学的に信用できるのか!?

立ち遅れている発達障害研究

子どもに対する願い―できる限り人生を楽しんで

◯この子はおそらく将来、すごい子になります! 大変な優秀児に育ちます!

マンガで伝える改善体験記②

3章 「自分でできるから構わないで」と息子に言われて「もう大丈夫」と確信!

協会に出会ってわずか4年で「もう大丈夫」と確信

マンガで伝える改善体験記③

鈴木先生との親子面談で奇跡が起きた

問題行動は、子どもの敏感さを読み取る

親子面談のそのとき、ありえないことが起きた

同じように息子さんが改善し、子離れしなければならなくなった田中さん

マンガで伝える改善体験記④

食事に関しては息子のほうがはるかに注意深い

効果はうちの子だけでなかった

改善には、お母さん自身が変わることも大事

子供の奇声にも絶対叱らない

「子どもと密室で3時間以上いると、母親は凶器になる」

敏感すぎる反応は天才の証

マンガで伝える改善体験記⑤

4章 発達障害から家庭内暴力に。問題行動に命がけで向き合う

道場で20年以上前に発達障害のある子の存在に気づく

発達障害の子は約10年前から激増している

発達障害の子に対して指導がうまい道場の指導者の特徴は?

切実な問題を持つ親御さんへの啓蒙活動が突破口に!

武道の稽古は学習能力の向上に繋がる

武道の呼吸法で脳を活性化

発達検査表をつけることで親のストレスが軽減する

「気持ちの切り替え」が要!

武道の極意とストレス・コーピング

子ども時代、夢をコントロールする技術を身につける

高校をケンカで退学

競技用ルールでは実戦に勝てない

ブラジリアン柔術に勝って話題になり独立

非行少年たちの親が相談に押しかける

暴れる子を4時間くらい押さえつける

自分たちを大人の物差しで裁かない初めての大人

武道でストレスをコントロールできる

子どもより親のカウンセリングのほうが先

ある「嘘つき少年」の正体

「お母さんが大事」で一致する

5章 子どもがどんどん変わっていくもっとも効果のある家庭での改善法

発達障害があっても可能性は限りなく開けている!

発達障害の脳の仕組みがわかった!

結果は出ます。必ず改善できます

EEメソッドとは何か

親の意識改革―自分を責めないで

気絶するほど子どもをほめる!

血流・血行の改善

右脳を刺激する超高速学習

「声がけ」と五つの魔法の言葉

便秘を根本から解消する―小腸のクリーニング

脳に必要な栄養素の補給

EPAと日本の伝統的な和食

10分間バスタイム学習法

マンガで伝える改善体験記⑥

 

おわりに 発達障害は家庭で改善できる!

プロフィール

鈴木昭平(すずきしょうへい)

1950年茨城県北茨城市生まれ。76年3月横浜国立大学大学院経営学研究科修士課程修了。経営学修士。同年4 月より同大学大学院研究生。ジャスコを経て常磐大学職員、常磐学園短期大学学内講師、桜美林短期大学、産能短大、日本航空高校、国土交通省・住宅産業研修財団などの講師を務める。1988年より幼児教育に携わり、2008年までに30人以上の知的障がい児が劇的な改善を遂げる。その指導方法を広めるべく2009年、一般社団法人エジソン・アインシュタインスクール協会を設立。現在同協会代表。これまでに5000家族以上の相談指導を行ない、2000以上の改善指導例をもつ。

小沢隆(おざわたかし)

(仮)認定NPO法人日本武道総合格闘技連盟理事長、空手道禅道会主席師範、ディヤーナ国際学園名誉学園長。

1961年長野県飯田市生まれ。中学時代より空手を始め、83年頃から青少年に空手を教え始める。88年、同市に空手道場を開設、青少年健全育成活動に取り組む。99年、真の護身武道の追求と青少年の健全育成が可能な武道教育を確立のため、空手道禅道会を設立。2001年には「日本武道総合格闘技連盟」を設立。日本最大の総合格闘技団体に成長させ、海外支部も30カ国に及んでいる。08年4月、広域通信制高校「さくら国際高等学校」と提携し、自立支援施設・通信制高卒サポート校「ディヤーナ国際学園」を設立。青少年健全育成活動のための講演活動や執筆活動も行なっている。